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【roots2】 《12章》再びの

こっちに来て、そろそろ3か月。
毎回恒例の結婚写真を撮ろうという話になった。
いつもと変わらず。ルビーは美しく光輝き大輪の白い薔薇が咲き誇るようだった。

オーウェンもこれを機にリリーに結婚を申し込みみんなと一緒に住む事になった。

ディランは若い2組の夫婦を優しく導いてくれ、5人ほ幸せそのものだった。
それでも、心のどこかで。恐怖を忘れてはいなかった。けれどひととき。
日常を感じて生活をすることが出来ていた。
そんな時、新聞に妙な記事が載った。

【囚われのドラゴン、動物園で公開中】

オーウェンの会社の新聞なのに誰も書いた覚えのない。記事だった。
この怪しい誘いに乗るのか。
会議が開かれた。
「どう考えてもチェイスだろ?こんなのに乗る馬鹿がいるか?」とオーウェン
「でも行ってやらなきゃ。ドラゴンが可哀想だ」
デイブが言うと「そう言うだろうと思ったよ」とトレバーが苦笑いした。
「危ないってわかっていて行くの?」とティムがデイブに聞いた。
「誰かに見に行ってもらってからだ」タイラーが割って入った。デイブを行かせる方向に向かうと困る。
「世の中的には騒ぎになってないのか?そんな架空の生き物が現れて」とディランが至極真っ当な疑問を口にした。
「見に行っている人は沢山いるよ。うちの記者も行って…ひどい縛られようだったって」とオーウェンが答えた。
「縛られてるの?」デイブが反応した。
「檻に入れないで、外で手足を縛りつけてる…らしい」オーウェンはこれを聞かせるとヤバイかな?と語尾に力がなくなった。
「僕が一度見に行ってみるよ」とデイブが言うと
「ちょっと待て!」「だから!」と5人が口々に声を上げた。デイブは笑って
「ハハハ!大丈夫だよ。話したいんだろ。僕とさ」と言った。
「ルビーが許さないぞ」とトレバーが言うと
「俺もな!」とオーウェンが言った。
デイブは穏やかな目をしていたけれど、口をギュッと噛み締めて黙っていた。

「俺の所の学生に見てきてもらうよ。学生なら目立たないし」とトレバーが言った。
デイブがすぐに反応して
「もし迷惑がかかったら?僕はその方がいやだよ」オーウェンはデイブがそれ以上話さないように肩をぽんと叩いて「うちの記者にもっと詳しく聞いてみるから。だから行くなよ!!」と言った。デイブが返事をしないと「わかった?」と5人に詰め寄られてデイブは仕方なく「わかりました」と頭を下げた。

タイミングよく「ごはんよ〜」とルビーの声がした。「は〜い!」と6人の男の声が揃って爆笑した。
「告げ口するなよ」とデイブがトレバーに言うと「するに決まってんだろ!」と階段を駆け上がった。負けじとデイブが追いかけて登って階段が一気にバタバタと賑やかになった。
4人はまったくと笑ってゆっくり四階に登った。

4階ではルビーとリリーが夕食の用意を並べていて「賑やかね」とトレバーを笑顔で迎えてくれた。トレバーは照れて静かに席についた。
「なんだよ!」とデイブが冷やかして頭を叩くとルビーに「やめて!ご飯が並んでるでしょ」と怒られた。4人は上がってくると「2人とも怒られてる」とティムが言って笑いが起こった。

リリーは本当にお料理が上手だね」とディランが褒めた。
デイブは嬉しくなって「そうなんだ!クッキーが絶品なんだよ!僕大っ好きでさ」と言うとルビーに口を塞がれた。
リリーはキョトンとして
「あら?クッキー今焼き上がったばかりなのに」と言った。「匂い!この匂いでどれだけ美味しいのかわかるよ」と誤魔化しても変な空気に。
「楽しみにし過ぎだぞ」オーウェンも助け舟を出した。
ここにいるみんなは繰り返し生きて、また会える事を知っているけれど。リリーは知らない。
いつもオーウェンが探し出して奥さんになるのだけれど、リリーは前回のデイブと同じで前の生活を忘れてしまうのだ。出来れば自然のまま知らないなら知らないで居させてあげたい。みんなそう思っていた。余計な恐怖を与えたくない。
リリーは未だに美容師として外に働きに出ていた。

to be continue…
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みんなとの日常って今まであんまり書いてなかったから。楽しいな🍀デイブとトレバーの掛け合いは休み時間の小学生男子だよ🏀✨📙☕️


毎週水曜日更新📙✨

ワクワクとドキドキと喜びと幸せを🍀
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