秋葉山古墳群
年代とともに変遷する形状。ここは古墳のデパートやぁ~。
毎度おなじみの古墳マップさんが、県内の主要古墳ベスト3に認定しているうちの一つ。眺望の良い相模川流域の座間丘陵に位置する、質も量も大満足の古墳群です。
相鉄線かしわ台駅から古墳群まで
!ここで注意点!
古墳周辺はレストランや商業施設などがないので、食事は予め調達しておいた方がよいでしょう。公園も日々管理されている感じではないので、トイレも駅などで済ましておいた方がよいでしょう。
かしわ台駅西口から跨線橋を渡り、ひたすら下っていきます。(途中、左手に餃子チェーン店が見えます。この近辺で見つけた唯一の飲食店。)
目久尻川を越えると、左手に緑がきれいな公園(海老名市北部公園)が見えますが、道なりに進んで厚木バイパスの高架下をくぐります。右手に見える緑地帯を過ぎて十字路を左折するのが、分かりやすいルートかもしれません。住宅街は目印がなく、どの道も同じに見えて迷います。
坂道の先に緑豊かな丘が見えてきます。公園の角は崖のようになっているので、左に沿って平坦な道を進み、駐車場のある入り口へと折り返すように坂を上ります。私は、右に沿って道なりに坂道を進んだので、裏口から入ってしまいました。かしわ台駅から約20分で到着します。
秋葉山古墳群
丘を登り切ると、いきなり絶景が広がります。公園は切り立った尾根にあり、海老名方面も相模野台方面もよく見渡せます。この地を神聖な場所とした昔の人の感覚が、現代人の私にさえ理解できる気がします。
弥生から古墳時代の移行期に作られた墳墓を含み、県内でも古い時代の古墳群。改めて、その当時古墳を築造できる技術や財力、強い統率体系をもった集団が、関東含め日本中に存在していたんだと実感。
(この案内板を先に見てから見学すればよかった。それにしても、いつも推奨ルートの反対側から入ってしまうのは何故…)
1号墳(山王山)
奥の小山が後円部、ちょっと小高い。
手前の前方部は平べったくて長い。
後円部の先は崖になっていて、その先は住宅街が広がっている。
結構、高低差があるのね。
古墳全長は59m。後円径33m、高さ6.3m。前方部の長さ26m、高さ2.8m。この古墳群で一番最後に作られたとのこと。
2号墳(秋葉山)
きれいな後円部の膨らみ。
1号墳とは異なり、前方部にも高まりがある。
散策用の道ができている。
なんと、憲政碑が…なんでここに建てたんでしょうね。(憤怒)
墳丘の全長50,5m、後円部径は33メートル、高さは7.7m。前方部の長さは17.5m、高さは4.6m。前方部が短かくてかわいい感じがする。
墳頂に秋葉社をお祀りしていたため、秋葉山というらしい。大昔の人が作った古墳の上に、ちょっと昔の人が「ここはなんだか霊験あたかな所だなぁ」と感じて祠を建てたのかと思うと、感慨深い。
3号墳
木が茂りすぎて、形がわからない。大正時代の記録から推定墳長は約51mの前方後円墳。後円部は直径38~40mの不定形な円形、高さ7.7m。
今は前方部が無くなってしまったが、前方部が短い纏向型前方後円墳(全長:後円径:前方部長=3:2:1)であったらしい。弥生から古墳時代の移行期の特長か。この場所に最初に造営された墳墓。
墳頂から下を見ると、かなりの高さ。墳頂にはコンクリートの建造物があり、写真に収める気にならなかった。
後円部の立ち上がりが急こう配で萌える。柵の先には、眼下に相模平野が広がっていた。
5号墳
小さな盛り上がりだったので、古墳と思わず痛恨のスルー。案内板のない入り口から入ったことを後悔。一辺約20mの方墳。
4号墳
敷地両側に民家が隣接していて撮影するのが気が引けたので、この一枚のみ。
全長37.5mの前方後方墳。前方部の長さ12.7m、高さは2.8m。後方部は24.8m、高さは5.3m。3号墳と同時期に作られたが、あっちは前方後円墳、こっちは前方後方墳。不思議だなぁ。
それにしても、一か所で、年代とともに変遷するいろいろな形の古墳が見られるのは、「ここは、まさに古墳のデパートやぁ~」
地形のこと
この辺りは相模原台地が相模川に削られて出来た段丘ですが、その上に古い堆積面の座間丘陵が乗っかっている地形です。
遠景(相模川中流域)
近景(秋葉山古墳群周辺)
相模川の東岸と西岸にはそれぞれ川に平行に丘陵があり、そこには数多くの古墳が存在します。
いずれ、座間丘陵や伊勢原台地を縦走する古墳旅をしてみたいものです。
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