淀ちゃんが沈められると聞いて、情報をまとめる
なにやら1月17日のニュースによると、淀川に迷い込んだマッコウクジラの淀ちゃん(通称)が紀伊水道沖で沈められる予定とのこと。
この記事を書いている本日1月18日には腐敗ガスを一旦抜く作業をし、翌19日には沖合で海に沈めるそうなので、もうこの決定が覆ることはないのだろう。
以前の記事で紹介したように、せっかくのストランディング個体なので、骨格標本にするなどの研究に活用する選択肢もあったんじゃないかと思うので、ちょっと残念だ。
MBSテレビの解説によると、大阪市立自然史博物館にはメスのマッコウクジラの骨格標本があるが、淀ちゃんの性別はオス。
つまり、大阪にオスとメスのマッコウクジラの骨格標本が揃うかもという世界的に貴重なチャンスだったらしい。
もし淀ちゃんが骨格標本になり、大阪市立自然史博物館に展示されたら、「これがあのときの淀ちゃんだよ」なんて会話が行われるのは容易に想像が出来るし、自分も再訪しただろう。
素人目にも、解体やらにかかる費用くらいペイできる経済効果があるように思えるのだが……。
とはいえ、こういうストランディング個体をどうするかは最終的に自治体の判断による。
「オスとメスの骨格標本を並べて比較」という夢は潰えたが、これも仕方のないことだ。
だがちょっとだけ気になるのは、一部ニュース報道を見ると情報の齟齬(あるいは伝達ミスの可能性)があることだ。
「大阪私立自然史博物館が骨格標本にしたいと言っている」というニュースが13日時点で存在するのだが、その4日後の17日のニュースでは、「標本にしたいという申し出はなかった」と松井市長が記者団に述べたという。
確かにこれはスッキリしない。
13日にはもう淀ちゃんの死亡は判明していたわけで、腐敗する前に死体を運んで解体とかは出来なかったのだろうかとか、色々考えてしまう。
まあ素人にはわからない色々な事情があったんだろうけど。
ちなみに、大阪では過去に堺市内の埋め立て地にクジラの死体を埋めて、骨格標本にする作業をした前例がある。
このときのクジラは体長8mらしいので淀ちゃんの半分のサイズではあるが、やろうと思えば同じことが出来たんじゃないかなと思ってしまう。
(もちろん素人考えではあるが)
研究者側の視点に傾いている自分としては、せめて骨格標本にして欲しかったなという気持ちは強い。
そして死後間もないクジラの内蔵の標本が手に入るチャンスを失うのはどうなんだろうと思ったが、沖合に沈める作業までの間は一応専門家による学術調査も行うそうだ。
限られた時間しかなく、腐敗も進んでいるのでどれだけの成果があるかは分からないが、少しでも研究に役立ったら良いなと思う。
ちなみに「クジラを海に返す」作業は、別に爽やかな感じではない。
クジラをそのまま流したら海面に浮いた15mの死骸が船に衝突して大事故になる可能性もあるので、重りを大量につけて沈める必要があるのだ。
まあ確かに「海に返る」のは間違いないのだが、何だか複雑な気持ちだ。
・鯨類座礁対処マニュアルhttps://www.jfa.maff.go.jp/j/whale/pdf/manyuaru2012kaisei.pdf
……そんなわけで、今回のストランディングの件をまとめてみた。
正直もっと色々な展開があり得たと思うと、少し残念な気持ちはあるが……
淀ちゃんには安らかに眠って欲しいと思う。
【続き…?】
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