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青天を衝け第33回/渋沢栄一は『日本資本主義の父』で本当にあってるの??

渋沢栄一は天保11年2月13日(1840年3月16日)生まれ。
尾高惇忠らと横濱焼き打ち計画を練ったのが
文久3年(1863年)。栄一が23歳の時だ。
そして今回第33回で第一国立銀行で頭取となったのが
明治7年(1874年)。栄一、34歳。

10年の歳月を経て一介の農民から銀行のトップにまで出世した渋沢栄一。
栄一の10年間は物凄く濃密、だけど決して順風満帆ではなかった。
むしろ本人の思惑通りに事が進んだことはほとんどなくて
「おかしれぇ」が途中で頓挫する事の方が多かった。
それでもお金まわりのことで常に結果を残し続けてきたからこそ
34歳という若さで銀行頭取という大役を任されることになったのだろう。
渋沢栄一のことがどれぐらい世間的に語られてるものなのかよくわからないけど、この出世街道の歩みは豊臣秀吉にも負けてないんじゃ?
なんて思ったりした。

豊臣秀吉といえば日本人なら誰もが知る華々しい出世街道を飾った代表格。
その秀吉が織田信長に仕えてから近江長浜の城主になるまでが20年弱。
この数字だけからすると、栄一の出世スピードは秀吉をも凌ぐことになる。
もちろん数字だけの単純比較だし
こういう安直な数字の比較にさほど意味はないなと思いつつも
なかなか真似はできない凄いことだな
とコナミ感漂う感想を持ってしまう。

でも栄一と秀吉には決定的に違いがあって。
秀吉という人には出世欲が間違いなくあった。(聞き伝わる話的には)
一方で渋沢栄一は自分が偉くなりたくて出世したわけじゃない。
前回の話とも被るけど、渋沢栄一が目指していたのは
日本に新しい世の中をつくることで
それは誰もが嬉しい、幸せになれる世界。
「青天を衝け」の渋沢栄一を見ている限りでは
という但し書き付きではあるけれども
そこに渋沢栄一自身の出世は1ミリも無かった。

こういう人物が歴史の教科書であまり扱われないのは
不思議だし勿体ない気がする。
少なくとも「青天を衝け」を見ていると
渋沢栄一という人物への興味は増すばかりだし
近代日本の成り立ちや経済に関して
もっともっと知りたい欲で一杯になるのに。
いやでもこれは自分が明治以降を敬遠してきたことが
一番の要因かもしれないので
学校教育のせいにしちゃいけないのかもしれない(笑)
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ところで渋沢栄一といえば
「日本資本主義の父」と称される
みたいなことがどこかしらに書かれてるもんだけど
これって本当なんだろうか?
本当というか『正しいんだろうか?』が正解かな。
資本主義って「営利目的」が第一にあるでしょう?
渋沢栄一は銀行業を始めとして
日本の産業・流通のために尽力した人で
結果的に近代日本の礎を作ったのかもしれないけど
彼が目指していたのは
資本主義社会なんだろうか?

もちろん封建社会に変わるシステムとして
資本主義は通らざるを得ない仕組だったのかもしれないけど
渋沢栄一が真に目指していた社会は
もっと先にあるような気がしてならない。
少なくとも「青天を衝け」を見ている限りでは。

今回出てきた養育院を引き取る話からも
栄一には経済通とか商人気質が備わってる以上に
別の何かが頭の中を占めているような気がする。
それはもしかして論語に隠されているんだろうか。

栄一は実業家になってから論語を改めて学び直したらしい。
第33回でも論語に改めて目を向け始めた話が盛り込まれていた。
そういえば第33回のタイトルも「論語と算盤」だった。
「論語と算盤」は渋沢栄一の著書で
自分も読んでみようと思ったんだけど
「青天を衝け」を最後まで見てからにしよう
と思って途中で読むのを中断しているw

この「論語と算盤」の紹介には
『ビジネスを成功させる秘訣は論語にある』
とか書かれてたりするんだけど
渋沢栄一が「論語と算盤」から伝えたいことって
そういうことじゃない気がする
と思うのは「青天を衝け」に毒されすぎている?(笑)

残り8回で渋沢栄一が日本社会に何を残してきたのかを
篤と見せてもらった上で「論語と算盤」を熟読し
渋沢栄一の真の実像に迫りたい。――――――――――――――――――――

ちなみに今回は10年越しに成就した
横濱焼き打ち計画について書こうと思っていたはずが
何故か「論語と算盤」の話になってしまった。
今回亡くなられた三野村さんの事も
ちょっと触れようと思ってたはずなんだけど
何故こうなったのかは自分でもよくわからないw(了)

【青天を衝け視聴メモ】
渋沢のお帰りであ~る!
小野組の犠牲
論語と算盤
西洋式銀行検査
渋沢栄一、第一国立銀行の頭取に命じられる大隈さんに
彼を攻めるには我を顧みよ
五代さんは誰にでもハッキリとモノを言う
観測天覧、金星の観測
ひやり事
かっさまを思い出した
養育院を預かる渋沢栄一
おはんもツルッツルじゃな
福地の東京日日
郵便報知は栗本さんのとこ?
10年越しの俺たちの横浜焼き討ちだい!
小栗忠順と縁の深い三野村さん
三井銀行開業
西南戦争
戦費4200万円、政府の税収4800万円
大久保卿、紀尾井坂の手前で暗殺される
鹿児島、電信を活用した明治政府。南洲墓地、南洲神社

【公式がつぶやく【#青天ナビ】からの抜粋】


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