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その善意は通じるのか【音声と文章】
山田ゆり
00:00 | 00:00
※note毎日連続投稿1515日をコミット中1418日目。
※聴くだけ・読むだけ、短い時間で楽しめます。
おはようございます。
山田ゆりです。
今回は
その善意は通じるのか
をお伝えいたします。
どうしよう。
「乗りませんか?」と声を掛けてもいいだろうか。
でも誘拐と勘違いされ断られたら嫌だな。
ある日、車を走らせていたらはるか向こうの右側を
とぼとぼ歩く70代くらいの女性がいた。
斜めにかけた布製のカバン、
母が良く着ていた花柄模様の上下の
農作業着のようなものを身にまとっていた。
ここはバイパスに繋がる一面田んぼの一本道だ。
連日のぽかぽか陽気で道の両脇の雪はすっかり消え、
歩くのに不便はないが、バイパスに交差するところまではまだ相当の距離があった。
どこまで行かれるのだろうか。
私は時速10kmくらいにスピードを落として静かに老女を追い越した。
その方をチラリと見たが
麦わら帽子とマスクで顔は見えなかった。
私は老女をバックミラーでチラチラ見ながら通り過ぎた。
どうする、私。
このまま見捨てるのか。
私は今、特に急いではいない。
もし、良かったら目的地の近くまで乗せてあげたい。
でも、誘拐と勘違いされたらどうしよう。
こんなおばさん(私)、誘拐する人に見えるかなぁ。
でも、お年寄が困っているのに知らないふりをするのはいけないようなぁ~。
見て見ぬふりをするか
それとも…。
私は左にウインカーを上げて車を停めた。
そして助手席に置いていた自分のバッグを後部座席に急いで放り投げた。
田んぼの一本道だから他に車は来ていないが、
一応、左右を確認してからドアを開けた。
そして、私はその女性めがけて走った。
あまりきびきびと走ったらかえって相手は恐怖を感じるかもしれないと思い、わざとヨタヨタと走って見せた。
少し近づいた辺りで私は大きな声で言ってみた。
「すいませ~ん。どちらに行かれるんですか~。
もし、よければ近くまで乗せていきますが~」
※実際は方言たっぷりで。
私は普段、それほど方言は使わないが
お年寄にはその方が安心できるかもしれないと思い、
なるべく怪しくないように田舎の人風な言い方を演出した。
するとその女性は
「あぁ、いいんです。今、ウオーキングをしているんです」
更に近くに寄ると、その女性は飲み物を肩から下げていて
遠目では70代くらに見えていたが、
その素振りと声で恐らく40~50代の方だと感じた。
身なりだけでてっきり
自分よりお年寄だと私は決めつけていたことに気づいた。
「あぁ、そうなんですねぇ。失礼いたしましたぁ~」
私は深くお辞儀をして
その女性から離れ、周り右をしてまた車に向かって走った。
今度は一刻も早く車に隠れたくて猛ダッシュした。
ウオーキングをしている人に「車に乗りませんか」と
声を掛けた自分が恥ずかしくてどこかに隠れたい衝動にかられた。
ドアを開け閉めし、シートベルトをしてバックミラーで確認してからウインカーを右にして走り出した。
彼女はこちらに向かって相変わらず歩いていた。
親切って難しい。
相手が困っているのかなと思って手を差し伸べると
今は「声かけ事案」というちょっとした事件として
回覧板に載ってきたりする時代になった。
周りに何もないこの道路をお年寄りがずっと歩くのは大変だろう。
私でできることならお手伝いしたい。
そう思って勇気を出して声を掛けたら、やっぱり、違っていた。
人助けってむずかしい。
今の世の中は、人助けと犯罪が紙一重。
善意の優しさは受け取る相手の勘違いによって
犯罪者扱いされることにもなりかねない。
今回はタダの勘違いで済んだが
難しい世の中である。
今回は
その善意は通じるのか
をお伝えいたしました。
本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。
山田ゆりでした。
◆◆ アファメーション ◆◆
.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。.。*゚+.*.。
私は愛されています
大きな愛で包まれています
失敗しても
ご迷惑をおかけしても
どんな時でも
愛されています
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どうしよう。
「乗りませんか?」と声を掛けてもいいだろうか。
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とぼとぼ歩く70代くらいの女性がいた。
斜めにかけた布製のカバン、
母が良く着ていた花柄模様の上下の
農作業着のようなものを身にまとっていた。
ここはバイパスに繋がる一面田んぼの一本道だ。
連日のぽかぽか陽気で道の両脇の雪はすっかり消え、
歩くのに不便はないが、バイパスに交差するところまではまだ相当の距離があった。
どこまで行かれるのだろうか。
私は時速10kmくらいにスピードを落として静かに老女を追い越した。
その方をチラリと見たが
麦わら帽子とマスクで顔は見えなかった。
私は老女をバックミラーでチラチラ見ながら通り過ぎた。
どうする、私。
このまま見捨てるのか。
私は今、特に急いではいない。
もし、良かったら目的地の近くまで乗せてあげたい。
でも、誘拐と勘違いされたらどうしよう。
こんなおばさん(私)、誘拐する人に見えるかなぁ。
でも、お年寄が困っているのに知らないふりをするのはいけないようなぁ~。
見て見ぬふりをするか
それとも…。
私は左にウインカーを上げて車を停めた。
そして助手席に置いていた自分のバッグを後部座席に急いで放り投げた。
田んぼの一本道だから他に車は来ていないが、
一応、左右を確認してからドアを開けた。
そして、私はその女性めがけて走った。
あまりきびきびと走ったらかえって相手は恐怖を感じるかもしれないと思い、わざとヨタヨタと走って見せた。
少し近づいた辺りで私は大きな声で言ってみた。
「すいませ~ん。どちらに行かれるんですか~。
もし、よければ近くまで乗せていきますが~」
※実際は方言たっぷりで。
私は普段、それほど方言は使わないが
お年寄にはその方が安心できるかもしれないと思い、
なるべく怪しくないように田舎の人風な言い方を演出した。
するとその女性は
「あぁ、いいんです。今、ウオーキングをしているんです」
更に近くに寄ると、その女性は飲み物を肩から下げていて
遠目では70代くらに見えていたが、
その素振りと声で恐らく40~50代の方だと感じた。
身なりだけでてっきり
自分よりお年寄だと私は決めつけていたことに気づいた。
「あぁ、そうなんですねぇ。失礼いたしましたぁ~」
私は深くお辞儀をして
その女性から離れ、周り右をしてまた車に向かって走った。
今度は一刻も早く車に隠れたくて猛ダッシュした。
ウオーキングをしている人に「車に乗りませんか」と
声を掛けた自分が恥ずかしくてどこかに隠れたい衝動にかられた。
ドアを開け閉めし、シートベルトをしてバックミラーで確認してからウインカーを右にして走り出した。
彼女はこちらに向かって相変わらず歩いていた。
親切って難しい。
相手が困っているのかなと思って手を差し伸べると
今は「声かけ事案」というちょっとした事件として
回覧板に載ってきたりする時代になった。
周りに何もないこの道路をお年寄りがずっと歩くのは大変だろう。
私でできることならお手伝いしたい。
そう思って勇気を出して声を掛けたら、やっぱり、違っていた。
人助けってむずかしい。
今の世の中は、人助けと犯罪が紙一重。
善意の優しさは受け取る相手の勘違いによって
犯罪者扱いされることにもなりかねない。
今回はタダの勘違いで済んだが
難しい世の中である。
今回は
その善意は通じるのか
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本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。
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