見出し画像

新卒1年目の視点から、LIFULLをレビューしてみた。 【インハウス・グラフィックデザイナー】

こんにちは!
新卒・入社1年目(とあと1ヶ月で言えなくなる)、デザイナーのりぷです。

webから印刷物まで、さまざまなメディアでLIFULLを生活者に伝えるためのデザインを担当しています。

今回は、入社後の出来事や感想を交えながら「入社前の期待に対する満足感」をまとめてみたいと思います。

社歴約1年というひよっこではありますが、だからこそ、できるだけフラットに感じたことを書いてみようと思っています。
少し長いですが、最後まで読んでいただけたら嬉しいです!

※今回の記事はあくまで私個人の感想です。
同じ会社とはいえ所属部署や職種によって状況は違いますし、一人ひとり感じ方・受け取り方は異なると思うので、その点はご理解ください。

レビューの観点について


今回は「私が入社前に気にしていたポイント」をレビューの観点とさせていただきます。
その観点に至った背景として、まずは、私が就活当時に考えていたことをお話しさせてください。

--------

当初は制作会社や広告代理店に就職するのが良いのかなと思っていたのですが、主に2つの考えから方向性を変え、LIFULLを受けました。

[ その1 ]
ちょっと大袈裟な表現になってしまうのですが、周囲の学生や世の中のニュース等々を見て、自分が目指している仕事の「重さ」について考えるようになりました。
広告やグラフィックデザインの仕事は、良くも悪くも、誰かに多大な影響を及ぼす可能性があるものだと思います。それが世の中に出るまでのフローに作り手として関わるのだから、来た依頼をそのままその通りに作るだけでなく、デザイナーもその発信内容や形式自体に一定の責任を持つべきなのではと思うようになりました。

また、せっかく作るのなら、自分が届けたいと思うテーマや内容の方が当事者意識が持てて良いなとも思いました。


[ その2 ]
学生時代に参加していたいくつかの自発/他発のプロジェクトで様々な立場の方と接する中で、自分の目指すデザイナー像に近づくには、単純な表現力のスキルアップだけでなく、デザイナーがわくわくするような表現と、ノンデザイナーも喜ぶ成果を両立&相乗効果を生むためのトレーニングが必要だと感じました。(ここで言う「成果」は場面や目的によって変わると思うので、ビジネス的な利益のことだけを指す言葉ではありません。)

制作中からそのような観点でフィードバックをもらえたり、制作物がリリースされた後に、それがどんな受け止め方をされたのかを知ることができたりする場所が良いなと思うようになりました。


…というように考えつつ色々と調べる中で、制作会社や広告代理店よりも、「自分が共感できる事業会社」の「インハウスデザイナー」の方が私の考え方に合っているのでは?という結論に至りました。

また、学生時代からの繋がりで社会人になってからも続けたいプロジェクトや、スキルアップのために個人で受けたいと思っていた仕事もあったので、時間や働き方の融通が利きやすい会社だといいなと思っていました。

--------

以上のことから、就活中は次のような観点を気にしていました。
書き出してみると結構な欲張り。

1. デザイナーの案件への関わり方

デザイナーが案件の上流から携わりやすいか。主体的に取り組む機会を作っていけるか。

2. 案件の内容

会社の考え方に共感できそうか。携わる案件の内容やテーマは、自分の興味関心と重なるものが多いか。

3. デザインで重視されること

視覚的な美しさと目的や成果に対するコミット、双方をバランスよく追うことを目指しているか。偏りすぎていないか。

4. コミュニケーションの取りやすさ

忌憚なく意見を交わす文化や、それを前向きに捉える風潮があるか。

5. 柔軟な働き方

時間の使い方を自分の意志で計画しやすいか。


以上の5つです。
では、いよいよレビューに移ります!


1. デザイナーの案件への関わり方


<入社前の期待>
受発注感の強い関係というよりも、デザイナーが上流から関わったり、ディスカッションをしながら進めていけたりする雰囲気が良い。
スキルアップという点では、小さな業務の積み重ねで力をつけることも勿論したいが、ややストレッチした案件を担当したり、自ら主体的に取り組んだりする機会もできれば持ちたい。

