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会紙『だめライフ』第4号オンライン版(2024年3月16日発行)

はじめに

 会紙『だめライフ』は、当会の活動報告に加え「だめ」に関することを幅広く取り上げます。月刊の予定です。
 イベントで紙の新聞を配布しています。紙の新聞のPDF版は以下でダウンロードできます。いずれも内容はオンライン版と同じですが、オンライン版では紙版に掲載できなかった写真などを追加することがあります。


東外大だめライフ愛好会について

 二〇二三年設立「だめがだめでいられる場所」を目指して、読書会・イベントを開催しています。「だめ」はほんとうに「だめ」なのか? 様々な分野から人生の可能性を考えます。イベントでは「だめライフ」の実践・学際的交流を行っています。

2月15日ブックカフェ報告

 二月十五日、東外大府中キャンパスで「ブックカフェ」を開催した。各自が本を持ち寄り交流した。東京農工大学だめライフ愛好会の方や、社会人の方にもご参加いただき、多様性のある会になった。ここからは、会の内容について記者の所感を交えて報告する。

つげ義春『貧困旅行記』(以下紹介された本)

 つげ義春『貧困旅行記』から、つげの生き方とだめライフの共通点を考えた。つげは熱狂的なファンを持つ漫画家である。彼は寡作で、あまり裕福でもなかったが、度々のリバイバルで食いつなぐことができた。それ故、あくせく働く必要もなかったそうだ。確かに、彼の「貧困旅行」はだめライフの一つの理想像かもしれない。しかし、それは彼のカリスマ的技能によって成り立っている。技能はいずれ衰えるかもしれないし、誰しもがそれを持っているわけでもない。つまり、競争社会における優れた技能を前提とした「だめライフ」は、持続的でも普遍的でもないという問題がある。

豊田正義『オトコが「男らしさ」を棄てるとき』・エーリッヒ・フロム『自由からの逃走』・江國香織『思いわずらうことなく愉しく生きよ』

 豊田正義『オトコが「男らしさ」を棄てるとき』から、メンズ・リブの話になった。メンズ・リブとは男性が、地位や権利、利益を追求する「男らしさ」からの解放を求める運動である。その思想は、だめライフとかなり通じ合うところがある。「男らしさ」は競争社会で勝利しようとするが、だめライフは競争に背を向けるからだ。「男らしさ」が排除するのは競争に勝てない男性だけではない。女性や障がい者もそうだ。つまり、男性中心のヒエラルキーがそれ以外のすべてを従属に追いやっているのだ。したがって、メンズ・リブは己の差別意識を乗り越え、女性や障がい者と連帯しなければならない。ヒエラルキーは社会全体の問題であり、男性だけでは解決できないからだ。
 報告は以上である。他にも仏教とだめライフの関係など様々な話題が出た。今後も大学を超えた交流を続けていきたい。

毒蝮三太夫『70歳からの人生相談』
エマミ・シュン・サラミ『イラン人は面白すぎる!』

パレスチナ解放をもとめる――正門前にステッカー

多磨駅側出入口にて

 二月十五日、東外大多磨駅側の「お願い」看板に画像のステッカーが貼られているのを当会の記者が発見した。
 本紙第3号で報じた通り、一月十五日に円形広場にガザ停戦を求めるプラカードが掲示され、東外大初のパレスチナ反戦行動となった。プラカードは当週には撤去されたが、再びイスラエルのジェノサイドに反対する強い意志が示された形だ。
 ステッカーには「free palestine」のメッセージと共に、頬にパレスチナ旗を描いた人物が描かれている。
 作者は不明である。しかし、抗議は東外大でも確実に広まっている。

文芸

短歌

『あした』

匿人

うちにもゆる木魂をほほえみにして決起計画たてるすずめら

ブルースを再生したり晴れの間は明日の予定も決めたくはない

乗り遅れた者には乗り遅れた者の矜持あればバス停を去る

遮断機にふりそそぐまだあおい木の葉おれは何者でもないのだ

抱かれなくたっていいと宣言たちどころに塀も扉もこわす

活動予定

 月一回のペースで読書会・茶話会・花見等をします。またイベントにあわせて、お読みの『だめライフ』紙も配布します。
 学部生、院生、教員、職員、学外者、誰でも歓迎。
 次のイベントは四月中旬ごろを予定しています。
 最新情報は@tufsdamelife2(X・Twitter)をご確認ください。

寄稿募集

 『だめライフ』への寄稿を募集します。論考・エッセイ・詩・小説なんでも構いません。学外の方、社会人の方も大歓迎です。
 内容:「だめライフ」に関することならなんでも。
 書式:タイトル・ペンネーム(必要に応じて所属)を添えて、本文千字以内。
 締切:第5号は四月十三日(土)まで。
 宛先:tufs.damelife2@gmail.comまたはX・Twitter DMまで。

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