第1337回 2022/10/18〜23の歴史ニュース

1、秋は焼きの季節

昨日は縄文土器づくり体験の後編、野焼きを行いました。

真夏と違って秋の涼しい気候の中で燃え盛る炎を見ていると、つい見入ってしまいますよね。

他のスタッフが気を利かせてサツマイモを持参してくれたので、残り火で焼き芋もできました。

天候も心配しましたが、片付けがほぼ終わったくらいで雨が降ってくる、というギリギリセーフの状態でした。

さて本日も気を取り直して、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①全国のテレビ塔で初めて名古屋が国の重要文化財に指定 R13 C

https://www.chunichi.co.jp/article/561914

②京都市東山区の東福寺で重要文化財の東司に車が突っ込む R5

③岩手県奥州市の胆沢城跡から出土した漆紙文書が「戸籍」に近いとの分析結果 R2

https://www.yomiuri.co.jp/culture/20221013-OYT1T50299/

④京都市北区の国宝「大徳寺方丈」で解体修理中に江戸時代初期の「のみ」がみつかる R32 C

⑤哲学者鈴木大拙の書が母校である小学校で発見 R9

⑥川崎市の市民ミュージアムの収蔵品、修復作業は難航 R14

⑦京都府京丹後市の佐屋利遺跡で中世の館跡を確認 R9

⑧岐阜県関ヶ原町の宝蔵寺で関ヶ原の戦いの供養祭 R11 C

⑨宮城県多賀城市の国特別史跡「多賀城跡」で、古代の軍事関連の役所が並んだ城前官衙地区の復元整備の大半が完了 R6

⑩横浜市の神奈川県立博物館で特別展「永福寺と鎌倉御家人」を開催。12月4日まで R10

3、敗者への優しい眼差し

いかがだったでしょうか。

みなさまの気になる話題もありましたでしょうか。

個人的に最も気になったのは④の話題。

職人さんが自分の仕事を密かに誇るため、墨書などを見えない部分に残すことは数多く見られますが、わざと道具を残しておく事例も少なくありません。

しかもこの建物については創建年代がわかっており、その時に実際に使われていた道具の実物が確認できたわけで、

大工技術の変遷を辿る上でも貴重なデータとなりうる、という副次的な価値もあります。

そういえばむかーし、一度部分的に発掘調査された古墳を再度全面発掘した時に移植ベラが出てきたことがあったのですが

あれも大先輩の発掘調査担当者が自分の存在を示すために残したのか…

そして、厳しい現実を突きつける⑥の話題。

ぬれた紙資料の凍結保存や乾燥などの「応急措置」に約7億8000万円、美術品のカビ除去など専門業者への委託費が約7億5000万円、地下収蔵庫から移した被災品の保管費が約4億6000万円などとなっている。

という膨大な費用をかけ、多くの人の苦労を経てなお、進捗は7%ほど、というから先が遠くなりますね。

この苦難を乗り越え、無事復元に成功した暁にはきっと国の重要文化財に指定しても差し支えないほどの稀有な事例になるでしょうね。

そして最後は⑧ の「ノーモア関ヶ原」。

石田三成、大谷吉継、宇喜多秀家、小西行長、平塚為広と名だたる西軍の武将たちの子孫が参列している割に、東軍の子孫が参加していないなぁ、と呟くと鋭いフォロワーさんが

東軍の子孫=江戸時代の大名=明治以降も華族

という現実を突きつけてくれました。

敗者の鎮魂に重きが置かれている、ということで。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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