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特別と日常

何処にでもある様な4月末日。
如何お過ごしでしょうか。

暇すぎる業務とたわいもない雑談と
定時待ちの退勤待機。
今期の最終日は想像以上に緩やかな時間だった。

『お疲れ様です』の一言に熱が篭もる。
意味合いの違う『お疲れ様』だった。
明日以降彼等彼女達の声は事務所に響かないし、姿を見ることは無い。
ホントに最後の『お疲れ様でした』だった。

クッキーとフィナンシェと2行のメッセージカードの入った紙袋を持ち帰り、想像通り途方に暮れた。
日はとうに暮れて夜が始まった時間だった。

特別なんていらないから終わらない日常が欲しいとつくづく思った。
特別なんていらないさ。
特別感なんて片道切符でしかない。
好きも嫌いも突然終わる。
永遠なんて無いのだから。

だったら在り来りな日常が
終わりを知らずに続いて欲しい。 
あくびの出そうな毎日に、
冗談交じりの溜息をこぼしたい。

大切な時間ほど、思い出ほど、相手ほど。記憶から、日常から、当たり前から零れ落ちていく。 

私だけだったと、勝手に嘆いて肩を落とす。
そうそう何人も思わないさ。
たまには、いいやそろそろ。
私の想い報われても、いいと思うんだよね。

当たり前の中の日常、噛み締めてもいいと思うんだよね。
(2022/04/30)

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