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まだ残っている
私の不甲斐ない身体と、痛ましい心を持て余しながら淡々と日常を送る。
私は諦めてしまっている。
望んだものが、手に入れられないのはわかっていたから。
『おはよう』を交わす穏やかな朝も、誰かと一緒に食べる満ち足りた食事も、布団を掛けてくれる優しい手も、安心して目を閉じられる『おやすみ』も全て空しくなる。
母は、嫁として祖母や親類たちに認めて欲しかったからなのか、父への並外れた執着を手放したかったからなのか、父に似た子どもが欲しかった。
父はそんなこだわりは無く、少し言葉足らずの世間並みな人だと思う。
最初のうち、母の『あなたに似た子どもが良かった』の言葉に笑って答えていたが、私が倒れた時のその言葉には流石に『そんな事より身体の心配を…』と言葉を強くしていた。
私は諦めていたから何も感じる事はなかったが、その後私の貧血に過剰な様子を見せた時には母に似た事を悔やみ、父に似なかった事にホッとした。
それからは望んだものが失われても、望んでいないものを与えられてもどうでもよくなっていった。
それなのにアンバーアイに…あの心奪われる目に覗き込まれた時に、あの無垢なるものに見せた執着が湧いてくる。
何故諦めたままでいさせてくれないのだろうと、また失望する。
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