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肘にごはん粒 22

一応、4畳半ほどの部屋がある。わたしの部屋だ。わたしの寝室もここだ。仕事に出ているので家にいる時間は少ない。11時間は駄仕事に搾取されている。ほとんど、この部屋の住人はいない。だから、わたしの部屋、寝室にはハンガーラックみたいなものが2つ置かれている。部屋の真ん中あたりに陣取って、乾ききらなかった洗濯物、室内干しの服などが並んでいる。洗濯物干し部屋と言っていい。そして、床にはかろうじて人が一人寝転ぶスペースが空いている。わたしはそこで寝る。家の他の者が、もう使っていないヨガマットをひき、床で寝るために買ったキャンプ用のデコボコした、ジャバラに折りたためるシートをひき、捨てるつもりだったタオルケットをひき、その上にぺたんこになったクッションと座布団をリビングから持ってきて置き、その上で眠る。足の少し先には床に置かれた何かがある。頭のすぐ上には木のイスがある。寝心地は決してよくはないけれど、好きな時に電気をつけられて、枕元に本を置き、好きな温度に室内を管理し、窓も開けたかったら開ける。グレープフルーツのアロマオイルをかすかに匂わせ、眠りにつくことで1日が始まる。7時間後に起きて、活動開始。

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