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【幻覚の脳科学】ヒカキンと幻覚本とアドベンチャーレースとコテンラジオが繋がって、なんだか良い気分【反復視】

自分はポッドキャストとYoutubeが情報源だが、広告でもしているのかヒカキンの動画がたまにサジェストされることがある。

ヒカキン動画は自分の中での余裕のバロメーターのようなところがあり、これを2倍速で見れている時は余裕があり、6倍速以上で見始めたらかなり追い詰められている。

(見れてる時点で余裕あるだろという意見は受け付けない)


そんな彼の動画の中で「マッシュルというアニメのOPを5000万円で再現しました!!」というものがあったので7倍速で見たのだが、その動画の後日談で気になる場面があった。

彼は動画の撮影後に帰宅したあと、あまりにも体力的に限界がきていたのか、アイマスクをかけたときの視界が無限ループしたらしいのだ。

見た当時は「へぇ……」レベルで聞き流していたのだが、この前なぜか手にとって読んで(聴いて)いた『幻覚の脳科学』という本の中で、”反復視”という幻覚症状が登場したのである。

これは過去に見た視界が繰り返されるという症状なのだが、なんだかヒカキンのした体験につながるものがありそうな……?


なお、この『幻覚の脳科学』の中には「失われた時を求めて」の内容を引用する箇所があるのだが、それは超定番のマドレーヌのくだりではなく…

「コンブレーの教会の鐘の音が日中には小さくなり、昼の騒音と大声が止んだときしか聞こえないあの場面と似ている」

どこだよ

とかいう本気でどこだかわからない場面を提示され、『私はちゃんと”失われた時を求めて”読んでますけどねマウント』をとられる体験ができるので楽しい。

(そしてやはり長編小説は単語検索できる電子書籍が最強だなと思った)



そして、そもそも幻覚はそんなに縁遠い体験ではないのだ。

自分ですら、スマホのないポケットからバイブレーションを感じたこと(ファントム・バイブレーション・シンドローム)や、アラーム音の幻聴明晰夢での自由なクリエイト体験など、「脳ってホントに信用ならんな」と思うことは今までの人生でいくつもあった。


そしてどうやら過酷なことをしている人にとっては、こんなものではないレベルの幻覚や幻聴は当たり前らしい。

過去に読んだ『激走! 日本アルプス大縦断 密着、トランスジャパンアルプスレース 富山~静岡415km』なんてもう、幻覚と幻聴のオンパレードである。

(寝ないで異常な距離をろくに補給せずに走るから…)

なお、この本の筆者も仁王立ちする金色の骸骨に睨まれる幻覚を見ている。

そして千日回峰行の話があとがきに出てくるが、やはり過去の人々が得た神秘体験の中には、過酷な肉体酷使による幻覚体験があったのかもしれない。

やはり脳はバグるのだ。信用ならない。



そしてあの非常に学びがあるコテンラジオで現在やっているのがジャンヌ・ダルク回なのだが、そのジャンヌ・ダルクの話もこの本の中で出てきたりする。

どうやらジャンヌ・ダルクは、側頭葉てんかんによる幻覚や幻聴による神秘体験&高揚感があったのではないかという説があるようなのだ。


ジャンヌは敬虔なキリスト教信者だったが、側頭葉てんかんによる神秘体験は現代の無宗教者ですら宗教者に変えるくらいのインパクトがあるという。

そりゃもう戦場に意気揚々と突撃するのもわかるというものだ。

そして原因が側頭葉てんかんだろうと、その人にとってはその神秘体験は明確に自分の身に起こった事実なのだ。

(ドストエフスキーも同じく側頭葉てんかんによる神秘体験をしていたようで、「神に触れた。中に入ってきた」と言っている)


こういう人が仮に1000人に1人でも存在したとして、そこにホモ・サピエンスの幻想を信じる能力やらなんやらが合わさったことで、この世の中に人類が繁栄することになったのかも……?

そんな妄想をしてしまう自分がいるのだった。



そんなわけで、ヒカキンのアレが反復視だったかはともかく、なんだかこうやってそれぞれのコンテンツが頭の中でつながると、相変わらず気持ちがいい。

やはり雑多な知識はいっぱい入れておくに限るのだ。

これからもどんどん頭に追加していこう。


いやまあ大半は忘れるわけだが、
なんかもうそれはしょうがないということで……

偶然の出会いではあったが、やはり本は良いな。


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