買って良かった戸建てのマイホーム、○活のサイクルから解脱しよう
かつてブッダを始め、多くの聖賢が取り組んだテーマ、輪廻転生。このテーマについて、分析を行いたい。まず、人生の連鎖における不毛のサイクルは、現代において、「就活」を起点に話をするとわかりやすいだろう。
「就活」
あなたは大学までで学んだ何かを全てリセットし、そして企業戦士となるべく「第一希望」の御社を回り続ける。
念願かなって第一希望のどこかに就職を果たしたあなたは、次に少しでも望んでいるキャリアに近づけるように、人事異動の希望を出して配属先を勝ち取るバトルが待っている。キーワードとして言語化されているわけではないが、「配活」とでも言おう。
望んだ配属先、異動
あなたはこれまた「第一希望」と人事部が考えた配属先でキャリア積むこととなった。多少なりとも不本意だったかもしれないが、「第一希望」に配属されたと記憶を少し上書きすれば、それも必要な苦労の一つだったと考えられるだろう。
転職で就活のリセットを試みるのも、一つの手段だ
その果てに、何かしらのキャリアと収入を手にしたら、次は婚活が待っている。あなたが男性であれば、今までの戦績次第でこの問題は容易にク リアーできるかもしれないが、女性であれば全てがリセットされる。また、キャリアに投入した年数が、逆に減点要素として反映される事実は、否応がなくその脱落者をフェミニズムへと向かわせる。
めでたく、あなたは親族友人に祝福され、結婚式を挙げた
人によっては次に妊活が待っている。そして次の世代を迎えたわたしたちに、苦心して手にしたキャリアを守り抜く第一関門、「保活」の戦いの火蓋が切って落とされる。
ここまでの戦いを、激しくリセットさせる「転勤辞令」は、今やハイキャリア・エリートの集うTwitter世界における、不幸の手紙と同一のものと見られるようになった。
そして、次のサイクルが始まる
ここから先は、あなたが親となり、子を育てる必要がある。習い事や塾にいくら入れたところで、ぼさーっとしたはずれポケモンは、口から炎を出すことはおろか、何の必殺技も持ち合わせていないかもしれない。こういうのを、子ガチャ失敗と呼ぶらしい。
「お受験」のステージは、小学生、あるいは中学生から、大学進学まで長期戦である
そして、12年以上にわたる長期戦を戦わせたものの、ポケモンマスターには遠く手が届かなかった親を持つ子は、シビアに大学ランキングを突きつけられ、18歳の人間としてスタートする。これをホワイトカラーの輪廻が一巡したと言えるだろう。
その過程で、わたしたちは家を買う必要がある。うまくこの輪廻のn順目を回しているあなたが選ぶのは、そう、タワーマンションだ。
居住する機能もさることながら、その立地、階数、床面積と、全てが数値化できる競争要素として存在する。あなたが医師など高い所得を安定的に得られる立場であるなら、このスペックは限界まで攻めるべきであり、攻めたからにはマウントを放つことで元を取るべきだ。そう、タワマンは、聳え立つマウンターとして機能する。
このサイクルを回すことが、楽しくてたまらない人間も、世の中にはいるだろう。素晴らしいことだ。是非タワーマンションの高層階の写真を、インスタグラムにあげていただきたい。願わくばその写真が「パパ活」の果ての陽炎で無いことを。
不毛の大地をコンクリートで敷き詰める○活、その果てに人間は何を得るのか?
つい最近まで、楽しいことは、○活として言及されることは無かった。複雑な手続きなしに、公立の小学校に入れるのと同様に保育園に入れることができれば、保活という言葉は発生しない、就活から、婚活を経て終活に至るまで、決して当事者が楽しめないが、必要と考えられる所業を○活として言及していたのだ。
しかし、時代は変わった、○活にはポジティブな意味が付されるようになりつつある。これは輪廻転生からの解脱への一歩と言えるだろう。
「サ活(サウナに入ること)」について
これは、輪廻転生の各ステップの成果に、恐らく何のポジティブな影響ももたらさない故に、真に有意義な活動である。当世流にいえば「精神がととのう」ことで「生産性が向上する」かもしれない。
恐らく、「非○活」な時間を確保出来れば、何にせよそれは生産性を向上させるであろう。なんと言っても元は不毛の荒野であり、何を植えてもプラスにしかならないのだ。
戸建てとは、不毛の輪廻を回す面々から、少し離れたところに住むことができる、輝かしい手段である。規約?管理組合?修繕管理費の値上げ?そのような戯言は、我が城には存在しない。毎月3万4万という駐車場?そんな物は必要ない、家の扉を開けば、そこには私の車が置いてある。
屋上には、ハンモック、サウナテントも設置しよう。意識と居住高度の高い彼らは、眺めた先の高層ビルにだけ存在する絵となった。買って良かったモノ、それはタワマン民から遠い住宅地に買った、わが自宅である。
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