自分を変えるために新しい挑戦や逆境は必要ない

「自分を変えたい」と、頭では分かっていても行動が伴わず、焦りが募ることは誰にでもあるでしょう。

「そんなとき、必要なのは新しい挑戦でもこれから立ち向かうべき苦しい逆境でもありません。必要なのは『自己認識力』を高めること」。そう語るのは、マインドフル・リーダーシップ開発の第一人者である荻野淳也さん。

自分を変えられる力」はこれからの必須スキル

ー「変わりたい」と、頭では分かっていても行動が伴わず、焦りが募ることがあります。

人がポジティブな方向に「変わる」のには、2種類あります。「成長」と「変容」です。

ーまさに、大きな「変容」が求められている状況ですね。

しかし、人間はそもそも、自分を変えることに対して「本能的に」恐怖を感じる生き物なんです。

「変わればいいじゃん」と切り捨てたくなる人もいるかもしれませんが、おそらくそういう人はすでに過去に一度でも、その恐怖を克服したことがある人なんでしょう。

自分を変えられる力の核となるもの「自己認識力」

―どうすれば自分の「変容」を促せるでしょうか。

必要なのは、「自己認識力」を高めることです。なぜなら、そうすることで、

自分の「内発的動機の源泉」に気づき、
「本来の自分でないもの」を手放せるようになるからです。


内発的動機の源泉とはポジティブな感情の源泉でもあり、自分の軸、つまり、人生における価値観やビジョン、ミッションのこと

一方、本来の自分でないものとはネガティブな感情の源泉でもあり、メンタルブロックやインナーチャイルドと言われるもの


―自己認識力が高い人というのはどれほどいるものなのでしょうか。

これまで何千人もの研修をしてきましたが、多くの日本人は「何となく」の感覚にしたがって人生の選択をしています。感覚的には・・・

自分の価値観が明確にあり、日常の中で意識できている人が1割
なんとなく無意識のうちに価値観に沿って行動してきた人が2~3割
残りが他者の承認に無自覚のうちに応じて行動してきた人たち

ーどうすれば、自己認識力を高めていけるでしょうか。

2つ、

具体的なワークを紹介したいと思います。1つは、ライフグラフやライフチャートを使って、今までの人生を振り返ってみることです。


山のときは、自分の価値観に沿った生き方をしているとき
谷のときは、自分の価値観と離れた生き方をしているとき

その振り返りをするときに大切なのが、「事実」だけではなく、そのときに味わった「感情」も振り返るということです。

「振り返り」と聞くと、とかく左脳だけで論理的に考えてしまい、他人から見たら「この時期はよかったな、悪かった」と振り返りがちですが、大事なのは「自分の奥深くに存在する内側の感情」。

もう一つのワークが「ジャーナリング」です。これは、例えば「本当に自分にとって価値のあることは?」というテーマについて、5〜10分、時間を決めてずっと書き続け、そのあと見直してみる。

他のテーマとしては、1日の振り返りとして、「今日ワクワクしたこと、良かったこと」を書き出してみる。そうすると、自分が何にワクワクするのか、しないのかが見えてくるんです。

もしそれで、自分が今、自分の価値観と離れた生き方をしていることに気づいたなら、それまでのパターンや行動は、徐々に手放していく

手放すという行為は恐怖や不安を伴い、それを乗り越えていくということ。視野を広げてそうした経験をした先輩や友人に話を聞いてみるというのも、助けになるかもしれません。



https://mirai.doda.jp/series/interview/junya-ogino-3/


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