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「先祖代々続いた土地」を守り切れない【音声と文章】

山田ゆり
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※今日は真面目に悩みを吐きました。
※音声と文章、どちらでも楽しめます。

おはようございます。
山田ゆりです。


今回は
「先祖代々続いた土地」を守り切れない
ということをお伝えいたします。



「もう、この田んぼを持ち続けることはできない。」

先祖代々続いてきたものを
「跡継ぎ」は守っていくのは当たり前で
そうあるべきだ、と私は思ってきた。

でも、もう、私は守り切れない。
決断しなければいけないと感じている。



専業農家だった夫が急逝し
田んぼと畑の名義を私は引き継いだ。
名義は変わったが、正社員で働いている私は
農業をすることができない。

私の会社は残業が多く、年間休日も少ない。

だから私は農業をする時間がない。
時間は作るものだという理屈は分かるが
農業をするための時間を作る事ができずにいる。

だから夫が亡くなって間もなく
「農業をやらない」
そう決めた。



田畑を誰かに貸したいと思い
農業委員会へ手続きをした。

しかし、誰も借り手は現れない。
農業委員会の方に相談したところ
今は、農業をする人が少なくなったから
よっぽど条件の良いところでない限り
田畑を借りたいという人は無い現状だとのこと。



農業をしなくても経費はかかる。

固定資産税。
2か所から来る土地改良区の税金。
田んぼの堰の草取りの代金。

毎年、年に2~3回、田んぼの周りの堰の土を掘って
堰を高くしてあげなければいけない。

また、堰には草が生えてくるので
その草も取り除かないと
そこで堰の水が止まってしまい
まわりの田んぼに水がいかなくなるので
これは必ず年に2~3回、しなければいけない。

最初は自分たちでなんとかしようとした。
私は朝の4時台に起きて1時間くらい田んぼの草取りをして
家に戻って朝活をして会社に行っていた。

娘たちも休日、やってくれた。


結構、やったなと思い、後ろを振り向くと
以前草を取ったところには
また草が生え始めていた。

時間的にいつもギリギリだった。
そして、やってもやっても草は生えてくる。

そこでお金を払って人にやってもらうことにした。

それは一回、数万円かかる。
それを年に2~3回する。

何も収益が上がらない田んぼに
年間6ケタのお金がかかる。



「先祖代々の土地を守るとはどういうことなのか?」

「田畑を続けるのが当たり前」
そう、私は思っていた。

しかし、それは田畑を耕せる人がいる場合である。

「先祖代々の田畑を継続する」

この難しさに直面して初めて当時の夫のことを思った。



夫は農業を楽しそうにはしていなかった。
時々、私からお金を借りるようになった。
恐らく、肥料や機械の修理代が
農業の収入で賄いきれなかったからだろう。

私はなかなか収益が出ない夫に対して
「農業が駄目なら、会社員に戻ってもいいんだよ。」と何度か言っていた。

そう私が言ってあげているのに夫は農業を辞めなかったから
続けている夫に責任がある
そんな、意地悪な考えを悪妻の私はしていた。

しかし、
「農業を辞めてもいいんだよ」という
優しさとも感じられるその言葉に
「辞めたくても辞められない」という夫の気持ちがあったのだと
今、自分が土地を相続して分かった。


たぶん、夫は、農業をやめたかったのだと思う。
しかし、「先祖代々続いた土地を放棄することはできない」
そう思ったのだと思う。



「先祖代々」の土地。

ふと思う。

今、とてもネックになっているのは「田んぼ」
これはいつからあるのだろうか。


父と夫がしていた以前のことを振り返ってみた。
私はこの土地に生まれた時からずっと住んでいる。

記憶をたどってみて、
今まで大きな勘違いをしていたことに気付いた!




昔、私が独身の頃は
別の場所に畑があった。
そこは親戚のAさんの畑を
またいでいかなければいけないところだった。

畑と畑の間には、
人がやっと歩けるだけの道しかなかったので
耕運機やトラクターなどは
そのAさんの畑の隅を通らせてもらっていた。

独身のころ、母のお手伝いをしてその畑で
エンドウ豆やキュウリ、トマトなどを収穫した記憶がある。



その内、親戚の長老であるBさんが

「いつまで人の畑を通っているんだ。
別の場所にあるAさんの田んぼとこの畑を交換すればいいだろう。」
と言われた。

それまで何十年も使っていた畑なのに
いきなりそんな事を言われるようになった。
それは一度ではなく何度も言われるようになっていった。


無学で素直な父は、長老様のご意見に従い、
その畑をAさんに渡し
その代わりにAさんから田んぼを受け取った。

「等価交換」ということで、そこにはお金は発生しなかった。
その田んぼが今の田んぼである。


この話には続きがある。


これまで何年も耕してきたAさんに渡した畑は
その数年後に国の政策で道路になった。
そして、そのお金でAさんは
とても大きくて快適な家を建てた。

長老様とAさんはとても近い親戚だ。
そして長老様のご家族には
県庁に勤めている方がいらっしゃった。

あの頃はそのからくりに
無学な私たちは気づかなかった。

でも、今私は当時のからくりが手に取るように分かる。



我が社は仕事の関係で
建設業の業界紙をとっている。
それには、数年後にどの土地に何の建物がたつとか、
どんな道路ができるとかの情報が載る。

きっと長老様はそのことを知ったのである。
だから自分のかわいいAさんにお金が入るようにと
私たちに「土地の等価交換」を言い出したのだ。

土地の交換をしていなかったら
我が家にお金が入ってくるはずだったのだ。

あの土地に道路ができて
立派な家をAさんが建てた時
両親はどんな思いをしたのだろうか。



情報を知っている人だけが得をする。
そういうことだ。


「つまり、何が言いたいのか」

ここまで読み進んでこられたあなたは
お分かりになるだろう。

「先祖代々続いてきた田んぼ」
それが今、
私たちの足かせになっている。

「先祖代々」続いてきたと思っているから葛藤している。

しかしである。


振り返ってみると
その田んぼ。

父と夫がしてきたのは確かだが
その前はAさんの田んぼだった。

しかもいわくつきで等価交換された土地。
ある意味、騙されて所有することになった土地である。


そして今、この田んぼを私が所有して困っている。



父や夫が耕してきたのは事実だ。
しかし、
もう、稲作をすることができなくなった私たちは
この土地を手放してもいいのではないだろうか。



父も夫も
許してくれるのではないだろうか。


こんなことを平気で書いているのではない。
私の心の中は土砂降りなのだ。




「先祖代々続いた土地」
先祖代々の土地を守るのが当たり前だと
これまで思ってきた。



でもできない。

娘たちだけには
私のこの思いを分かってほしい。




「先祖代々続いた土地を手放すなんて何て非人情なのだ。」
そう思われても致し方ない。


あなたはどう思われるだろうか?





今回は
「先祖代々続いた土地」を守り切れない
ということをお伝えいたしました。

本日も、最後までお聴きくださり
ありがとうございました。 

ちょっとした勇気が世界を変えます。
今日も素敵な一日をお過ごし下さい。

山田ゆりでした。




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