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ここ1年で電子書籍の購入が主流になった話

私は自他共に認めるほどの活字中毒者である。
本は好きだ。時間さえあれば漫画も小説も分け隔てなく読み漁れる。外出すれば必ず本屋に立ち寄るし、なんだったら図書館に住みたい願望すらある程だ。
印刷物も好きだ。学生の頃から印刷業に興味を持ち、パンフレットやチラシを収集してはあれこれと研究したものである。
紙の匂いもインクの匂いも好きだ。何十年越しでも読める本が好きだ。

そんな私だが、ここ1年は電子書籍で本を買うのが主流になった。


本棚だらけのデメリット

私の実家は家中どこにでも本棚が置かれているような本屋敷だった。両親の部屋、兄の部屋、私の部屋、そして供用部の廊下にまで本棚が設置され、漫画も小説も無尽蔵に並べられているような家だった。
しかしこれだけ本棚があっても、本の購入量は年々増えていく一方で、本棚は常にいっぱいだった。
定期的に古本を処分しなければ、新しい本を買うのにも躊躇が生まれる。
例えば本屋で読みたい新刊本を見つけた時、真っ先に考えるのは本棚の空き具体だ。怪しかったら帰って確認するために保留する。あるいは諦める。あるいは新刊を買うために処分する本を選別する。これが思いの外ストレスになっていたのかもしれない。

私にとって、面白い本と出会う時はいつだって瞬発力が要だと思っている。
何かの琴線に触れてその場で読みたいと思う。読みたいと思った瞬間に買う。そして買った日のうちに読む。そうやって読めた本こそが私にとっての「当たり」だった。
その出鼻を挫く最大の原因が、金銭面より本棚事情だったのだから、「物理的に嵩張る」というのは深刻なデメリットだと思う。

1人暮らしの部屋は狭い。

都心への転職を機に実家を出て、1人暮らしを始めた頃から、本棚問題はより顕著になった。
というのも、単身者向けの部屋では生活用品を置いてしまえばそれだけで部屋が埋まるのだ。本棚を入れるスペースなくない??
いや、作ろうと思えば作れるけど、それでもお気に入りの本を厳選してなんとか収まる程度のスペースだ。
1人暮らしをするにあたり、インテリアを重視したかった私は、ほとんどの本を実家に置いていくことにした。まぁ、実家との距離も遠い訳ではないので読みたくなったら帰ればいいだけの話だったから。
なので今住んでいる部屋には本棚は置いていない。カラーボックスに収まる程度のスペースに数冊の本とDVDが並べてある程度だ。
本も、長年読み続けてる漫画の新刊や、電子書籍販売していない本以外は、ほとんどスマホから電子書籍で買うようになった。

環境の変化で否応なしにペーパーレス生活になったが、元々私は電子書籍に抵抗はない方だ。
昔から本と同じ位かそれ以上にWeb小説を読み漁っていたし、50巻超えする長編漫画を一括購入できるのも電子書籍ならではとも言える。
まぁ、漫画の見開きは相変わらず見辛いけども。


Kindle買ったら滅茶苦茶便利だった。

電子書籍リーダー「Kindle」に興味を持つようになったのが大体1年前の事だ。
その頃、私は某推理漫画の影響で、ミステリー小説を読み漁りたい期に突入していた。
図書館で借りたミステリー小説を通勤中に読むのが丁度良い読書時間だったのだが、朝の通勤電車はいつもぎゅうぎゅうになるほどの満員で、本を捲るのも一苦労する。
そんな中である日、Kindleでスイスイと読書してる人を見かけたのだ。
「あー、Kindleだったら片手で読めて楽そうだな……電子ペーパーはスマホで読むより目が疲れないって聞くしなぁ」
と思い立った瞬間、Kindleに対する興味が爆上がりした私は早速ネットで調べまくった。

Kindleを買うなら、Amazonプライムデーで買うのが断然オススメだ。通常14000円くらいのリーダーが半額近い値段で買えるので、ハードルも一気に下がる。ポチることに躊躇いはなかった。
届いたKindleは、想像以上に小さくて軽いことに感動した。なにより、燃費の良さがすごく良い。1度充電すると、2週間は充電要らずになるくらいはバッテリーの持ちが長い。
電子ペーパーも液晶と比べて全然読みやすい。分からない単語は内蔵の辞書機能ですぐ調べられるのも便利だ。
どんな長編ものを持ち歩いても、荷物の邪魔にならないのだ。外出先で読書する人にこそ、本当に良くできたガジェットだと痛感した。
私の中でKindleはその年に買って良かった物の上位に位置づいた。
そして、Amazonで買える小説ならKindleで買うようになったのである。


10年前の同人二次小説をKindleで読む。

2019年の冬、唐突に超人気漫画のあるカップリング沼にハマった。
その漫画は、私自身も20年以上読み続けて当たり前のように単行本を全巻揃えていたものの、それまで二次創作としては意識したことがなかった。だけど令和となったこの時代に20年越しでハマってしまったのである。腐った意味で。
そのカップリングは多分、私と同年代なら高確率で通ったことがあると言っていい程、超王道カップリングだった。当然、pixivの投稿数もそれなりに多く、同人誌だって探せば潤沢に出てくる。そういうジャンルだ。
しばらくはpixivの二次小説を読むのに夢中だったのだが、ある日、贔屓にしている作家さんの個人サイトが健在してると知り、私は喜びのあまり踊り狂った。
10年分は蓄積されているだろう過去ログの膨大さはpixiv投稿数の比ではなく、まさに宝島を見つけた気分だった。
しかし惜しむらくは、PCブラウザ用のレイアウトとリッチテキストで構成された画面は、当然スマホで見やすくは出来ていなかった。
物凄いお宝があるのに、現代のツールにマッチしてないという言いようのない悔しさに私は泣いた。
どうにかこの過去ログ達をPC無しでも読みやすくできないか…と考え、思いついたのだ。
「小説家になろう!」に投稿されたWeb小説をKindle端末で読む方法があることは聞きかじっていたので、それを応用できないか…?と。
結論から言うと、Kindle端末で読める電子書籍にするには、「.mobi」という形式に書き出しが必要となるのだが、txtにしたデータをPC上でプログラムを通すなど、かなり手間がかかりそうだったので、電子書籍データに書き出すことは諦めた。
もっとシンプルに、スマホだけで操作が完結し、ストレスなく文字を読める方法を模索してたどり着いたのが、PDFによる自炊だった。
Kindleは端末専用のアドレス宛にPDFなどの書類データを送ると、閲覧する事ができる。
それを応用して紙媒体を電子化するのがいわゆる「自炊」である。
PDFなら、手順はものすごく簡単である。

1.ブラウザの小説を全文メモアプリにコピペする。(縦書きかつある程度行間と字体調整したかったので、「TatePad」というアプリを使用)
2.PDFで書き出す。
3.Kindle用アドレスに送信する。

たったこれだけ。
Kindle上で文字調節やページ送りの設定はできないが、これでも読む分には十分だった。
出勤前に何本かササっと書き出しておけばいつでも神の小説が読める上に目が疲れない。Kindleすごい快適だぞ…!


読みたい本は後先考えずその場で買える上に同人Web小説もKindleの本棚に蓄積できるの、実はとても便利じゃない?と思うようになってからは、私は専ら電子書籍派だけど、相変わらず本屋にも通う。

読みたい本は電子で買い、残したい本を紙で買う。多分そうゆう使い方で良いと思う。

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