<入社後の感想>
スキルや業務内容に合わせて、小さい案件から作り込むものまで色々と担当できている。
また、デザイン業務に関わらず、やりたいことがある場合はその意志があることを相談し(匂わせ)、上司や関係者から「ぜひやってほしい」と感じてもらえれば色々とできる風土だと思う。ので、日頃から業務上の課題感を上司に伝えておいたり、挑戦目標*に「これがやってみたい」と書いておいたり、自分の制作経験や得意/不得意なツールを上司に共有しておいたり・・・ちまちまとアピールを重ねていくと、上司や周囲からのサポートもしてもらいやすくなる。そしてふと気がついたら、やってみたかったことにトライできていたりする(ありがたい)。

*社員のチャレンジを推奨するために設けられた、LIFULLの目標設定制度

私からの提案(挑戦目標)をきっかけにSNSチームと始めた、デザインを切り口にLIFULLの事業や取り組みを紹介するコーナー

とはいえ、関係性についてはまだまだ改善していきたいところもある。
ローンチまでのスピード感を早めたりコミュニケーションコストを削減したりといった意図もあり、LIFULLに限らず、デザイナーはアウトプットが主戦場となることが多い。なかなか主体的に取り組みづらいのがデザイン界隈のあるあるなのかなと思うが、事業会社という場所でデザイナーが他職種とどのように連携していけるのか、より良い形を考えたいと個人的には思う。

例えば、担当領域の1つである公式SNSのクリエイティブ業務については、現在進行形で中の人との連携を少しずつ深められている(はず!)。キャンペーン等の画像制作依頼以外にも、気軽に「こういう投稿がしたくて!」と相談していただけるように&こちらからも提案しやすくなってきた。

具体例これかいって感じですが、チョコペンでホームズくんねこを描くという大役をもらいました(平和)(嬉しい)

上記のような関係構築以外にも、普段の仕事で依頼側の期待を超える発想・提案を積み重ねるなど、他職種の方に「デザイナーからも意見を聞いてみたい」と思ってもらうべく心がけられることはたくさんありそう。

2. 案件の内容


<入社前の期待>
できるだけ、自分が心から届けたいと思うテーマの案件に関わりたい。
特に、学生時代から自分の制作/研究テーマとして扱っていたこともあり、関心が強いテーマであるダイバーシティ (ジェンダー/セクシュアリティなど)に向き合う案件に携わることができたら嬉しい。

( LIFULLではLIFULL HOME'Sをはじめとする複数の事業を通じて様々な社会課題の解決に取り組んでいますが、できるだけ自分の共感度が高いテーマの案件にたくさん関われると良いなと思っていました。)

入社前に何度も見ていたドキュメンタリーフィルム「ホンネのヘヤ」

<入社後の感想>
LIFULL公式SNSやオウンドメディア(LIFULL STORIES)、企業コミュニケーションの施策(直近のものだとこちら)等において、ダイバーシティにまつわる案件に関わる機会が多く、個人的には期待通りだった。
ただ(1の内容にも関連するが)、現状だと、平デザイナーが企画の内容や経緯をきちんと理解・意見しながら関われるような案件がほとんど、とまでは言えないように思うので、新卒という他の環境を知らないフラットな目線であえて述べると、「携わった感」は薄めに感じてしまうかもしれない。1で述べたように、少しずつ前進していけたらと思う。

※少し真面目に話を逸らすのですが、ダイバーシティにまつわる課題に向き合うことはそんなに綺麗な話ではない、むしろ人間の醜い部分も多分に含まれるテーマだと思っています。
LIFULLでは1人ひとりに前向きな感情をもたらすデザインを目指しているため、明るい世界観で表現することが多く、時々忘れてしまいそうになるのですが、(LIFULLに限らず誰が取り組んでも)企業としては向き合えない或いは取りこぼしてしまう課題や価値観が存在しています。その認識を常に持って謙虚に企画に携わるべきだなと、2年目のスタートを目前にして改めて感じる今日この頃です。

3. デザインで重視されること


<入社前の期待>
・制作会社や広告代理店→ 表現ビジネス
・事業会社→ 表現ビジネス

業界では上記のような傾向があると聞いたこともあったが、LIFULLのポートフォリオサイト等を見て視覚的な美しさに対するこだわりを強く持っているのだろうなと感じたので、ビジネス的な観点だけでなく表現の部分もバランスよく追いかけようというスタンスなのでは…と期待していた。

<入社後の感想>
ほぼ期待通りだった!制作物にアートディレクターやCCOからフィードバックをもらう時にも、ブランド視点での美しさと成果へのコミット、両方の観点を持ち合わせてコメントしてもらえるので勉強になる。

