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「あわゆき通信」第4号の鑑賞

俳句ネプリ「あわゆき通信」第4号より、1句鑑賞していきたいと思います。

「あわゆき通信」は各コンビニのマルチコピー機にて16日(日)までプリントアウトできます!

今回は、「競詠☆愛と官能の俳句特集」として、過去開催した官能句会で高得点を収めた作品紹介&高得点作家6名による12句の掲載となっています。

その中から注目句をピックアップしてご紹介&鑑賞したいと思います。

旱星絡み合ひたる染色体  昼顔

人間の遺伝情報をつかさどる「染色体」。父親由来と母親由来が絡み合って私たちの体をつくりあげている…それは、つまり一組の男女の愛の結晶として一人の人間が成り立っているということ。

季語の世界観に科学的視座をクロスさせ、不思議な近未来的な雰囲気を醸す愛の句が誕生した。

火星やアンタレスなどの赤く輝く星を指す「旱星」をフックとして、「絡み合ひたる」の語に官能感を宿らせているところが巧みだ。

角砂糖ゆつくり溶ける蟻地獄 祐

角砂糖が溶けていく先にある蟻地獄が示唆的だ。角砂糖を溶かしているのは蟻なのだろうか、人間の舌なのだろうか。いろいろ想像が膨らむ。

甘い砂糖が溶けていく時間、作者も甘美な想いにとらわれているのだろう。いずれ遠くない未来に「蟻地獄」に引きずり落されるとも知らずに。いや、知っていて自ら「甘い罠」に掛かりにいっているのかもしれない。



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