私も抱きしめてもらった気がした~映画「フェアウェル」
映画「フェアウェル」について昨日書いてみたけど、もうちょっと書き足りないことがあるので書いておこう。
最後のシーンだ。いとこの結婚式が終わり、いよいよ祖母ナイナイと別れてニューヨークに帰らなければならないビリー、見送らないでいいと言うのに、家の外まで出てくるナイナイ。タクシーが待っている。別れがたい思いを胸に抱き合う二人。
ナイナイはビリーを抱きしめて言う。「大丈夫、すべてうまくいくわ。長く生きてきた私にはわかる。人生は何を成し遂げたかではなくて、どう生きたかなの。」ナイナイはその言葉を自分に言い聞かせて生きてきたのだろうか。心に沁みた。
私も、何も成し遂げることはできない人生かもしれない。専門に学んで得た仕事も子育てで辞めてしまった。同期の友人がそれなりの役職に就いていることを耳にすると心がさわぐ。でも、その時その時を選んできたんだよなぁ。どう生きたかと言われたら、これはこれで自分らしいと思う。
だから、ナイナイに抱きしめられて、言葉をかけられているビリーがまるで自分だったような気がした。私もナイナイに、抱きしめられた気がした。何も成し遂げることがない人生もいとおしい。そして、私も彼女のように生きていくんだろうな、と思った。
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