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カバンのこと(1)嗅覚を信じて飛び付く

いま出張に持ち出しているMAMMUTの3-Wayバッグは、Hush Puppyの幻影(ファントム)だ。

表現だけ盛ってみたが、何ということはない。
2015年ころにシンガポールはVivo Cityで通りすがりに買ったHush Puppyのカバンを気に入ってヘビロテしていたが2016年の晩秋、アメリカに向かう最中に成田空港で疲労の限界を越えてブチ壊れ、それ以降そのカバンに似たものを探し続けていた、と言いたかった。

ここのところ私は海外旅行イコール断捨離の好機と認識している。それでも、主力のカバンが使用中に壊れ(何しろ閉めたチャックが真ん中から開いてしまって、カバンが予告なく盛大に真っ二つになるのだ)、しかもその旅の目的地ラスベガスでノベルティとして巨大だがなかなか素敵なリュックサックがもらえた状況でも、そのHush Puppyのカバンをその場で捨てて乗り換えることは躊躇われた。そのくらい気に入っていたのだ。

よくよく下調べをして買ったわけでもなかった。当時は、運動量を増やすために家までそこそこの距離を歩いて帰るようにしていて、しかし雨の多いシンガポールのこと、ナイロン製のリュックサックでビジネスユースの手頃なものを探していて、本当にバッタリ出会ってサッと買ったものだ。ふだんこの手の買い物はそこそこ時間をかけて悩む私にしては珍しい。

買ったあとで、その使い勝手の良さが期待を大きく上回るという嬉しい誤算が続き、黒ベースなのにファスナーのヒモが赤いのはどうかナー、などと思っていたのも何処へやら、すっかり惚れ込んでしまった。

まず3-Way。これは購入時からわかっていた。リュックサックの肩紐を使わない時はきれいに収納できること。これは見落としがちだが重要な点だ。トランクのハンドルに通して固定できること。一度これに慣れるとそれ以外は認められなくなる。ラップトップやiPadが収納しやすいこと。最近では概ね標準機能とはいえ大事なことだ。外からアクセスできる小さい収納があること。空港の手荷物検査でポケットの中身を退避させるときに大変役立つ。

ここまでの機能は、今選んだMAMMUTの購入の決め手になったものでもある。いずれも無視できない、むしろ自分で購入するなら規定演技科目といえる。

今なら言葉にできる。Hush Puppyのカバンがそんなに良かった理由。それは、リュックサックモードで左肩にかけて右手でカバンを開けられること。この点だったのだ。(つづく)

#エッセイ #カバン #鞄 #海外旅行 #好きなもの

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