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カバンのこと(2)逆勝手のカバン

(承前)リュックサックを左肩でかけて右手で開けられること。この点を高く評価するのには理由がある。私は右利きだ。そして私は野球部だった。そのためだ。

どういう理由でかわからないが、野球部にいると、利き手でない方の腕でカバンを持つように指導される。試合で酷使する側の方に負担をかけないように、という謂れだったが、私はあまり間に受けていない。卓球部とかテニス部とか、より利き手偏重のスポーツでもそんなことは言わないようだからだ。
本当に野球だけか、きちんと調べたわけではない。ただ、名探偵コナンで犯人の特定に使われる程度には「野球部だけ」なのだから、まあ証拠十分と言えるのではないか。少なくとも独りよがりではない。異論は認める。

そしてこれ、探すとないのだ。そういうカバンが。私はたまたま通りすがりに砂の中のダイヤモンドを拾ってしまったので、探せばまた同様のカバンに巡り会えるとばかり思っていた。ところが探しても探しても、見つかるのは逆勝手の(というか、多くの右利きの人にとって自然なつくりの)カバンばかり。店舗で「逆勝手の、野球部だったもので」的なことを力説してもまあ大体ダメだ。そりゃそうだ、そんなマーケティングをしているとも思えない。

第一、3-Wayバッグなんだからそれが嫌ならショルダーで使えばいいだけのことではないか。ああ、目に見える。これをTwitterに書いたりしたらぜったいそういうFF外から失礼が来る。いや、そんなことすら言わずに横槍を刺されるかもしれない。いや、そもそもFF外って何だ、気になったら突っつきにいったらええやんけ鍵付きでもあるまいし。いや、そういうことを言い始めたら一気にインターネット老人会の仲間入りだ。話が逸れた。

しかしだ。今回のMAMMUTは防水である。そう、防水。もうこれで逆勝手の件は帳消しだ。だって防水ですよ?
ま、よく見ると3つあるファスナーのうち1つだけ防水でなくて、これがどこからどう見ても一番外側の、一番雨がかりになりそうなところのファスナーで、メーカーに説明を求めたいくらい納得いってないが、まあ良かろう。全体としては満足なのだ。(つづく)

#エッセイ #カバン #鞄 #海外旅行 #好きなもの

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