「花とゆめ」1998年4号(2月5日発売)

🌷「花とゆめ」1998年4号(2月5日発売)

少女まんが館で「花とゆめ」本誌を一冊読んできました。
1998年は、私が「花ゆめ」を読み始めるより全然前だったみたいで、聞いたことあるけど読んだことないな~って作品がたくさん載ってました。
掲載作すべてではないけど、気になったものだけ感想書きます。

🌷ネタバレあります🌷



「世界でいちばん大嫌い」連載第7回 日高万里

巻頭カラー30P、カラーは表紙見開きとおまけ漫画1P。
7話でこんなに話進んでたっけ?と思ったのは覚えてるけど、何の話の回だったかメモしてなくて忘れた・・・


「紅茶王子」連載第20回 山田南平

「紅茶王子」ご存じですか??長期連載の人気漫画です。
私は連載を途中から読んでいたのですが、リアタイしてた頃はなんで紅茶王子たちが大きくなったり(=リアル人間サイズ)小さくなったりするのかよく分かりませんでした。紅茶王子たちがなんで人間界に居るのかもよく分かりませんでした。願いを叶えてくれるという役割は知ってるんですけど、紅茶王子が人間サイズで周りの人間とやりとりしてるとよく「なんで?」と思いました。

この回はまだ20回だから、初期設定について何か分かるかも!と思って読みましたが、あんまり分からなかった。。同じ紅茶王子を複数回呼び出すことは出来ないらしい。スケジュールの空いてる王子が適当に呼び出されるらしい。

あと雪子のおうちが豪邸で、『うち成金なの・・・😅』と雪子が言うシーンで思い出したんですけど、私が子供の頃(90年代)は成金という設定が少女漫画にも頻繁にでてきました。私は成金という言葉を漫画で知りました。川原泉「笑う大天使」の柚子の家とか(和音のお父さんの独身時代もそうなのかな、あれは事業じゃなくてまず投資に成功したんだったかもしれません)、あと「天ない」のマミリンの家も。少女漫画で使われる成金は「大した家柄じゃないんで…」という謙遜の意味でした。今は知らない。


「ニューヨーク・ニューヨーク」scene2 羅川真里茂

40P。これ初めて読んだ👀
表紙にはscene2って書いてあった気がするんですけど、だいぶ話が進んでて、ほんとに2??と混乱しました。間違ってたらすみません。wikiをみると1995年からインターバルをとりつつ連載されていたんで、けっこう終盤の回みたいです。でもたしかに!結婚式挙げてたもんな…!クライマックス感高まってました。この回の続きも気になりました…(結婚したのに結婚相手が失踪する)

会話の中にマンハッタン・トランスファーのアルバムの話が出てくるんですけど、羅川真里茂先生ってこういうの好きだったんだ…全然知らなかった。あと洋画も沢山観る人なのかもしれません。私は「しゃにむにGO」しか読んだことなくてそういった趣味嗜好にまったく気づきませんでした…!

羅川真里茂先生のどこからどう見ても健康的な絵柄でゲイカップルのセックスシーンを描かれると、なんか、質の良い映画みたいで、、こちらも、優等生のように畏まって読まなくては…という気分に何となくなります。
何描いてもいやらしくならない絵柄の人っているんですが、じゃあそういう人の描くセックス描写ならokかというとそうでもなくて、私はやっぱり矢沢あいの描くセックス描写が一番「少女漫画の世界に丁度よい」・・・と思うのです。矢沢あいの絵には可愛さもエロもロマンもリアルもあって、すごい!私はリアル絵だめ、同人みたいにただいやらしく描くのはもっとだめ、という派なので、他の皆さんにもこの人の描く絵なら大丈夫とか条件があるのかちょっと気になります。。
ちなみに、矢沢あいの性描写無理って言ってた人も私は知っている。人による。
そしてもはや一枚のアートのような幻想系セックス描写を編み出したのが、ご存知レジェンド・萩尾望都です!!(cf.「残酷な神が支配する」。「王妃マルゴ」にもけっこうあるらしい。読んでない。)

ちなみに後述の「闇の末裔」でも思ったんですけど、私が読んでた頃ってこういうシーン「花ゆめ」には無かったけどなあ…。けっこう直接描いててびっくりしちゃった。私が覚えてないだけなのか?「フルバ」のヒットで読者年齢層が下がって変わったのかな?きわどい絵はあっても、男女のセックスシーンすらも無かった気がする。


