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どうしても仕事が欲しくて欲しくてジタバタしていた物書きの営業法②

こちらは続き物の記事です。
前回投稿分をご覧いただいていない方は、下記よりお読みいただけると内容の繋がりが分かりやすいと思います。

こんにちは、千賀つづらです。
現在は専業の物書きをしており、同人小説や商業小説、時にはシナリオなどを書いています。

今回は、前回お話した通りポートフォリオを作って営業をする時のコツについてお話しできればと思います。


自分がやりたいジャンルを今一度明確にする

既に前回の記事で、ポートフォリオの作成まではお話をしたかと思います。
それを携えていざ営業!といきたいのですが、ちょっとここで立ち止まってみてください。

もう一度「自分はどんなお仕事がしたいんだ」と自問自答します。

というのも、あちこちに営業をかけようと思っている段階では「うおおお!自分なんでもできます!言われたことなんでも書くッス!」と思っているんですが、往々にして現実は非情なものです。

いざお仕事をもらった後で「思ってたんと違う……」となっても後の祭りですし、そこで中途にお仕事を断ったり、最悪連絡せずに連絡を絶つ(飛ぶ、とか言いますよね)というようなことをしていると、自分の信用に瑕がつきます。

個人事業主というのはその手の信用が何より大事、会社みたいに守ってくれる存在はありませんので、その辺りは誠実でなければならないのです。

それに、いくら自分で申し出た仕事とはいえ、苦手なジャンルをずっと書いているというのは非常に苦痛を伴うものです。
せっかくやるなら楽しく仕事をしたいですよね。その方がクライアントにとっても自分にとっても幸せなことなので、まずはしっかりジャンル選定をしましょう。

例えば
・エロ重視のTL音声シナリオ
・物語性重視のBL小説
・全年齢Webtoonの脚本
・ゆっくり系雑学動画のシナリオ

などは本当に求められる能力ががっつり変わってくるので、手あたり次第というよりは「どこでなら自分は楽しく仕事ができ、パフォーマンスを発揮できるのか」を考えましょう。

そもそもクライアントは今営業を受け付けているのか

やりたいジャンルは決まった!いざ突撃!
……とやりたい気持ちはよくわかります。しかし待ってください。あと少しだけですから。

そもそもの話、出版社さんなどでは「持ち込みは受け付けてないから、新人賞に出してね!」というところも少なくはありません。
そういうところに営業をかけるのはマナー違反。
有名なところだと京極夏彦先生が持ち込みでデビューされた逸話をお持ちですが、アレは神々の伝説とか伝承だとか思った方がいいです。

持ち込み営業の可否が明記されていないとかならまだ営業を受け付けてくれる可能性はあるので(実際それでお仕事頂いたことがあります)、必要以上に尻込みする必要はありませんが、最低限のマナーは守りましょう。

いざ営業~出版社編

さぁ、ここまで来たら営業のお時間です。

まずは小説の営業についてですが、これは原稿募集をしている各レーベルさんで決まったフォーマットがあるので、それを出しましょう。
恐らく「サンプルの原稿を提出してください」と書いてあるところが多いかと思いますので、必要事項をしっかりと埋め、原稿を添付します。

メールなどで営業を行う時は、しっかりとビジネスメールの体裁を整えましょう。
あくまで私たちは作家・ライターとしての自分を売り込みに行くので、相手(出版社なりレーベル)はお仕事相手なわけです。
担当さんと仲良くなるということは往々にしてあるとは思いますが、この段階ではしっかりと、仕事としてのメールを送ってください。

ビジネスメールの書き方は探せばたくさんあるので、ここでは省略させていただきます。
※「フリーランス ビジネスメール」とかで探すと色々出てくるので、それを参考にするといいかもしれません。

いざ営業~クラウドソーシング編

さて、出版社編はサクッと終わりましたが、次はがっつりいきます。
使う方も多いであろう、クラウドソーシング系のサイトでの営業方法です。
フォーマットが結構決まっている小説の営業とは異なり、こうしたサイトは自分で一から提案文を作らなければなりません。

