第1432回  2023/12/3〜14の歴史ニュース

1、歯の次は腰か

歴史ニュースの投稿が空いてしまいました。

昨日の夜に急にギックリ腰のような症状を発症しまして、

本日は朝から整体でほぐしてもらって

かろうじて椅子に座っていられるくらいになりました。

同じ姿勢で居続ければ痛みを忘れますが

走るとか重いものを持つ、とかはできそうにありませんね。

さて、いつものようにヘッドラインの後ろのRはX(旧Twitter)でシェアした時のリアクション数、コメントが付いたらCと表記しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①熊本市の熊本城宇土櫓の素屋根内部を公開 R9

②北海道上ノ国町で道指定文化財「勝山館跡宮ノ沢右岸出土品」のお披露目会へ R12

③奈良県吉野町の金峯山寺の仁王門で解体修理中に前回修理の墨書を発見 R2

④茨城県古河市は江戸時代の藩主土井利位愛用の刀を取得へ R16 C

⑤熊本市の熊本藩川尻米蔵跡で保存修理工事が終了し一般公開へ R14

⑥東京都千代田区の英国大使館跡から弥生時代の集落跡 R13

⑦大阪府枚方市の禁野本町遺跡で古代の道路跡を発見 R9

⑧西郷従道らの写真が新たに発見 R8 C

⑨奈良県橿原市で大名屋敷の土台に飛鳥時代の古墳の石を再利用 R3

⑩滋賀県彦根市の稲部遺跡で出土した最古級の靫を安土城考古博物館で展示 R13

3、法の限界

いかがだったでしょうか。

皆様の気になる話題もありましたでしょうか。

個人的には④の話題。

利位は有能な政治家として実績を重ね、江戸幕府の老中筆頭まで上り詰めた。その一方で学問を究めた藩主としても知られ、日本で初めて雪の結晶を記録した「雪華図説」を刊行した。

と報文にもあるとおり、雪の結晶に思い入れのある大名。色々な調度品に雪華紋を取り入れたことが知られていますが、地元にはほとんど残っていなかったとのこと。

今回取得予定の刀は現在では唯一、利位の指示で作られたと確認できる美術工芸品となる。

これに2500万円出す、市はとても好感が持てます。

いつか展示されたら見に行きます!

続いては⑤の話題。

藩直営の米蔵が現存するのは日本で4か所だけ

という市の文化財担当者のコメントが気になって呟いたところ、

松坂城の米蔵の情報をいただきました。

ググってみると鳥取藩もあるようです。

全国で何ヶ所だけ!というのは断言するのも難しいですよね。

そして最後は⑥の話題。

東京のど真ん中によくぞこれほど良好な状態で遺跡が残っていた、というのにまず驚きです。

このご時世でこの一等地の遺跡を買い上げて史跡に、というのは土台無理な話なのはわかります。

報道が広まると、「現地説明会」を開催しなかったことに対しても批判的な言説が見受けられるようになりました。

同業者としてはやむを得ない事情があったのだな、と同情してしまいますが

一般的には公開もせずに破壊してしまうなんて!と感情的になる人がいるのもわかります。

我が国の埋蔵文化財の保護制度に照らすと、しっかりと発掘調査をして記録保存できるだけでも素晴らしいことなのだとさえ思ってしまいます。

もっと文化財保護意識が高まって、世論の流れが変わるくらいだと

法改正の議論も進むでしょうか。

やはり日本は個人の財産権が強いから無理でしょうね。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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