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田舎暮らししたことない問題から考える、移住(引っ越し)先の地域特性と個人属性。(2/3)

今回は3部作のうち2作目。
前回、都会のど真ん中から郊外へ引っ越した話を書いた。

簡単にいうと、家を広くしたい!に焦点を絞りすぎてその他のことをあまり考慮できていなかった。考えもなしに街の名前だけで引っ越したために今まで当たり前にやっていたことができなくなったりした。
もちろん嬉しい誤算もあったし、住めば都と言ってしまえばそれまでなのだが、我々にとっては住むべきタイミング、ライフステージが違ったと思う。
今回はその街から、また都会のど真ん中に戻ってくる時の引っ越しについて書く。
田舎に引っ越すのはこの後です。

2回目の引っ越し(郊外⇨都会のど真ん中)

前の街に住んでいた時、通勤の為、異常に混んでいる電車に乗っていた。他人と朝から密着して心を無にして時間を過ごす。朝の始まりがソレってどうかしてるぜ!ってその時は考えもしなかった。
テレワークなんて2021年の現在ほど流行っていなかった当時は、そうやって通勤するのが都会の当たり前だった。混んでる中での自分のベスポジみたいなのを編み出していたし、なんなら身動き取れなくたって思考は自由だぜ、なんて思い込んでいた。
ただ、その時モーレツに引っ越したかった私にとっては、かなりいい理由が見つかったとほくそ笑んでいた。通勤時間が長い。時間が無駄。夫婦分の往復時間を1年分累積したらどうなるよ?と理詰めで次の引っ越しの合理性を説いた。
前回の失敗を踏まえて、今回はその地に引っ越した後の理想の生活における優先順位を提案した。つまり今回の引越しの主導権は私

🍎住職近接
🍎交通の便がいいところ(車いらない)
🍎美味しいお店や素敵なカフェ、ワクワクする施設が近くにあること

夫はその時の家をとっても気に入っていたので、説得に半年ほどかかったがまた都会の中心に戻ってきた。前に住んでいた場所とは少し趣向の違う街で、都会のど真ん中にあるもののうまい具合に植樹されており、四季も感じる。
また歴史ある街なので、神社や昔ながらのお店も残っていたり、希少な銭湯も残っていた(2021年現在は無くなってしまったようです)。マンションの真裏に大きな公園もあって、散歩好きな我々夫婦の余暇の時間も充実させてくれるようなロケーションだ。
もちろん会社には徒歩でも行ける範囲内。雨で電車使いたかったら徒歩5分の最寄り駅を利用。ちなみにその駅に行くまでに主要コンビニが3軒。
大きなターミナル駅までも徒歩10分ほどだったのでどこへいくにもアクセスしやすい。なんならそこから空港までのバスも出ているので日本全国にアクセスが良くなったと言ってもいいだろう。

時間はお金で買うという価値観

快適を絵に書いたらこんな生活になるだろう、という感じの生活になった。実証実験を兼ねた面白い店舗が近くにどんどんできては、入れ替わり。話題のスポットにはすぐ行けたし、ドラマや雑誌で見る素敵な街並みがすぐ近所だったり、有名人が撮影しているところに鉢合わせたことは一度や二度ではない。ミーハーではないつもりだが、都会ならではの非日常が日々あった。
また、有名レストランの宅配サービスをはじめとして、あらゆる便利なサービスが使える地域だった。ランドリーを回収して洗って畳んで配達してくれるサービスもあった。
ただ、家賃は高かった。その分家は狭くなった。最も我々夫婦はほとんど寝に帰るだけだったのでさして気にはならなかった。前の家のようにみんなで集まるなどの楽しみは減ったけど、どこに行くにも20分程度で行ける。便利さが家賃に跳ね返っていたのだろう。
時間は買うもの、という価値観が当たり前にあった街とも言える。ヨガだって仕事後でも受けられるレッスンはたくさん選べたし、ふらりと粋な小料理屋さんに入り、少しだけ呑んで、夜風にあたりながらネオンを遠目に散歩して帰宅する、なんてことができた。仕事に精を出していると思われる男子も女子も街ではよく見かけた。少ないが子供も少しはいたように思う。あの街は忙しい人が束の間の余暇の時間を充実させるための街なのかもしれなかった。あらゆることはお金で解決できる街だった。いわゆるパワーカップルであった私たちのような人向けの街であった。自分に矢印が向いているうちは良かった。

消費し続けることがその街に住む価値

都心ハウス1で一人暮らしをしていた時にも感じていたが、とにかく消費してなんぼの街であった。都会のど真ん中で、住職近接のお家は仕事前後の時間が充実させられる街だった。ヨガスタジオは早朝・夜遅くがメインで、人気のレッスンが揃っていた。確かに前の街のそれより割高ではあった。でも仕事以外の時間でやりたいことはやれたし、思う通りの過ごし方ができていた。あの街に引っ越して、失って初めて気づくそのありがたみ。また引っ越したことで、また自分のルーチンが戻ってきて、その価値に気づくことができた。宇宙に出てようやく酸素のありがたみを知り、帰還しさらに地球を愛するみたいな?しかし、便利なものに囲まれて、無自覚に、考えなしに、その街の恩恵を消費することで生活を満たしていた。消費するために働き、働くために消費する。なんだか小さなひっかかりができたのはその時だったかもしれない。サービスを使い倒さないのであれば、その街にある楽しいものを消費しないのであれば、その街に住んで高い家賃を払う意味はどこにあるのか。

かわゆいかわゆい第一子が生まれたことで、我々夫婦のライフスタイルは激変していくのです。

つづく🍎

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