【ネタバレ】「フリーキッチン」を見ました

最近、忙しくて蒸し暑日が続いたので「よし、なんかグロい邦画を見よう」と思って見つけました。

結果的には最高にグロかったです。
直接的なゴア表現はほぼなく、モツシーンもかなり少なめなんですけど、イヤ〜な気持ちにさせられるグロさは完璧でした。

あと、個人的に普段あんまりしっかりしてない映画を見ることが多いので、なんか久々にちゃんとした映画見たなぁって気がしました。

内容は
母親が旦那とその愛人を殺したことをきっかけに、幼少期からずっと母親の作る人肉料理を食べて育ってきた少年の成長?心の葛藤?親離れ?とか、なんか色々混ざったカニバリズム青春映画
だと思います。
人肉を食べればどんな人間だったかがわかる能力持ちのミツオくんと、彼が惚れたペットショップ店員のカナとのボーイミーツガールならぬボーイミートガールでもあります。

とにかく最初から最後まで雰囲気作りが良い。
日常と異常の混ざり合う感じというか、淡々と狂気が進む感じが見ててとても気に入りました。
肝心の食人ゴア周りは本当に控えめではっきりしたモツが映るシーンはほぼないのですが、恐怖に怯える人の息遣いや、"お料理"される音などが生々しく伝わってきて、精神的なグロさはたっぷり感じられました。
母親がターゲット見つけて実行に移すときのスッ…ってスイッチ入る感じがゾクっと来てよかったですね。日常と狂気が地続きになってる感じがとても気に入りました。

お話自体は割とシンプルでオチの「おふくろの味」もまぁまぁ予想の範囲内だったので、こんなもんかなぁ…と思ってた所で最後にもうひとオチ「実はカナの家も食人一家でした」があったのが個人的には高得点。
これでなんか変な空気になってたスーパーのシーンにも納得がいきますし、「じゃあ今までの話はなんだったんだ!?」って混ぜっ返されるような感覚にさせられて思わず笑ってしまいました。

でも一番自分がこの映画で気に入ったのは、ずっと映画に出てくる謎の飲み物。
日にちの経ったピルクル?
濁ったカルピス?
米の研ぎ汁?
みたいな謎の液体がちょくちょく出てきてみんな飲んでるんですが、なんかこう、得体が知れなくて不気味なんですよね…
最初はあんまり気にしてなかったんですが、なんかちょいちょい出てきて「ん?これなんだ……」って気になり出してからの、何かあるのかなぁ〜もしかしてミツオが人肉食べたくなるのもこの謎の白い液体が原因……?
なんて予想しながら見てたら、最後までなんの説明も無し。

こういうのがね、一番好きです。

確実に意図はあるんでしょうけど、それを説明したりフューチャーせずにそっと視界の隅に置いておく感じ。
ホラーの侘び寂びを感じますなぁ……。そんな言葉ないですけど。

例によって見終わるまで一切情報を入れないので、後から調べたらなんとこれ福満しげゆき氏の漫画原作だったんですね。全然知らなかった。
原作にも興味湧いてきたのでいつか読んでみたいです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?