見出し画像

日記75:「サムインフィノ」

カム・バック。

ここ数日、暖かかったり肌寒かったりと忙しない。忙しない(リフレイン)。
自分で見ればよいだろうという話なのだが、私は入浴前に風呂上がりの着替えを用意する際、母だったり叔母だったりに明日の気温をたずねる。「明日どんな感じ?」「あ〜ちょっと寒いね、今日くらいかな」といった具合だ。

それがどうだ。この数日はあんまりにも気温の移り変わりが激しいのだ!困る!楽しいけれどもだ!
ある日、「明日どう?今日くらい?」「いやちょっと暖かいね」。
またある日、「明日どう?寒いかな?」「うーん、結構冷えるっぽい、○○℃くらい」。
そしてまたある日、「明日どうかな」「まあちょっと上がるかなあ」…と、そんなことを日々繰り返しているものだから、前後の記憶が混乱してくるわけである。世間一般の人々はどうかわからないが、少なくとも、私は。

そして今日。まあ、大体オチは見えている気がする。
明日は確か暖かめなんだよなあと返答を思い返し、いそいそ服を用意する。靴下も用意する。それならこれでいいよなと、短くて比較的厚くない、ブロッコリーかナスの靴下にしようと思い、それを選んだ。
風呂に入ればなんとなくもう暖かい気候である気分になり(単純)、湯船に浸かったあとはやや冷ためのぬるいシャワーを浴びた。なんとなく寒い気がしたが気のせいだと思った。

風呂上がり、自室で勉強していたのだが、どうも寒い気がする。手も足もヒエヒエだ。
夕飯どきに母にたずねてみる。
「今日、なんか寒くない?今日から暖かくなるんじゃなかったっけ?」
母は言った。
「いや、冷えるよ。冷えるって言ったじゃん…」
私はお礼を言ってから静かに席を立ち、猫が「it's no big deal!」とにこやかに口にしている靴下を履いた。その上からナスを被せた。寒い。
ちなみにタイトルのサムインフィノ、これはエスペラント語の「semajnfino(週末)」が元ネタである。寒いし、週末だしね。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?