 また、LIFULLではデザインガイドラインやDesign Principlesなど「LIFULLらしさ」を担保するためのトンマナやデザインルールが整備されている (日々アップデートされている)。私の場合は元々ブランディングに興味があるので、よく設計されたトンマナに実際に触れて使っていくことを通じて、学べるものがたくさんあると感じている。

ただ、色々なテイストや幅広い表現方法で作っていきたいという気持ちがとても強い人は、やや物足りないと感じるかもしれない。LIFULLに関係なく、自分はどんな仕事がしたいのか、デザイン業務において大事にしたいポイントをよく自己分析して、それに合った居場所を見つけられると良いなと思う。

4. コミュニケーションの取りやすさ


<入社前の期待>
物事に対して意見を持ちやすいタイプ(かもしれない)という自覚があるので、デザインや仕事のやり方、会社の仕組み等について、忌憚なく意見を交わし追求する文化があってほしい。また、そういったやり取りを最終的な結果に関わらず肯定できる風潮があると嬉しい。

<入社後の感想>
会社として自由な議論やフィードバックを推奨しており、LIFULLの行動規範として掲げられているガイドラインにも「真理を探求し続ける」といった項目がある。そのため、基本的には意見を言いやすい雰囲気だと思う。

ただ、そうは言っても性格や考え方は勿論人ぞれぞれなので、議論のしやすさは話す相手や場面、内容によってばらつきがありそう。自分が業務で関係する人たちといかに心理的安全性を築き、物事に向き合うマインドを擦り合わせていくか、各々の歩み寄りが大事だと感じる。

5. 柔軟な働き方


<入社前の期待>
社外で取り組みたい制作活動や副業があるので、残業はあまりしたくない。また、フレックスタイム制が、形だけではなくきちんと機能していてほしい。

<入社後の感想>
ホワイトすぎた〜!大きなプロジェクトのローンチや納期が迫ると一時的に残業時間が増えることがあるが、そうでない時は早めの時間に上がっても嫌な顔をされることも(勿論)ないので、私の場合トータルで見ると残業はほぼせずに済んでいる。

所定の労働時間に対して仕事量が少ないというわけではないので、計画的に効率よく業務を進める必要はあるが、個人的にはダラダラやるより全然良いと思う。

個人的な残業時間記録と平日の過ごし方

 仕事や職種によって差があるので、LIFULL社員が全員こんな感じというわけではなく、人によって多い/少ないがあります。
が、きちんと仕事量やスピードをコントロールできれば、私の部署では上記のような働き方が可能でした。あくまで参考程度に!


ただ、与えられた仕事をとにかく数多くこなして鍛えていきたい!という考え方の人の場合、自己努力が必要になるかもしれない。
自分のキャリア設計やモチベーションに応じて、社外での制作や副業*でアウトプット量を増やしたり、日頃から積極的に情報収集をしたり、ホワイトさになまけない努力が必要になるとも言えそう。自律心が結構問われる気がする。

*LIFULLでは、条件を満たした内容であれば兼業(副業)が可能。社員が望むキャリアを実現するための制度。

また、現状でも「原則週1日オフィス勤務*」となっていてフレキシブルだとは思うが、リモート/出社の割合を自由に決められるようになったらもっと最高(好き勝手言ってすみません)。

*2023年3月時点。出社/リモートのルールは社会情勢等によって変わる。


終わりに


いかがでしたでしょうか。

色々と書きましたが、総じて自分の期待から大きくずれた部分はなかったという認識です。
チームにも恵まれ、日々学ぶことの多い充実した社会人1年目を送ることができたなと思っています!

そもそも会社でまともに働いたことがない学生時代、サイトやSNSの情報を頼りに様々な会社のことをあれこれとたくさん推察していましたが、実際に入ってみると、期待通り/期待以上のこともあれば、組織の難しさに気づいた部分もたくさんありました。
LIFULLや、インハウスのグラフィックデザイナーの実情が知りたい!という方の参考になれば幸いです。

それでは、おなかがすいてきたのでこれにて。
最後までお読みいただきありがとうございました。


[ 執筆者 ]
りぷ |デザイナー
株式会社LIFULL
クリエイティブ本部  デザイン部  コミュニケーションデザインユニット

筑波大学芸術専門学群ビジュアルデザイン領域卒。2022年にLIFULLへ新卒入社。SNS画像やwebサイト、web広告といったデジタル領域から、イベントポスターや卓上カレンダー等の印刷物まで、LIFULLのブランドやサービスを生活者に伝えるためのデザインを担当。古着と古本が好き。悩んでいることは首こり(治らない)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?