第1266回 2022/2/22〜28の歴史ニュース
1、春よこい
ついに2月も今日でおわり、今週末には啓蟄を迎えます。
春が待ち遠しいですね。
さて、気を取り直して今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。
ちなみに前回はこちら。
2、ニュースヘッドライン
①静岡県磐田市の野際遺跡から、古墳時代前期のものと考えられる木製のすきが出土 R9
②福島県会津若松市の会津図書館が所蔵する古文書、絵図などの歴史資料をデジタル画像にした「市デジタルアーカイブ」を公開 R11
③埼玉県川越市の日本聖公会川越基督教会」礼拝堂の定礎石内部から、100年前の聖書や祈禱書などを発見 R4
④兵庫県丹波市の国指定史跡・黒井城跡の登山道沿いや、山頂の遺構を守るために同市が設置している木の杭が、頻繁に抜かれる事案が発生 R9
⑤イスラエルはカイザリアの港の近くの沈没船から出土した後期青銅器時代の鉛のインゴットを分析し、産地を特定 R1
⑥山形県酒田市の本間美術館で雪の重みで倒れたアカマツが施設内の本間家別荘「清遠閣」の屋根を直撃 R7
⑦滋賀県大津市の琵琶湖文化館で地元高校生がアイディアを提供 R3
⑧福島県須賀川市民交流センターtetteで団子山古墳の発掘調査成果報告会を開催 R5
⑨オーストラリアの愛好家がGHQに接収された旧国宝の刀を発見 R21
⑩愛知県新居浜市の総合科学博物館で企画展「見たことあるカイ? 知ってるカイ?~貝の世界・不思議発見~」を開催。4月10日まで R4
3、文化財を所有する、とは
いかがだったでしょうか。
みなさまの気になる話題もありましたでしょうか。
個人的にはなんと言っても②のデジタルアーカイブの話題。
実際に使ってみましたが、とてもいいものでした。
鉄砲隊、弓隊、槍隊と続くのも実戦と同じ順のようですし、
荷物持ちでも羽織を着ている者から褌一丁の者まで差がつけられています。
写実的な描写であることを窺わせます。
『会津藩分限帳』と『諸士系譜』『明治維新後の会津藩士』が全文公開されており、それを元に藩士のデータベースまで構築されているとのこと。
仙台藩士も同様のデータベースがあればどんなに研究が発展することか…
絵図も定番の城絵図、城下の地図のほか、藩主の参勤交代の様子を描写した絵図も掲載されており、非常に興味深く、細部まで観察することが面白くてしょうがないです。
各地で同様の公開が進めばどんなにいいことでしょう。
続いては⑨の刀剣の話題。
あの戦争の占領下では「国宝」に指定されているものですら「武器」であるとみなされ接収されたのですよね。
愛好家がオークションで競り落としたものを、銘から鹿児島神宮にゆかりのあるものだと判断して連絡、そこから同定に至るというのも行動力に感服しますが
なにより
ブルックスさんはNHKの取材に対し「自身の死後には確実に、この刀を鹿児島神宮に戻したい」と話していました。
と蒐集家の鑑のような発言をしていることが印象的です。
自分の財力で入手したものであっても文化財、骨董は「預かり物」
手元に置く権利を買ったに過ぎない、と考えることは
理想的なマインドです。
文化財に関わる者として、私もかくありたい、そう思わせてくれるニュースでした。
本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。
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