「闇の末裔」連載第5回 松下容子

「闇の末裔」が第5回?!👀「紅茶王子」って「闇の末裔」より前から連載してたのか~
私は「闇の末裔」終りの方の、バトルが込み入ってきた頃しか知らないので、普通に事件現場に赴いて調査・解決というルーティンを主役二人がこなしてるようすが新鮮でした。

カトリック系の全寮制男子校に潜入して、校内で起こった猟奇殺人事件について調べる話だった。生徒のなかには黒魔術みたいな儀式を勝手にやってる奴もいて、生徒間で何か揉めた時には決闘っていうのが校内独自の文化だったりして、なんか、、男子校って大変だな……ではなくて、作者はこういうのが好きなんだな、という感じの派手な設定ばかりでした。
品行方正な「ニューヨーク・ニューヨーク」と違って完全にアウトなシーンがあってびっくりしてしまいました。というか2000年以降の「闇の末裔」にもこんなシーン無かったけどなあ…そんな暇が(ストーリー上)なかっただけかな。
どうでもいいけど私は「闇の末裔」の90年代の絵柄がけっこう好き。漫画!って感じ。


「東京クレイジーパラダイス」連載第35回 仲村佳樹

私は「花ゆめ」を読んでいた頃、この漫画が一番分からなかった。。SFとヤクザの話のアクション漫画なんですけど、こういう話を長く書きつづけられる(完結させられる)ってほんとにすごいなと思います。
私が読んでた頃はラスボスとの最終対決みたいなことをしていて、メカの描き込みが凄かったです。
少女漫画を、典型的な学校生活+恋愛ものだと一辺倒に決めつけてパロディをやる人たちに言いたいです。こういうのも少女漫画なんで…って。これもパロったらどうぞ、描けないと思うけど…って。(しかもこの設定に恋愛もお色気もオタクも全部盛り込んであり、きちんと夢みがち少女漫画となっている「クレパラ」…)

仲村佳樹先生のすごいところは「クレパラ」だけでもこんなに圧倒的な世界観なのに、その直後に「スキップ・ビート!」(2002~)の連載を始めて、なんと「クレパラ」の連載期間を軽く超え、今も連載継続中なところです。
私は「スキップ・ビート!」の連載初回を本誌で読んだのを覚えていますとも!あんなにメカもアクションも描ける(構成力とアシスタント体制が備わっている)のに、今度は芸能界ものなんだ…!👀と驚きました。芸能界ものだからこそメカもアクションも出てきますが…。

こんなに絶賛してるのに、「クレパラ」の連載第35回がどんな話だったかは、ちゃんと読んでこなかったので分かりません…大人になった今もストーリーの理解が追いつかない…


「笑えない理由」読み切り 望月花梨

読み切り何ページだったかメモするの忘れた!

この望月花梨先生は、落ち着いた邦画みたいな漫画を描く人ですっごくよく覚えてます。この読み切りは読んだことなかったけど、「緑の黒髪」(2001)を本誌で読んだような…。

この人、話の筋は改めて読むとそんなに重くないんだけど、重く見えるように描くからいつも何となく暗いんですよね……。コマの外側をベタ塗りする時ってあるじゃないですか、終始そんな感じ。だから映画っぽい。好きな人は好きな漫画家。私も当時気になってました。
2000年前後はまだ望月花梨先生のような作家系少女漫画が低年齢向け少女漫画誌のとりわけ連載陣には少なくて競合がいなかったため、地味ながら目立っていたように思います。

この「笑えない理由」も、小学生の時にクラスメイトの男子から笑顔をけなされたことがトラウマでそれ以来人に笑顔を見せなくなった…みたいな暗そうな話。
結局なんでその男子が当時主人公の笑顔をけなしたかっていうと、よく知りもしないのにお兄さんタイプのような年上男子にすぐほだされる主人公に、『お前分かりやすすぎ!』って釘差したくて意地悪言った、、みたいな理由でした。そこまで重くないし、「なるほど、それはたしかに主人公がちょっと痛いわ」と納得でした。

