見出し画像

取り戻せない日々

春の大会を勝ち抜いて地区代表になった息子の後輩たちは、昨日から他県代表との大会が始まり、みごと初戦を突破した。朝刊のスポーツ欄には、ゴールを狙う後輩達の躍動感あふれる写真が紙面を飾っている。

息子の後輩達の活躍はうれしい反面、心のざわつきに気づかないではいられない。勝利の笑顔を写した写真はまぶしすぎて、新聞をたたんだ。

息子たちが3年生だった昨年は大会すら開かれなかったのだ。忘れかけていた悔しさが再びあふれてくる。「どうして、、、どうして去年だったのだろう。」考えても仕方がないことだが、どうしても逃れられない。今年の高校生達の活躍をテレビで見るたびに、昨年3年生だった息子達のことを思ってしまう。

ぽっかり空いた時間の穴に不運にもとらわれて春夏が過ぎた子ども達の時間は帰ってこない。去年は一緒に悔しい思いをした一つ下の学年が今年は笑顔で躍動している。たった1年の違いで取り戻せた学年と、取り戻せない苦さをかみしめる学年がある。華やかなニュースの裏で息子のことを思っている。

いただいたサポートは、本の購入に使わせていただきます。