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会紙『だめライフ』第3号オンライン版(2024年2月15日発行)

はじめに

 会紙『だめライフ』は、当会の活動報告に加え「だめ」に関することを幅広く取り上げます。月刊の予定です。
 イベントで紙の新聞を配布しています。紙の新聞のPDF版は以下でダウンロードできます。いずれも内容はオンライン版と同じですが、オンライン版では紙版に掲載できなかった写真などを追加することがあります。


東外大にも反戦の波

円形回廊にガザ「停戦」プラカード翻る

CEASE FIRE(撮影:しゃるさん)

 一月十五日月曜日、東外大府中キャンパスに一枚のプラカードが掲げられた。それは円形回廊に吊り下げられていた。中央広場に向けられた面には、パレスチナの旗とCEASE FIRE(停戦)というメッセージが描かれている。そして、裏側には「パレスチナ問題」 「シオニズム」「南アフリカ 提訴」について検索するよう促すメッセージが描かれている。作者は不明だが、メッセージは明らかだ。

裏面(撮影:しゃるさん)
遠景(撮影:しゃるさん)

 ガザ紛争が始まり、イスラエルがパレスチナのガザ地区でジェノサイドを繰り返すようになると、イスラエルに抗議する直接行動が日本でも活発になった。各大学でも立看・ビラ・アジ等で停戦を訴える活動が広まっていたが、東外大では目立った活動はなかった。そんな中、白昼に掲げられたこのプラカードは、おそらく東外大初のガザ紛争に関する直接行動だ。
 その後、記者が同じ週の木曜日か金曜日に確認したときには、プラカードはすでに撤去されていた。
 いつ誰が撤去したかはわからない。また、それ以後、同様のプラカードは確認されていない。

固定部(撮影:しゃるさん)
表面(撮影:しゃるさん)

社説

 まず、ガザ反戦の口火を切った勇気ある作者に称賛を送りたい。ビラ・立看の全くない東外大で、プラカードを掲げる覚悟は計り知れない。一方、それが一週間足らずで撤去されたことは残念というほかない。「日本と世界で、人々の共生に寄与する人材、そして地球的課題に取り組むことのできる人材の養成を目指す」と謳う東外大で、パレスチナについての議論が全く盛り上がらないのは異様だ。その責任の一端は、学生の自由な意見表明を抑圧する当局にある。東外大では学生による掲示は公認団体にのみ認められており、場所も限られている。公認には、数年の手続きを踏む必要があり、学生が喫緊の課題に迅速に取り組むことは難しい。こうした規制が学生から政治的思考力表現力を奪っている。真に大学の謳う人材を育成するため、規制を撤廃しキャンパスを学生に解放すべきだ。

【寄稿】東京農工大学だめライフ愛好会

 クリスマスや年末にかけて、恋人がいないことは肩身が狭い・うだつが上がらない、という風潮がある。一人で楽しく過ごしたり、友人と楽しく過ごしたりすることが肯定的に捉えられるときでも、自虐の風味が混じることも多い。
 イベント時期のみならず普段から、恋愛はしたほうが良い、しなければいけない、という圧力は広く存在する。それはたぶん、最も親密な人間関係は恋愛である、という考え方が世の中で主流だからだろう。その考え方では、恋愛をしない人は親密な関係の人を持たない寂しい人であり、親密な関係を築くことの出来ない残念な人なのだ。
 しかし、なぜ恋愛が最も親密な人間関係とされるのだろうか。まず恋愛と友情の違いは何なのだろう。私は、一つには恋愛は友情と比べて暗黙の了解を多く含んでいることではないかと思う。例えば、恋人以外の恋愛対象となりうる人(異性など)と親しく付き合ってはいけない、クリスマス等は恋人と過ごすために他の予定を入れていてはいけない、などだ。友情の場合多くは恋愛関係ほど暗黙の了解が存在せず、破った場合の相手の失望の度合いも低い。つまり現状の恋愛関係は、最も親密な人間同士の関係においてあって欲しいと願う暗黙の了解の集合体をラベリングしたものという側面があるのだろう。また、これらは家族でも似たことが当てはまるところがあり、恋愛至上主義と同じように、家族においても家族が最も親密な人間関係であるとする血縁至上主義が存在する。
 この点によって、恋愛は高尚なものとされているのかもしれない。では、本当に暗黙の了解が存在することは褒め称えられるべきことだろうか。例えば「どこからが浮気か」の線引きは人それぞれで、正解のあることではないにもかかわらずSNSでは、恋人が自分の引いた線を超えた行動をしたことに怒るなどの事例が散見される。また、暗黙の了解は立場が強い方が弱い方におしつけがちであり、それが極端になるとDVへとつながるかもしれない。本来は親密な関係ならば猶のこと話し合いが必要なはずなのに、話し合いをしないことが良いこととされているのだ。
 暗黙の了解が限りなく少なくなったらどのような人間関係になるのだろう。〝恋愛〟は消滅して、友情だけ残るのだろうか。著者は二か月ほど考えたが結論は出なかった。ただ、それは今より自由で居心地がよく、より互いに理解し合える関係性なのではないかと思った。

文芸

短歌

結果

匿人

あめつちのふるえたちぬる霜柱通学路まだ児なくしづけし

たつためのちからなくみなみちにふせれば数十年ぶりのゼネスト

きのう夜ぼくがつまんだごはんつぶはじつはジャックの豆だった朝

海岸へおいつめられた鬼たちへ自警団の子らふりかぶる

ハンバーガーを売るピエロの背の飛行機雲もえる西へたなびく

【全78団体一覧】ひろがるだめライフの輪

【東北】

【関東】

【中部】

【近畿】

【中国】

【四国】

【九州】

【沖縄】

【全国】

【海外】

【その他】

活動予定

 月一回のペースで茶話会・月見・花見等をします。またイベントにあわせて、お読みの『だめライフ』紙も配します。
 学部生、院生、教員、職員、学外者、誰でも歓迎。
 次のイベントは三月中旬ごろを予定しています。
 最新情報は@tufsdamelife2(X・Twitter)をご確認ください。

寄稿募集

 『だめライフ』への寄稿を募集します。論考・エッセイ・詩・小
説なんでも構いません。学外の方、社会人の方も大歓迎です。
 内容:「だめライフ」に関することならなんでも。
 書式:タイトル・ペンネーム(必要に応じて所属)を添えて、本文千字以内。
 締切:第4号は三月九日(土)まで。
 宛先:tufs.damelife2@gmail.comまたはX・Twitter DMまで。

note開設

 ウェブサイト「note」を始めました。イベント告知や、お読みの『だめライフ』オンライン版を掲載する予定です。オンライン版の内容は紙版と変わりません。すでにバックナンバーの第1号、第2号を掲載しています。ぜひご覧ください。


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