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今年最後の家族の食卓はおせちだった

我が家では毎年、おせちを手作りする。わかさぎと伊達巻、かまぼこ以外

栗きんとんづくり-薩摩芋を煮て潰してみりんを加えたあのほろっと甘い香りがキッチンから食卓に漂ったら、もう私の正月は始まっている。
黒豆は愛用している圧力鍋で作れば速攻なのだが、表面にしわができないよう 弱 でゆくりゆくりと煮込む。最近とガスからIHになった我が家は火の加減を調節しやすくなった。もはや火ではないか。

花形にすることも欠かさない。人参と灰汁を抜いた蓮根はかわいらしく、かつ美しく姿を変える。もちろん、切り取った部分は後日お味噌汁なり鶏団子の中に何事もなかったように混ぜてもらえる。

私が愛してやまないのが薄口醤油で煮た「里芋」だ。正月の朝に食べる暖かい里芋もおいしいのだが、正月の次の日に冷蔵庫から取り出したそれを朝ご飯に食べるほうが好みだ。冷えて味がしみ込んでとろりとほわりが混ざっているからだろうか。

大晦日の夜、年越しそばの準備と同時におせちもお重に詰める始める。
今年の年越しそばも私が大好きな薄味であった。鰹節の香りが際立つ我が家の出汁ものは、実家を離れて暮らす今とても恋しい。乾燥昆布をたくさんいただいて鰹節とはご無沙汰しているからだ。

お重に詰め終わったら、ラップで表面を覆って蓋をする。そしてすき焼きの準備に取り掛かる。といってもお野菜を切るくらいだけれども。
大晦日は大抵のことがなければすき焼きである。北国に住んでいるが、関西流なのが我が家。砂糖を赤いお肉の上に振りかけ、目分量で醤油と味醂を加える。それの繰り返し。

おいしいすき焼きの匂いにつられて愛犬は食卓を眺める。

可愛すぎる。

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あなたにはドッグフードがあるよ。
そうだよね。フリーズされた肉より生のほうが断然おいしいよね。


深夜になりハッピーニューイヤーと同時に、おやすみなさい。

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我が家の二階のベランダから 初日の出をみて 新しい年の朝が始まる。

お雑煮に入れる餅の数を家族に聞いて いつもより豪華な朝ご飯が始まる。

いただきます。

日の出を存分に浴びながらの朝ご飯は何といってもすがすがしい。

早速、里芋を半分に割り半分を口に運ぶ。

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お雑煮のお餅が少し硬くなってきたころ。太陽はとっくの間に上へあがり町全体を照らしていた。

今年もよろしくお願いします。

そして今年が最後の北国でのお正月は幕を閉じた。
この食卓テーブルは新天地に運ぶが、窓からの風景、このおうちでの思い出は運ぶことができない。窓から雪は眺められなくなる。

生れた時から大学進学するまでの18年間の喜怒哀楽が詰まった我が家に別れを告げ、私が今住んでいる町へと戻った。

最後 家族と囲んだ食卓に並んだおせちはなんだかさみしくも輝いて見えた。

ありがとう。



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