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【roots2】 《14章》闇

「ただいま」デイブが4階に上がってきた。
ルビーは見るなり「誰?」と言った。
デイブの姿をした男は立ち止まり。
パンパンパンと安っぽい拍手をして「さすが」と言うと「1000年で初めましてだ。美しいとは聞いていたが」といつものいやらしい口調でなるほどとうなづいた。
「チェイスね。」
「デイブが今どこにいるのか知ってるのか?」
「ミアを助けに行ってるわ」
「心が広いね〜」そう言ってジリジリと近づいて来た。
「喋ってないで早く私を殺すなりしたら?」ルビーが睨みつけた。
「デイブに見せつけてからな」また一歩二歩と近づいて来る。ルビーは後退りもせずに凛として立ちチェイスに屈しない強さを放っていた。
「そんなにデイブに自分を見てもらいたいの?あなた清らかさに憧れてるんじゃない?」
チェイスはケケケと高笑いして。
「デイブを俺にして見せてやる。楽しみにしておけ」とルビーの目の前までやって来た。
「デイブは決して悪には染まらないわ」
ルビーは鼻先まで近づく顔に怯む事なく睨みつけた。

ドドド!!と人が階段を駆け上がる音がして
「ルビー!!」とデイブが叫んだ。
ゆっくりとチェイスが振り返り「遅かったなぁ。話が弾んじゃったよ」と笑って後ろ手に容赦なくルビーの首を掴んだ。
この場が一瞬で凍りつく。

デイブはゆっくりチェイスに近づこうと前に出た。ルークとオーウェンが後ろからデイブの両腕を取りそれを止めた。
「離せよ!!」
「チェイスはルビーを殺さない。負けたらダメだ。誘いに乗るな!!」
皆んなの声はデイブの耳には入らない。力づくで振り解こうともがいている。
ルビーが苦しい声で「デイブ…言う事を…きいて」と言った。
「ルビーを離せ!!」デイブが怒鳴ると
「おうおう勇ましいな。清らかの君」チェイスはルビーの後ろに回ると羽交い締めにして台所へ後退りした。
デイブと6人の男は前に少し進んで対峙した。
「デイブになりたいのか?似てない物真似だな」オーウェンが言うと「似てない?」チェイスはデイブの顔でいやらしく微笑むとルビーの顔を撫でた。ルビーが顔を歪める。
デイブが「やめろ!!」と叫ぶ。
チェイスはお構いなしにルビーの一つに結んだ髪を撫でて「綺麗だな」と言うと結び目から包丁で勢い良く切り取った。
「チェイス!!」
ボトっと長い髪の束が床に落ちルビーの髪が肩までになって広がった。
デイブの怒りは抑えきれないものへと変わってゆくのが皆にもわかった。
燃え滾るようなオーラがハッキリと目に見えた。

ルビーが「ルーク、ルーカス。あの歌が聞きたいわ。デイブの歌声が聞きたいの」とこの状況には全くそぐわないことを言い出した。デイブの怒りを収めるために願いを込めて必死な声を上げたのだ。
「何言って!」とルークが言うと「歌って!!」とルビーが切り裂くように叫んだ。あまりの必死な叫び声に2人は戸惑いながら歌い始めた。
チェイスが馬鹿馬鹿しいと言ったジェスチャーをした。その隙!!
オーウェンが「デイブ行くぞ!!」と飛び出してチェイスに掴みかかった。デイブはルビーを抱きとめてティムに託した。
すぐさま。
オーウェンと揉み合うチェイスの元に近づいてそこにある包丁を振り上げた。
オーウェンにその手をはたき落とされ「デイブ!!チェイスの思う壺だぞ!!」と怒鳴られた。
それでもデイブは揺るぐ事なくチェイスに飛びかかる。
やっと来たかとチェイスに首をぐっと掴まれ一瞬。
どこかに消えた。

「デイブ!!」

連れて行かれた。チェイスの世界へ
6人の男たちはその場に崩れ込んだ。
何が起きたのか理解出来ない。

to be continue…
*******

なんて事に…😰

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