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スコトーマがかかっていないか【音声と文章】

山田ゆり
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知らなかった。


別に人のせいにする気は全くない。


病院の先生から薬を処方された。
そして、夜だったこともあり、少し離れた24時間営業している調剤薬局へ行き、薬を受け取った。

そしてその薬を一週間のみ、また同じクリニックに出かけ、同じ薬を処方された。
同じ薬だが、症状が緩和されていないから、一度に飲む量が1個から2個に増量された。

その日はそのクリニックの近くの薬局から薬をいただいた。



帰宅し、いただいた薬の内容を書いた書類を夕飯を食べている娘に見せた。
ハムスターのように両方の頬っぺたを膨らませながらおいしそうに食べている娘は
その説明書を眺めていた。

そして「ふ~ん。これは水で飲むのではなく、口の中で溶かして、唾液と一緒に飲むタイプなんだね。」と言った。

何それ?
さすが我が娘。何でも知っている。

娘は、小さな病院の窓口事務をしているから、仕事柄、いろいろな薬の準備をお手伝いするため、よく出回る薬のことは記憶しているのだ。

「へー。すごいね。その薬も知っているんだ。」
私は驚いて見せ、娘を持ち上げた。

すると
「お母さん、私はこの薬はしらないよ。でも、お薬の名称が
○○口腔内崩壊錠って言うし、働き・注意の欄には
『口中で唾液を含ませ舌で軽く潰すと速やかに溶けるので唾液と一緒に飲み込んでください。
また、水で服用することもできます。』って書いてあるじゃない。」
と娘が言った。

えっ!書いてある?

私はその書類を覗き込んだ。しっかりそう書いていた。

知らなかった。
薬局で薬剤師さんに症状を聞かれお答えして、薬は朝夕飲むのだと説明を受けたが前回の薬局も今回の薬局でも、口の中で軽く潰して唾液で飲むのだとは言われなかった。

だから、普通の錠剤と同じように多めの水で飲み込んでいた。そうしないと口の中が苦くなってしまうと思っていたからだ。



説明が無かったと人のせいにする気はない。
普通に読める程度の説明書をいただいているのだから。


前回も今回も、その説明書はチラリと目を通したつもりだった。
しかし、振り返ってみると、私が見たところは、薬のカラー写真・朝と夕にいくら飲むのか。
それくらいだったと気づいた。

大事な情報はきちんと書いてあるのに私はその中の一部しか見てなかった。
これはスコトーマ(心理的盲点)がかかっている状態なのだ。




人は目の前の現象を全部見ていると思っているが、実はそうではない。
自分が見たいもの、自分が関心あるものだけを見ているのだ。
だから自分に見えているものが全部であると錯覚している。

いつもと違う視点から見てみるとスコトーマが外れ、これまで見えていた世界とは違う景色が見えてくる。


例えばアイロン台が目の前にあるとする。普通、それはアイロンを使う時に使うものである。
しかし、一人暮らしでスペースが限られている人にとっては、それは食事の時のテーブルになったり、勉強机の代りにもなったりもする。
小さいお子さんだったら、その下をハイハイしてトンネル遊びをするかもしれない。

このように物事は一つではないのだ。
見方や思考によって、それはいろいろなものに変化する。

自分に見えているものだけが目の前にあるのではない。
人はある一部の物しか見ていない。それが全てだと勘違いしているだけなのだ。

だから、物事を固定観念で決めつけていないか、時々、自分に問いかけてみよう。










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スコトーマがかかっていないか


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