第529回 国家を守る5つの仏

1、答えられない質問が成長させてくれる

今日も今日とて

台風が接近している中、いつものように客人を案内しておりました。

定番コースのこちらをご案内しているところでふと質問されました。

五大明王って具体的には?

不動明王と、降三世と軍荼利と、金剛、、、

と咄嗟には意外と出てこないもんですね。

ちょっと凹みました。

今後このようなことがないよう、しっかりと特徴まで掴んでご説明できるよう

整理してみようと思いますので、お付き合いください。

2、ランクなんて関係ない

まず明王ってなんだ?というところから。

仏様にもランクがあって大雑把にわけると

如来・菩薩・明王・天部

と4つになります。

如来は悟りを開いた至高の存在のこと。

釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来、大日如来などがよく知られています。

これらの仏様は極楽浄土の主ですので、そのお膝元に生まれ変わることを願って、という形で信仰されているといった感じでしょうか。

それに対して、悟りを開く一歩手前、修行中の存在とされるのが菩薩。

観音菩薩や文殊菩薩、普賢菩薩、地蔵菩薩などが知られていますね。

この世に生きるモノたちを救うことを優先して、自らの悟りを後回しにしているという解釈もできます。

明王は怒りの形相で描かれることから分かるように、仏教に帰依しないものを畏怖させ、煩悩を打ち砕く存在として力強く表現されます。

今回取り上げる五大明王のほか、愛染明王や孔雀明王が知られています。

最後に天部ですが、仏教が拡大していく中で取り込んでいった異教の神だったモノが含まれるので多様な姿をとります。

梵天と帝釈天はヒンドゥー教の創造神ブラフマーと主神インドラに由来しますし、七福神の弁財天や大黒天も元はヒンドゥー教の神でした。四天王もそうですね。

このあたりは八百万の神を祀る日本人の心性にあっていたせいか

自然と受け入れ、区別なく「仏様」として拝んでいる方が多いのでしょう。

3、明王像の特徴

さて本題の五大明王ですが、

密教の教えが広まった平安時代以降に彫刻や絵画で表現されます。

五壇法という国家安穏を祈願する修法の際に本尊として用いられたようです。

中央に不動明王

北に金剛夜叉明王

東に降三世明王

南に軍荼利明王 

西に大威徳明王 

が割り当てられています。

不動明王は単体でも〇〇不動として祀られることが多いですし、

童子姿の眷属を従える主尊として描かれることもありますね。

人々の煩悩を断ち切る三鈷剣と人々を縛ってでも救い上げるとされる縄(羂索)を持つ姿が印象的です。

金剛夜叉明王は悪人を喰らう軍神で、三つある顔の一つに5つも目があることが特徴です。

降三世明王は異教の神、シヴァを倒した者なので、神を踏みつけるという特異な姿として描かれます。

軍荼利明王は疫病を調伏する神でトグロを巻いた蛇を身に纏った姿で描かれることが多いようです。

大威徳明王も邪悪なものを調伏する存在ですが、神の使いである水牛にまたがり、六本の脚が特徴的です。 

4、

とこのくらいのことをお話できれば、

ガイド役としては十分かと思いますがいかがでしょうか。

ちゃんと覚えられるように五大明王像のフィギュアでも机上に置いておこうかな。

と思ったらなかなかいいお値段しますね。

いつか自分へのご褒美として1年に一つずつくらい買い揃えていきたいと思います。

貴方の好きな仏像など、ぜひコメント欄で教えてください!

本日も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。


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