第1329回 2022/9/14〜20の歴史ニュース

1、世紀の瞬間を見逃す

英国エリザベス女王の葬儀が世紀のイベントだ!

とドキドキしていたら、なんと台風接近に伴い、避難所勤務を命じられました。

昨日の午後から詰めて、万全の準備を整えて迎えたものの、

蓋を開けてみたら雨も風も大したことがなく、完全に空振りに終わりました。

西日本や関東でもかなりの被害があったようなので、備えるにこしたことはありませんが、

対応を判断する側も難しいですね。

さて本日も気を取り直して、今回もヘッドラインの後ろのRはコメントをつけてリツイートした際にいただいた、いいねとリツイートの件数、Cはコメントがついたことを示しています。

ちなみに前回はこちら。

https://note.com/tunawataridori/n/n6826cf685ba0

2、ニュースヘッドライン

①最古の文字とされたのは油性マーカーの痕跡だった!? R20 C

②長野県諏訪市立博物館に郷土史家が収集した縄文土器コレクションを寄贈 R14 C

③岩手県盛岡市で盛岡城関連資料を懸賞金付きで募集 R7

④細胞核DNAの解読データから、ロバが7000年前に家畜化されたことが明らかに R4

⑤北海道江刺町で海底に沈む軍艦開陽丸の調査 R16

⑥新潟県村上市の上野遺跡で縄文時代の焼人骨集積土坑を発見 R15

⑦凸版印刷がくずし字解読アプリを開発 R28 C

⑧愛知県田原市立博物館で企画展「骨董を愉しむ」を開催。10月2日まで R3

⑨佐賀県吉野ヶ里遺跡で発掘調査体験会を実施 R6

⑩横浜市の上郷深田遺跡について、市が埋蔵文化財の記録保存に必要な発掘調査報告書を作成していないことが判明 R4 C

https://www.tokyo-np.co.jp/article/202244

3、業界の構造的な問題

いかがだったでしょうか。

今日は深掘りしたい話題が多いですが、まずは①。

「最古」という文句はいつも問題をはらんでいます。

もともと「硯」があるから「文字」もあった、という点にも疑問が呈されてはいました。

今回は発掘調査や整理作業の過程でミスがあり、

現代的な塗料が遺物に付着してしまい、

それがあろうことか硯と文字という問題を探るキーとなるものだった、という悲劇。

ただそれを分析して検証した結果で明らかになった、という点を評価すべきでしょう。

もっと言えば報道で大きな話題になる前に、検証できればなおよかったですが。

そして⑩の話題は業界に根深い問題。

列島全体が開発の波にさらされ、一刻も早く発掘調査を進めなくてはいけなかった時代がありました。

まずは現場を終わらせて、整理作業、報告書作成は落ち着いてから、

ということは珍しいことではありませんでした。

しかし、現場が少なくなる、ということは開発がひと段落して景気が悪くなり始めた頃。

行政も人を削減し始める、ということになります。

結局、落ち着いたら、という時は永遠にやってくることはなく

宿題だけが残されることになります。

内部の人もよくわかっているのです。

逆になぜ今になって報道にのってきたのでしょうか。

市民、メディアの関心が高まっているのか、それとも他に意図があるのか。

今後も注視していきたい話題ですね。

本日も最後までお付き合いくださり、ありがとうございました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?