第45回博物館のあるべき姿

1、導入

愛知県蒲郡市の竹島水族館が入館者数をV字回復させた記事を拝見しました。

歴史系資料館、博物館でもすごく当てはまる話で、響く言葉ばかりでした。

記事を読んで考えたことを交えながら紹介していきたいと思います。

2、改革前の現実

人口8万人程の市が経営する公共水族館。

建物は老朽化し、8年前は年間12万人の入館者数しかなかったそう。単純に計算すると、一月で1万人、1日300人くらいでしょうか。

水族館は様々な環境の動物を扱うので維持費が大変かかりそうです。

大幅な赤字で市議会で問題になり、指定管理者の導入となったようです。

指定管理者制度とは公共施設を民間の組織に任せて運営してもらうことです。

図書館をTSUTAYAが運営して話題になったこともありましたね。

賛否両論ありますが、個人的には仕方ない流れなのかと思います。諸々の問題は管理をお願いする自治体側の配慮が足りないことが一番の原因かと思います。

博物館の指定管理も原理主義的な議論含めて喧々諤々ものですが、詳細は別の機会に。

ひとまずは、このご時世公共で上手くやれない施設は民間に任せなさい、という圧力には抗えません、ということです。

3、改革に必要なこと

そして蒲郡市の竹島水族館は民営化して館長になったのは入社して間もない若者。私と同世代ですね。

重視したのは顧客第一主義を貫くことと、工夫をこらすこと。

深海魚が入手しやすいという利点を活かして、

タカアシガニを直接触れる唯一水族館!

を売り出したのです。

魚マニアの飼育員がやりたいことではなく、お客様が魚に興味を持ってもらうことを考える。

館長の小林さんの

単に魚が好きで飼育がしたいならもっと給料が高い仕事に就いて家で好きな魚を飼え、と若手には指導しています。

という言葉が刺さります。

自分のところは大丈夫かと。

自分が見せたい展示をしてないか。

マニアにしか分からないところを強調した説明文にしてないか。

また問い直して日々精進していかなくては。

#コラム #水族館 #博物館 #指定管理者制度 #顧客第一主義


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