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お墓について考える

墓じまい」の動画を見た。

なのでお墓について考えよう。

動画の内容をかいつまんで話すと、

・高齢世代は子供のことを考えて「墓じまい」することが増えている
・「墓じまい」とは、お墓を撤去することである
・お墓に遺骨を入れるのではなく、樹木葬海洋散骨が注目を浴びている
・樹木葬は2人で50万円~(その後の管理料は無し)
・海洋散骨は29万7000円~(その後の管理料は無し)


まさかご先祖様も、少子高齢化で管理できないから墓を撤去されるなんて思わなかったことだろう。

とはいえ庶民が墓石なんてものにこだわり始めたのは大正時代辺りらしいので、歴史で言ったら100年そこらしかない文化ではある。

ちなみに墓がなくなっても遺骨は残るし、なにやら魂がどうのこうので色々なお金がかかるようだ。他にも檀家を離れる場合はまたお金が必要になったり、永代供養にもお金が必要だったりと、墓じまいは楽ではない。


さて、Youtubeの良いところはコメント欄があるところだ。
多様な意見を見ることが出来る。(多様じゃない場合もあるが)

「私も樹木葬とか海洋散骨でいいかも」
「海に撒くだけで30万とか素晴らしいビジネスだな」
「あんな小舟の海洋葬なんてゲロ不可避やぞ」
「永代供養とか言ってるけど潰れる寺もあるぞ」
「イーロン・マスクとか富裕層しか墓なんてもたなくなるな」


……うん、自分の意見だけで記事を書かなくて本当によかった。

実家にあまり帰らないし、お墓どうしようかなって思いました。おわり」とかで記事を書き終えるところだったわ。


たしかに海洋散骨はよくよく考えたらヤバい。
船は小さいほど揺れが大きくなるのだ。
自分もよく乗った津軽海峡を航行するフェリーのように大型ならまだしも、動画に出たような釣り船レベルの船では揺れもなかなかのものだろう。

コメントでは「海が荒れていても散骨は強行されるので、お坊さんがお経を読めないレベルだった」という。

湾内とはいえ風があったら波は高くなるだろうし、ありえることだ。
海はいつだって平穏なわけではない。
船酔いに耐性がない人は大変な思いをする可能性がある。

また、動画を見ると手を合わせた人が波に揺られてふらふらしていた。
もし強い揺れが運悪く来たら、バランスを崩して落水するかもしれない。
下手に船の上で目を瞑って手を合わせるのは危険だ。

それに遺骨を撒くエリアは決まっていて、正直広い海を感じられる場所ではないというか……。

亡くなった方はここでOKなのか……?

(もちろんここ以外の海洋散骨業者もあるんだろうけども)

羽田空港の横あたりに撒くらしい

そして、「永代供養とか言ってるけど潰れる寺もあるぞ」というコメントも確かにその通りではある。

現在日本のお寺は大半が赤字経営となっており、仮に永代供養で一時的なお金を集められたとしても、20年30年と持ちこたえられるかはわからない。

日本は檀家制度も崩壊している。
まるでかつてインド仏教が滅びたときの流れを見ているようだ。

そして、永代供養は「未来永劫お寺に任せとけ」という意味ではない。
10回忌過ぎたら終わりです」とかも契約内容によってはありえる。
子孫がその宗派の檀家を辞めた場合には、永代供養が破棄されるなんてことすら起こる。慈善事業ではないのである。

なんだか本当に葬式仏教の必要性がわからなくなってくる。

まあそもそも普段信じるどころか気にもしていない宗教に、葬式になると頼っていること自体がよくわからないのだが。


ふと以前紹介した日経テレ東大学の動画で郷堀ヨゼフ氏の言っていた、チェコの葬式と墓に対するスタンスを思い出す。

もちろん全てのチェコの人がそうしているわけではないが、葬式すらせず、火葬後の散骨も霊園の決まった場所でシンプルに済ませるという方式が増えているチェコ。当然その場合は墓も存在しない。

これはチェコの宗教を排除した環境で育った世代によって生まれている流れではある。

でも今の日本の若い世代もあまり宗教には触れていないようなものだし、チェコの葬式のシンプルさに同調する人も多い気もするのだ。

死後は火葬したあと、シンプルに散骨で……。

今後はそんな人が増えるのかもしれない。

だが散骨をするにあたっては、ご近所関係や場所選びで色々面倒という話も聞く。

ここはひとつ、人里離れた山でも買って堂々と散骨できる場所としてお安く提供したらビジネスになったり……?

……なんだか話が広がりすぎたのでここらへんにしておこう。


自分は死んだあとどうしてほしいかといえば、違法にならない場所で遺骨を撒いてくれればそれでいい気がする。

別に50万円かけて木の根元や海に撒かなくてもいいのだ


日本の墓事情、これからどうなっていくのやら。


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