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読書感想文『先生の白い嘘』3

前回に引き続き、ネタバレは気にせず書いていきます。
ちなみにあらすじはいつものです。
Tone.さんと感想文を書き合ってます。
今回も面白いですね!
あんまりこういう話、リアルでオープンにできませんからね!

ちなみに連動はしておらず、互いにスタイルフリーです。スーパードラァァイ

その3

ざっくりあらすじ

主人公の先生は高校教師。大学時代に友達の彼氏にレイプされてからずっと関係を続けさせられており、心身は人知れず不安定な状態となっていた。
やがてその友達の彼氏は友達の夫となるが、以前関係を強いられている。
ある時、クラスを受け持つ男子生徒が不倫していると噂が立つ。
男子生徒もまた逆レイプを受けた被害者だった。
しかし先生は自身の経験から男子生徒に男への怒りをぶつけてしまった。
その後男子生徒は先生が怯えながら男と会っている姿を目にしてしまい、先生が気になって仕方がない。
男子生徒との関わりの中で先生は自身のトラウマや恐怖と向き合い、似た傷を持つお互いと触れ合っていく。
彼らを取り巻く周囲もまた数々の傷に溢れている。
それぞれが絡まり合って展開していくそれぞれの性、そして性の格差とは-

というようなストーリーです。

感想

さて、Tone.さんの方では男性の視点により性について書かれていました。

ですので、私も少々女性の視点により物理的な面について書いてみたいと思います。

テーマは戦闘力です。

女達の髪の毛の長さ

実は私、この漫画の女達にものすごく違和感を覚えたのです。

この漫画に出てくる女性達、髪の毛が長い子ばっかりだ。
こういったリアル感がある漫画ではきっとなんらかの意味があるに違いない。

※なお、現実とは一切関係ありません。好きな髪型は日々を楽しくします。

では髪型を並べてみます。

  • 早藤のレイプを受け続ける美鈴先生 
    黒髪ストレートのミディアム

  • 兄に暴力を振るわれ男を支配しようと決意した美少女ミサカナ
    明るめストレートのミディアム

  • 早藤の不倫相手(もう1人のレイプ被害女性)
    明るめのストレートのロング

  • 早藤の嫁 
    明るいカールのミディアム

  • もう1人の友達
    明るいカールのミディアムとボブの間くらい

  • 新妻くんのED治療を手伝った(?)性に奔放な女子高生 
    明るめストレートのショートボブ

何が言いたいかというと、「髪は女の命」とか言いますよね。
私はある一面から見ると「髪は女の命取り」だと思うんですよね。

髪は女の命取り

至極幼い頃、男の子と喧嘩しまくった元荒くれ者の女子はいらっしゃいますでしょうか。
私は「胎内に忘れ物をしてきた」と言われるタイプだったので、日々男の子たちと取っ組み合い殴り合いの喧嘩をしていました。
歳の近い弟もいるので、家でも闘いは起こります。
原因はボールを横取りしたとかゲームでなんとか等、他愛のないことです。
昔は今より子供の喧嘩は野放しだったんですよね。野生。
そして闘いごっこも好きでした。
ちなみに息子が女の子とそんな荒くれた遊びや喧嘩をしたなんて話は聞いたことがありません。
今後もそういう事案はなくお願いしたいものです。

さて、この闘いごっこですが
闘いがヒートし、ガチな感じになってくると必ず手を出される場所があるんですよ。

そう、長い髪の毛です。

私は幼い頃、明日の闘い(ボールの小競り合い)に勝つために髪の毛を切りました。
髪に足を引っ張られることを嫌ったためです。普通に痛い。
そして体が敵よりも頭ひとつ分大きく、そして体重はさらに重くなった時、
確実に勝てる自信を持ち、髪を伸ばしたのです。

いや何してるんでしょうね本当に。
しかもビジュアル完全に関取です。
親は相手に怪我をさせやしないかと肝を冷やしたことでしょう。
ごめんなさいとしか言えません。
当然手加減はしており、アイタッくらいに留めています。多分。

要するにですね、髪の毛って弱点なんですよ。
作中でも行為の最中、早藤が美鈴先生の髪の毛を乱暴に引っ張る描写があります。

そこで、「なんで髪の毛を切らないのかなぁ」と。
恐らく掴まれたのも初めてではないはずなんですね。
掴まれる髪の毛さえ切ってしまえば、
男の食指も働かないかもしれません。
男性は長い髪を好む方が多いですよね。

ちなみにこれは完全な私情ですが、私はどうも長い髪をやけに、やけに、やけに好む男性には多少身構えます。
勿論、掴もうとしているように思えてしまうからです。
わかります、偏見です。

しかし髪の毛、これは結構象徴的なんじゃないかなぁ。
古来より髪は女の命とされ、髪の短い女は尼や後家とされました。
艶やかな長い髪こそが女性と富の象徴であり、男性の心を掴むツールであったのではないでしょうか。
平安時代の貴族女性の髪を思い浮かべてください。
身体に沿い、足元にまで垂れる長い黒髪。
鬱陶しい!動きづらくて仕方がない!頭が重い!
きっと逃げたくても逃げられなかったでしょうね。

