脱力
私の場合である
青年期
原因ある寂しさは音楽が助けてくれた
ミュージシャンが奏でる音と詩さえあれば
思うままに涙を流す事も出来た
原因ある怒りも死にたくなる気持ちも
ボリュームをあげて陶酔し踊り狂う事が出来た
私の場合である
中年期
原因ある虚しさは音楽だけでは救われず
思うように泣く事も難しくなり
原因ある怒りはあれどボリュームを上げる事もしない
何一つ夢中になれない時期を迎え途方に暮れる
心は何時でも必死で何かを探し求め続けているのに
何にも辿り着けないまま ただ切なく落ちるに身をまかせる
一つの救いに気付いた
笑うと楽に力が抜ける
場を凍りつかせるオヤジギャグ
評価を求められれば興醒めだが
疲労困憊した熟年期の心の叫びにも似て
実は心温まる
とんでもなく面倒で手の焼ける現実
ゆっくりと確実に老いてゆく恐怖
何一つ笑えない現実を受け入れて
しようがないからと繰り返す日々
笑える事だけに意識を絞る
結構な回転で脳内現実逃避
周りの迷惑など気にしていられない
大袈裟に「笑い」しか残されていないと思う
切羽詰まった熟年期
とにかく自分を救わなくては。
美しいものを見て感動する事
映画に写真に陶芸、絵画に旅行に外国語 。何でもあるようだ
けれど私の場合
笑いでいい
笑えるなら笑えるだけ
笑顔になれる瞬間を求めている
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