他のライターさんが書いているように「未経験ですが」とか「初心者ですが」という一文は絶対に要らないので削除してください
経験談ですが、この一文を載せた営業が成功した試しがありません。

相手が求めているのは、あくまで文章のプロです。
未経験とか初心者はそれだけで不安な要素になってしまうので、全部消してください。
不安な点(脚本のフォーマットは統一されているかなど)は契約を結んでからしっかりと聞いておけば問題がないので、とにかく胸を張って応募してください。

さて、次に提案の詳細な手順です。
提案文の本文はくどくどと必要のない情報を書かず、端的に記載します。
クライアントの採用担当者も暇ではないので、できるだけ情報はぎゅっと凝縮した方がいいです。

①まずは自分が何者かを伝える
営業をするうえで名乗りは不可欠です。
例えば私は
同人サークル『つづら亭』でというとして活動しており、
千賀つづら名義で女性向け作品でシナリオ(小説)執筆経験があります
と名乗ります

②実績を掲載する
名乗りが終わったら、次はさっさと実績公開です。
今までこういう作品を作ってきました。
なのでこちらの案件でシナリオ(小説)のお手伝いができるかと思い、
ご連絡しました

と記載し、代表作1本か2本くらいのページリンク、またはポートフォリオサイトのURLを添付します。
DLsiteの作品ページなんかでもいいですね。

③こういうことができます、と追撃
更に、自分の得意なジャンルについてもしっかり記載します。
勿論ここは、クライアントの意向に沿うものを提案してください。
・後輩系ヤンデレを書くのが得意です
・普段健気な受けばかり書いているので、切ないお話が得意です
・オホ声作品を担当したことがあり、この分野では自信があります

などなど……
あまり長すぎない自己PRだと思っていただければと思います。

他にクライアントの方で指定されたものがなければ、これくらいで提案を行っていいと思います。
前述しましたが、クライアント側も多忙ですのであんまり長々とした文章は読まれにくいです。

また、これは以前発注者側で思ったことなのですが、やっぱり早めに提案を行ってくれる人は目につきやすいです。
瞬発力があると連絡もスピーディかなぁと考えたりもするので、「これは!」と思った案件があったら、勇猛果敢にチャレンジしてみましょう。

それでもうまくいかない時は

メンタル凹む~~~!!!
……となりますが、あんまり落ち込まないようにして切り替えましょう。
確かに営業ダメなときはすごい凹むんですが、その間に次の手を考えたり作品を作ったりした方が絶対有意義です。

制作の忙しさにかまけて、仕事が増えなかった悲しみを忘れるというのも一つの手ですし、逆に「ふんっ!今に見てろ~~!!」と奮起するのも大いにアリだと思います。
むしろそういうマイナスのパワーはすごく強いので、自分の推進力とした方が絶対に得です。
(たまに聞くのが匿名での同業者さんへの嫌がらせとかですが、割と狭い業界で話ですぐに広まりますのでマジで絶対にやめた方がいいです)

そもそも文章でお仕事をしようと思ったら常に手を動かし続けなければならないわけですから、ダメだったら縁がなかったな~で終わらせるのがいいでしょう。

出版社さんとか相手だとヒット作のタイミング(現代TLが売れたから書ける作家が欲しいな~とか、逆に飽和してるからファンタジー強い人がいいな~とか)があったりするので、めげずに再チャレンジしたり、営業に使った作品を投稿サイトに投稿してみるのも手だと思います。

そこからコミカライズの依頼が来たとか、別の出版社さんからお声がけがあったということも聞きますので、打てる手はどんどん打っていきましょう。

さいごに

今は割とバリバリ営業するタイプの物書きさんが多いんじゃないかな~と思っている今日この頃なのですが、自分も含めて「営業ってさァ…必要だよね、勇気!」と思っている人も多いのではないかと思い、この記事を書きました。

ポートフォリオ作れだの作品は完成させろだの、再びのパワースタイルとなってはしまいましたし、正直実用的かと言われると甚だ疑問ではあるのですが、誰かの一助になれば幸いです。

それでは、今回も長くなってしまいましたが、読んでいただき本当にありがとうございました。

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