走るの好きか?

明けましておめでとうございます。

2017年になりました、酉年です。

なんて言ってみても今日は1月10日。

もう年末年始のニュースは勢いを失い

代わりに新成人の話題にすり替わっている。

箱根駅伝も高校サッカーも過去の話です。

今は成人式で暴れる若者と取り上げたり

急性アルコール中毒の恐怖を伝える

ニュースばかりで溢れ返っていましたね。

ボクの成人式、それはもう七年も前の話。

懐かしいような思い出したくもないような

多大なる修正を施した記憶の扉を開けてしまう。

袴、晴れ着、スーツの若者を見ると

条件反射のように溢れ出てくるのが

久し振りに会う友人と酒が飲めて楽しいとか

一部始終を敢えて伏せて

曇天の空模様と、澄んだ夜空だったりする、とか

言える人間ならば、恐らく自分自身の存在について

頭を悩ますような生き方はしていないのだろうな。

成人式というワードで呼び起こされる

記憶はやけに鮮明で、思い出すだけで頭が痛い。

同窓会と銘打って貸切だった店の出入り口の

スペースで友人と二人で

酒を飲みながらのんびり話をしていると

(盛り上がっている会場に嫌気がさして

静かな場所がそこしかないという現実に

否応なく向き合うことになっただけだが……)

酒の飲み方を知らない若者が

「酒に呑まれる」という言葉を体現して

次から次へと出入り口にやってくるではないか。

盛り上がっているグループのように

そんなことを知らなかった、と言えるほど

同窓会に熱量を持っていなかったことと

目の前でくたばりそうなほどに

酔いつぶれていた同級生を見逃せるほど

非情な人間ではないので

(今は全力で無視するスキルを得ましたが)

酒に溺れた同級生の介抱に

尽力せざるを得ない状況に存在を置いていた。

(もうさ、貧乏くじだよね)

救命病棟ばりに次から次にやってくる

酒に呑まれた同級生に対して

水を持って来たり、お手洗いの場所を教えたり

帰るからと言って代金を手渡されたり、と

従業員ですか?と聞きたくなる程度に

厄介な処理に追われる地獄のような時間を

過ごす羽目になったのは思い出すだけで

今でも憤りを抱きます。ふざけています。

(実は店の方に謝罪することもありました。

同じ客という側面で捉えれば完全に

加害者ではありますが、ボクらは被害者です。

それだけ冴えない人間ということですが……)

会費が割と高かったのに、と悔やむのは

数日後だったりするのですが

その時は、まぁ頑張りましたよ。

映画「おくりびと」が上映され

盛り上がっていたこともあり

(公開されたのは一年くらい前ですけれど)

付けた役名は、おくりびと。

結果、少なく見積もっても10人程度は

見送りました、やってられません。

酒も食事も会費に見合うほど飲食できてません。

むしろバイト代くれよ、って感じです。

(にしても酒の飲み方を知らないのは怖いですね)

二次会のカラオケも同じような惨状で

次の日授業があったので12時過ぎには

カラオケを出て、家路に向かいました。

その時、広がっていた夜空は綺麗でしたよ。

この時、ささやかご祝儀のような

メールが届いたのが、実は一番印象深くて

そこから少しだけの間、ハイライトで

時間が彩られることなど全くもって

予期はしていませんでしたけれど。

(介抱した連中からのお礼ではありません。

むしろ誰にも感謝されていません。

ボランティアの本質を知りました)

大学という新しい場所に染まっていることを

ぼんやりと自覚してしまった。二十歳の冬です。



執筆中だった小説の方は年の瀬に掛け

何故か勢いが付き、ウソみたいに進みまして

つい先日、中編小説のたたき台を書き終えました。

(招待された結婚式に向かう新幹線の車内で)

同窓会を敢えて抽出したのは物語半ばで

出てくるシーンだったからです。

(あんな風に書くのは苦い経験があるから。

それは間違いないとは思います)

これから1~2か月を費やして修正や

校閲(使いたくて使いました)を

実施して3月もしくは6月の

賞レースに送るつもりでいます。

今年は3月のすばる文学賞に自信作を

その他、電撃小説大賞、新潮新人賞、

文学界新人賞などにも

ストックしている作品を送れれば

ベストであると思っています。

今後、落選した作品は

noteで別ページを作り

随時、挙げていくつもりです。

感想などを頂けると幸いです。



今日の一冊は正月に読みたくなる小説。

「風が強く吹いている」著三浦しをん

映画化、漫画化、舞台化と

多くの媒体で表現されています。

物語は竹青荘(アオタケ)に住む

10人だけで箱根駅伝を目指すという物語。

(しかも一年という短い期間で)

アオタケもボロボロのアパートではある

割安の家賃で住めるということで

9人の大学生が住んでいるが

キャプテンである清瀬灰二(ハイジ)以外

陸上部の寮であることすら知らない。

10人目、最後のメンバーになるのが

主人公である蔵原走(カケル)である。

彼は高校時代、有名な選手であり

才能があったものの、ある問題を起こして

高校の陸上部を辞めてしまう過去があり

独りで走ることを続けていた。

大学に野宿し、万引きしていて

逃げるという生活を繰り返している時に

(麻雀で持ち金を飛ばす訳ですが)

ひょんなことからハイジに出会う。

そしてハイジにアオタケ誘われ、

箱根駅伝を他のメンバー同様に

半ば強制的に目指すことになります。

その中で葛藤したり、仲間と喧嘩したり

かつてのチームメイトと再会などを果たし

箱根駅伝に向かい、少しずつだけではあるが

走るだけに特化していたカケルが

変わっていく物語です。

ハイジにも辛い過去があり

アオタケの多くのメンバーも

心に引っ掛かっている何かがあり

物語が進行していく上で

心の柵から解放されていったり、と

それぞれのメンバーにも

スポットライトが当たります。

果たして箱根駅伝に出れるのか?

そしてカケルは何を思うのか?

ハイジ達の心の柵とは?

読みごたえはあります。

本屋大賞を惜しくも逃しましたが

ノミネートされ、2位の成績。

本屋大賞2位、面白くない訳ありません。

読むのはちょっと……と言う方は

映画を見て頂いてイメージを

作ってからでも楽しめると思います。

(映画のキャストは林遣都、小出恵介など

豪華なキャスト、イケメンばかりです笑)


この小説を読んで

箱根駅伝を見るようになりましたし

アオタケに住みたいと思いました。

何かを通して仲間と信頼していく関係性の

素晴らしさを感じられたりと

青春ど真ん中の物語はくすぶっている

心には響くスパイスが散りばめられています。

こんな青春を過ごせたらと考えてしまうのは

共同生活という部分に何か憧れのようなものを

抱いているのではないか、と疑うレベルです。

(1・2回で紹介した小説も共同生活……笑)


今年は書いたものを外に出していく一年にして

何らかの評価を貰えるようにしていきたいと

漠然とですが考えています。

やっぱり独りだと、分からないことや

見えていないことなどが多くあると

思いますし、何より盲目になってしまいますよね。

狭い視野から広い視野への転換に向けて

できることをやっていく。

そんな一年にしていきたいと思います。

このページもちゃんと更新していきますので

感想、批評等があればコメントしてくれると

嬉しいかな、なんて思います。

(何求めてんだよ?って話ですが

文章に関しての評価は案外頂きにくいので

敢えてしっかりと書いてみました笑)


それでは今年もよろしくお願いいたします。


朝比奈 ケイスケ

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