髪型が象徴するものを独断と偏見で解析

私は作中の女性の髪型を次のように意味づけしました。
長さ…被支配傾向
髪の色…愛されたい傾向
カールの有無…虚飾の傾向

※一旦おしゃれの目線は置いておきます。
あくまで作中の象徴としての話です。

長さは前述の通り、長い髪を掴まれる事により回避率が低くなるためです。
そして長い髪を凶器に変える手練れの猛者は出てきませんでした。

髪の毛の色。髪の色を変えることは自らの印象操作に積極的である傾向を示すかと思います。
転じて愛を求める傾向でしょうか。

更にカール。これは曲者です。癖っ毛とか言いたいわけじゃないですよ。
日本人で天然の強いカールの方は少数派なのではないでしょうか。
パーマをかけたことがある人ならお分かりでしょうが、物凄く髪が痛みます。
デジパ(今はなんて言うかわからない)なんかは痛みが真骨頂。
アイロンでカールさせるなら毎日一生懸命伸ばして巻かなければいけません。
なのでかなり不自然な行動ではあるのです。
不自然な行動により己を飾る。
そこから転じて虚飾する傾向と見ました。

支配される女達の髪型

作中で一番支配されていたのは明るめのストレートのロング、早藤の不倫相手です。
彼女は処女を奪われ、反動ゆえに早藤を盲目的に愛するようになり、
最後には我が子の誕生を恐れる早藤の為に、早藤の嫁に中絶薬を盛り胎児を殺そうとします。

この人の性格は非常に素直で大人しいです。
そして本当に酷いことをされているのですが、愛だと疑わずに犯罪に手を染めるまでになります。
レイプされて惚れちゃうというのは、暴行を愛と思い込むことで自身を保とうとする自己愛からの防衛反応です。
悲しい。内心では思いやりに溢れた愛を育みたいと願っていたのでしょう。

次に美鈴先生。黒髪ストレートのミディアムですね。
美鈴先生は男が怖いです。
もう男と2人でいたら何をされるかわかったもんじゃないと思っていますね。
新妻くんとも始めは2人でいるとカタカタ震えがくるような恐ろしさを感じています。
そして髪型以外も簡素で地味です。
しかし髪の毛は長い。
初めてレイプされた大学の時よりも長くなっています。

これは支配されて逃れられない、現状を変える気力がないことの現れのようです。
男が恐ろしく、愛されたいどころか関わりたくない。
なので目を引かぬように一層地味に仕立てますし、心の中もそれがお似合いだ、と思っているかのような自嘲気味なところが見て取れます。
作中で早藤に抵抗する気力を見せた時、早藤の嫁から貰った赤い口紅を差していきます。
美鈴先生が自分の中の強さを見つけ、変化した瞬間です。
意外と派手な色の口紅は男性ウケがよくないんですよね。
特に大人しいタイプを好む男性には嫌われることもあります。かなり有効だ。
アフリカの部族のとある戦士の化粧を思わせるシーンですね。

兄に暴力を振るわれていた美少女ミサカナちゃん。明るめミディアムです。
彼女は全男性を手玉に取り、逆に支配してやろうと目論みます。
巧みな話術と印象操作、そして美貌が武器です。
あれやこれやと人の心理に作用しけしかけていきます。
実に性格が悪い!
しかしこのやり方をしている女性はかなり多いかと思います。
有効なんですよね。特に若い時は。
「守ってあげたい」と思わせることで相打ちを狙うような、蟲の女王のような毒。
しかし本人は無力で空虚です。
長い髪が物語っているのは男の視線を意識した、追従する男無くしては無力である犠牲者の姿。
結局、なんか素直なんですよ。
「女」に求められるその「形」を体現してしまっているだけだということに気づいていない。
本当は支配ではなく心から想い合いたいという気持ちが終盤で顕になります。

見てください。綺麗にストレートが並びました。
ストレートの長い髪は「暴漢に好かれる形」の一つであると思われます。
そしてこれを武器にしようとしているミサカナちゃんでさえ囚われてしまっている。

ちなみに暴漢や痴漢の好むタイプは化粧気が少なく、気が弱そうで地味だったり大人しく見えるタイプだそうです。
「ギャー!変態がおる!!」と大きな声を上げないような感じですかね。

キツめの化粧に目立つアクセサリーを付けるとそういった輩に狙われづらいそうです。
自然界で派手なのは圧倒的にオスです。
人間も地味だとメスと認識されて襲われやすいということなのでしょう。
派手、それは戦闘力の高さを示します。
この男性的な「派手」の概念は女性の自衛にかなり役立つことかと思います。

長いので一旦切ります。
次では強い立場を取っているかのように見える女達の髪型を見ていきます。

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