本当は怖いつわり体験談(前編)
私のあとに続く勇者達に少しでも希望を持っていただきたく、ここに私のつわり体験談を記しておくこととする。
妊娠が分かると同時に、私は「トツキトオカ」という育児アプリをインストールし、思いつくままにアプリ内で日記をつけていた。今回のnoteは、その日記を頼りに記憶を呼び起こしながら書いていこうと思う。
「筆者も所詮、つわりの辛さなんて過去のものなんだ!私は今、この瞬間をつわりで苦しんでるんだよ!」と思った勇者たちよ、安心してほしい。あの辛かった日々を思い出すだけで、軽く吐けそうなくらい気持ち悪いぞ。
排卵検査薬で強い反応があった翌日、職場の近くにレビューの高い産婦人科があったので受診。(あとから確認したら、この病院は不妊治療で超有名な名医だった)
夫に「妊娠してたよ〜」「そうなんだ!やったー!」とLINEしたあと、忘年会に行った。(忘年会への出席も仕事のうちである。言うまでもなく、私は仕事大好き人間だ。まさかこの後、つわりのせいで仕事に行けなくなるなんてこの時は思いもよらなかった)
医師に正式に妊娠を告げられたからか、「ワイのお腹には新しい命が……」とおごそかな気分になると同時に、体調への感度が普段の10割り増しくらいになる。ほんの少し眠いだけで「妊娠してるせいかも!」みたいな。「これがつわりかな?妊娠したら、こんな感じの体調でしばらく過ごすことになるんだな〜」みたいな。ここまでなら、ドラマで見るつわりの症状である。
お正月の帰省をするべく、1時間ほど電車に揺られた時に胃のむかつきを感じた。妊娠序盤にして既に"眠って時間を稼ぐ"という最強のカードを切り終えてしまっていたらしい。つわり怖い。
米津玄師さんのフラミンゴばっかり聴いて過ごしてたので、出産から数年経った今でもフラミンゴを聞くだけで吐くことができるという特技がある。(これはマジ)
みんな楽しく正月の料理に手をつけるなか、一人だけハァハァ言いながらソファに座ってた記憶がある。
この「思考停止」は、マジで人生で経験したことないほどの思考停止で、何かの薬漬けかってくらいボーッとして何一つ考えられなかった。目から入ってくる書類の情報が外国語に見えて、何一つ理解できないまま素通りしていく。仲の良い女性職員に新人もしないような質問をして、教えてもらってやっと仕事を終わらせたことをよく覚えている。仲の良い女性職員は「どうした?正月ボケか?」みたいな感じだったかな。マジ感謝。
つわりのせいか妊娠のせいかよく分からないが、この辺りから情緒が不安定になる。私はもっぱらダウナータイプで、孤独や不安を強く感じた。ただ、普段の自分なら「絶対にこの場面で泣かない」って時に声を上げて号泣してたので、「あぁ、今の私は普通じゃない。異常性を念頭において言動気をつけよう」と注意できたから良かったかも。
よだれが気持ち悪くて眠れないので、タオルを口に突っ込んで寝てた。ティッシュじゃなくて、タオルによだれを吸わせるのオススメ。洗濯したら済むしね。
坂の転げ落ち方がすごい。
カレー食ってたのに、たった二日後には完全に病人食に転落。つわり怖い。
つわり先生のアップが始まりました。
この日から枕元には洗面器が常備され、吐いたものをトイレに流して綺麗にしてくれるのは夫の仕事になりました。朝は私の吐く声オェーってのに夫は起こされます。夫は「なんて可哀想なんだ」って戦慄してたけど、すぐ慣れたとのこと。
仕事は休んでも、リアル脱出ゲームには行く妊婦。「これでつわりのピークは過ぎたか……」みたいな意識だったが、私は知らなかった。つわりには波があり、何度も揺り戻しがあることを……。
後編につづく。
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