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ポケモン映画(2017~2020)見たので感想とかまとめて振り返る

折角フリーゲーム久しぶりに公開したし連続で投稿して少しでもnoteのPV伸ばそうシリーズ第五弾(書き溜め尽きそうなので次かその次で終りと思う)


 2017年度からは劇場版ポケットモンスターは別路線に舵を切り始めます。具体的に言うと、作品の顔になるポケモンを半ば放置し、人間の物語の方を描く方にシフトした感じです(ミュウツーリメイク除く)。この変化をどう捉えるかはその人次第ですが、折角ならまとめて時系列で見たいとも思い、感想記録を残しました。



2017年度  劇場版ポケットモンスター キミにきめた!

 ポケモン映画20th記念作品、らしい。この年(2017年)から、劇場版ポケモンはテレビシリーズ(或いは現行のゲーム)とは別世界路線に舵を切り始めることになる。その一作目と考えれば、実験作とも言えるか。
 さて、どう解釈すればいいのか。

 イフ?
 メタ?
 アンチ?
 それとも雑ダイジェスト版?

 少年時代の耀きは眩しすぎる、という老人の台詞や、これまでとは明らかに別の世界線での別の仲間との出会い。極めつけは「ポケモン」がいなくなったような、灰色の世界の暗示。「もういい加減卒業しろよ」、みたいな冷や水を浴びせかける作品ではないと思うが、「子ども」から「大人」になってしまったかつての視聴者たちへ向けたメタ的なセリフがある事からも、ある種の記念作なのだろう。
虹色の勇者としてホウオウに遭う、というストーリーラインと、ポケモンマスターになるとか仲間との冒険だとか全てのポケモンと友達になるだとか、(これはアニポケ最終回、サトシ引退回(流石に見た)でも何度も言っていた気がする)大まかな目的や物語の導線がブレブレな気がして、あまり乗れなかったというのが正直なところ。
 うーんしかしあとから観てごちゃごちゃ言い出すのもなんか違う気が。
リアルタイムで見たかった。

 今回限りのオリキャラ? は謎髪型のマコトが好き。女子らしい仕草(ポッチャマ抱えるとことかエンテイを恐る恐るのぞき込むとことか)と、演技の良さが光っていたと思う。

 色々と趣深い作品だったのは間違いないが、少々内容を詰め込み過ぎでは、とは思った。

2018年度  劇場版ポケットモンスター みんなの物語

「女子高生」が出るポケモン。
 ……何気凄いことではなかろうか。ポケモンと言えば10歳かそこらの夢と希望に溢れた少年少女が活躍するのが本筋のはずで、本作は真っ向からそれに対峙してきている。(女子高生が「ポケモン初心者」というのも狡い)

 女子高生。創作物の中では宛ら「幻獣」のような描き方をされているがよく考えてみれば女子高生は他の何よりも現実的な存在だ、というか女子高生ほど現実的な存在もない。

 この前仕事帰りに(唐突な語り)JKが軽薄なテレビ番組(ひょっとしたら10年後死滅しているであろうyoutuberかも)の街頭インタビューに晒されているのを目の後ろにしてしまい、「顔か性格か?」聞かれて(絶妙に一拍置いて)「……性格」と答えていて、「ああ、JKを演ずるのも大変だなあ」とか背後のモブキャラ労働者は思った(期せずして主役の背後を通り過ぎる通行人Bになってしまった)。

ネットとかだと「女は狡い」だとか「女性であることの特権」だとか鳥沙汰される印象もあるけれど彼女らも大変というか、色々と気を遣うというか、なんかそんな草臥れた(夢のない)存在を敢えてポケモン映画に出演させてくる本作。めちゃくちゃ捻くれている。
 
 他にもどこか疲弊した感じの受ける大人たちを多数出演、というか本作はポケモンには珍しく群像劇の体裁を取っている。意識高い系シリアス群像劇ポケモンといったところ。やはり2017年度から露骨に大人向け(少なくとも小学生向けではない)に切り替えている感じがある。ターゲット層を微妙にずらしてきているというか。

 取り敢えず、ポケモンと群像劇は致命的に合わないと言うことが分かった。(ゲーム的な意味でも主人公は一人の方がいい)
 ポケモンは恐らく人生で最も長期的に触れていてリアルタイムで変遷を負い続けているコンテンツなので、本作の苛烈とも言える挑戦には胸を打たれたというか、(良くも悪くも)印象的ではあった。でもやっぱ作風が合ってない感じがするなぁ。「ポケモン」が本来目指している指向性とは焦点が大幅にぶれてしまうというか。

 ラルゴの演技だけ熟れているというか凄いなと思ったが縁者を見て流石だなと感じた。冒頭で言及したJKリサはポケモンをメタ的に定義するキャラとしては面白かったかも。

 しかし、解決すべき問題が事故にも近い自然災害というのはどうか。ゼラオラ空気だし。面白いかどうかは別として、本当にポケモンらしくない作品であったなとは思う。斬新だ。


2019年度  ミュウツーの逆襲 EVOLUTION

 不朽の名作。の3Dリメイク。幼稚園か小学低学年だかでオリジナル版は視聴済み。今となって観ていると、「なんのために生きているのか」とか思春期の青少年が考えてそうな主題や、「コピーはオリジナルを凌駕するか」といった創作ではしばしば持ち出される問題(既製のコピー製品が幅を利かせる現代ではすでに古いかもだが)をちゃんとクリアしているうえで、「いるのだからいる」、もう既に生まれてしまって「今ここにいる」との解決に落ち着くのが良い。何度も言われてるとこだがオリジナルとコピーポケが泣きながら殴り合うところは結構来るね。メッセージ性というか、当時は当然分からなかったが、反出生主義的な側面をも持ち合わせた作品だと思う。我々はこの世界の何処かで、生き続けている。技や演出が現代風になっていたのも地味に良かった。名作でありました。


 2020年度 劇場版ポケットモンスター ココ

 冒頭から異彩を放ちすぎているが、近年のポケモン映画では一番いい出来と言うか、かなり良かった。2017~から迷走期間は言った感じを受けるあるが、その不安を見事に払拭したというか、ポケモンとしてでもそうだが、一つの映画として面白かった。

 ファミリー映画というか、2017からの(ちょっと上の年齢層を意識に向けての)流れはこの作品を出したかったからなのかなと邪推したくなるほどに。長寿コンテンツは世代交代が命だからなあ。近年の作品は特に、過去からの継承をテーマにしている感じがある。人間はリレーが本当に大好きだからな。

 内容としては「親子の話」にちゃんと焦点を当てていたのが本当に良かった。人間の子(親)と異形の親(子)という取り合わせは、ちょっと『さよ朝』とか『おおかみ子ども』思い出した。時間の流れが生み出す変化のエモと言い、人間―異形のどちらとして生きるのかという選択の物語としても、かなり深みと厚みのある題材だと思うのだけど、あまり数は少ない気がする。「心配し過ぎだよ」「親はそういうものなのよ」というサトシとハナコさんの会話にも本作の「親子」テーマは凝縮されている。

 この成長を見守る親という視点に弱い……。ポケモン映画はこれが現状で最新作なわけだけれど、かなりいい映画だったんじゃないでしょうか。ファミリー映画としても。

 

 

 2017~2020の流れを整理するという意味でも、ある程度の時間を置いてから纏めて観られて良かった。2021は公開なし、2022は再上映、2023は……。来年こそパワーアップした最新作を期待したいですね。夏はポケモン!!

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