この、『トラウマとなった事件の理由や背景が、大人の目でみると、又は本人たちが数年後成長して振り返った時に、そこまで重い案件では無かった』っていうのがいいなと思いました。
『当時はつらかったことも心が成長すれば大したことと思えなくなる』という筋書きが陳腐でありきたりだという反動や、そんなのは強者の理論だという時代の追い風で高まった反感から、若年向け漫画界にはつらいことをつらく描くリアリティ至上主義みたいな風潮があるなーとしばしば感じていたのですが、そういう漫画ってトラウマ描写にトラウマを受けた本人の感情以外寄せ付けない刺々しさがあって、、私はあんまり入り込めないんですよね。

でも、そんなに人生や人格変えるようなトラウマ級の出来事ってみんなに等しく起こるかな?私のような凡夫には縁のない話だわ、と思えるし、リアリティ至上主義、感情主義のはずなのにつらいことをつらく描くことばかりに力を入れて、人生を過剰演出していったらそれはそれで茶番なんじゃないだろうか、と思ってしまう。
あと結構しんどい思いを子供時代から大人にかけて経験した人でも、「ああ、あれってつらいことだったんだ」と後から自覚するようなこともあるし、つらい出来事って「つらいと自認する事」だけがつらさの本質では無いと思うんですよね。

私は望月花梨先生の漫画を読んでいた当時は子供だったので、彼女の漫画に描かれていた痛みを、自分が子供なりに持っていた基準で「これはたしかに『痛み』だ」と思えたし、「『痛み』について描いた漫画だ」とも理解したつもりだったんですけど、望月花梨先生は乗越えたりやり過ごしたりした痛み、つまり未来から見た痛みを、本当にその時の年齢の感じ方で『痛い』ように描いていたのかもしれないなあとちょっと思ったのでした。

興味のある方は、電子化もされてるので望月花梨作品を読んでみてください。今検索して思い出したけど「スイッチ」とか読んだ気がするー!懐かしいー!
今気づいたけど「笑えない理由」のコミックス出てる…。ん?これ連載だったの?!連載になったのかなー。読み切りって書いちゃったけど間違ってたらすみません。


最後に、今度調べたい事

あまりに暑くて書棚から漫画雑誌を探すのを断念してしまったんですけど、本当は少女漫画雑誌に掲載される一話のページ数を調べたかったのです。

今回「花ゆめ」一冊しか読めなかったけど、一部メモしてくることは出来まして、この頃の「花ゆめ」は人気連載陣で一話30P、読切や不定期連載だと40Pのようでした。巻頭カラーの新連載だと40Pなのかな?
「花ゆめ」は2週間に一冊出るので、少女漫画雑誌にしてはかなりスケジュールがきついほう。毎号連載陣が揃っているわけではなく、休載も多いです。とはいえ掲載ページ数も30Pだったら多いほうですよね。連載陣の、増ページなしの通常回だと一話24P~28Pだったんじゃないかなと思うんですが、まとまった冊数検証しないと分からないです。

なんと今回「世界でいちばん大嫌い」のコミックスを読んでいたら日高万里先生が執筆スケジュールをおまけ漫画に載せてくれているのを発見しました。
それによると1本30枚(やっぱ30Pなんだ…)、ネームに7日、原稿7日の計2週間かけるとのこと。これにカラーやふろく用イラストカットなどの作業が加わると本編にかける時間が計10日になるという感じで変動するらしい。(「せかきら」コミックス10巻より)


私は少女漫画雑誌を月刊誌の「りぼん」から読み始めたので、最初は「花ゆめ」ページ数少ないなーと物足りなく思ってた記憶があります。二週間で30Pってすごいよ!と今は思います。

じゃあ月刊誌は一体一話何ページだったのか?
私、うろ覚えなんですけど特大新連載初回とかだと50Pとか、72Pっていうのがあった気がするんですよね…巻頭カラーで…。72Pは記憶違いかもしれないけど50Pはよくあったと思う。

読者だった頃はページ数が多ければ多いほど嬉しかったなあ…(´・ω・`)
少年ジャンプみたいな週刊誌の漫画は、私はコミックス派だったので本誌では読んでこなかったんですけど、ほんとーに一話が短い。もう終わり?って思ってました。

そういう訳で今年涼しくなった頃にでも、なかなか涼しくならなかったら来年の涼しい時期にでも、漫画雑誌をぱらぱら読んで調べたいと思います。

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