第1336回 2022/10/11〜17の歴史ニュース

1、稲刈りシーズン

昨日は町の子ども達に稲刈りを体験させよう、という事業を行いました。

地元の農協青年部の協力で、私はほぼ裏方と写真撮影係だったのですが

イキイキとした表情の子ども達を見ると

体験活動の大切さを改めて思い知りました。

田植えと稲刈りの2回講座ですが、町に残る民具を活用した、脱穀なんかの作業もできたらな、という妄想もしたりしますが、

現実的にはスタッフの余力がないので難しいかな、とも。

さて本日も気を取り直して、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

2、ニュースヘッドライン

①宮城県大崎市古川の緒絶橋のたもとにある柳の木を伐採へ R4

②奈良市の薬師寺から日中戦争時の陶器製記念メダルが出土 R4

③和歌山県田辺市の闘雞神社で社殿修復の奉祝祭 R7

④大阪府貝塚市の願泉寺で国重文の「表門」の一部が破損 R5 C

⑤エジプトの考古学者が大英博物館にロゼッタストーンの返還を要請 R4

⑥中国陝西省西安市の漢長安城兆倫鍾官鋳銭遺跡で前漢から王莽新王朝時代の銅銭や鋳銭用の陶製鋳型が大量に出土 R7

⑦鳥取県米子市の百塚88号墳について、県知事が近接地域への復元も視野に R9 C

⑧古代ローマ時代の都市を丸ごと地中レーダー探査 R17

⑨宮城県仙台市の東北大学史料館で企画展「東北考古学の礎」を開催 R5

⑩宮城県東松島市の赤井官衙遺跡で古代の竪穴住居跡7棟を発見 R4

3、世界史のなかで

いかがだったでしょうか。

皆様の気になる話題もありましたでしょうか。

今週は海外の話題が目を引きました。

まずは都市丸ごとレーダー探査という⑧。

日本でも地上の墳丘部分が失われてしまった古墳の溝を見つけたりすることはありますが、規模が段違いですね。

それと精度も。

電波を地面に発射して内部からの反射波を計測することで埋設物や地下構造を可視化する手法です。これを使ってファレリイ・ノーヴィ全域を探査したところ、建物や記念碑などの構造物はもちろんのこと、通路や上水システムのパイプまでもが2千年の時を経て姿を現したそうです。

280億個にも及ぶデータポイントを取得しているとのこと。

可視化はできたとして、そこから有意な情報を見出していくのは考古学者の役割です。

発掘調査にかかる土木作業の手間や時間は削減しましたが、考古学的分析の根幹部分は変わりありません。

夢があるような、気が遠くなるような、そんな感覚を持ちます。

規模が大きいといえば、⑥の中国の話題も同様です。

世界史の教科書にも登場する中国、新王朝時代の貨幣ですが

https://www.imes.boj.or.jp/cm/research/kinken/mod/gra_china10.pdf

布貨や契刀という特殊な形のものが用いられたことで知られています。

まさにその銭を鋳造していた場所の跡、ということで興味が引かれます。

最後にやはりロゼッタストーンです。

紀元前2世紀に造られたもので、エジプトのヒエログリフとギリシャ文字の両方の言語で記述がなされていることから、言語学の発展に大いに貢献した遺物として知られています。

フランスのナポレオンによるエジプト遠征で見出され、イギリス軍が接収すると、大英博物館に運び込まれます。

エジプトでは2003年から再三返還を求めていますが、

世界史の中でも重要な文化財はどこに保管すべきか、についてはまだまだ議論されるべきこと。

今後も定期的な話題提供がなされていくことでしょう。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

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