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田舎暮らししたことない問題から考える、移住(引っ越し)先の地域特性と個人属性。 (1/3)

田舎暮らししたことない問題。
今日は3部作のうちの第一部をお届けします。

とにかく夫が移住にノリノリだったので、なんとなく私はリスクを考える側に回らないといけないのでは?と思っていた。いや、本当にノリノリで普段の仏っぷり(態度が仏というよりは無表情さが菩薩チック)からは想像できない饒舌さで移住後の生活がいかに我々家族にとって必要なことかを語りまくっていた。そんなに行ってみたいなら、一回行ってみよか、と口を滑らせそうになったことは一度や二度ではない。
聞いてみれば、結婚するずっと前から田舎での子育て、自然に囲まれた生活について明確なビジョンを持っていたというから、結婚したからといって彼のことなんでも知っているわけじゃないんだなあと改めて思った。
移住にノリノリの彼の特性について改めて考えてみたら、渋滞嫌い、人混み避けたい、高所恐怖症、お酒弱い、、都会で暮らす意味ほとんどない夫にとっては当然な選択かも・・と思い始めた。
今までの夫婦で決断してきた引っ越しを振り返りながら、田舎暮らしという漠然としたイメージをクリアにしていくため、自分が考えてきたこと感じてみたことを書いてみる。移住に限らず、住環境を変化させるときに考えておきたい地域特性と個人属性について、何を感じて、何が決め手となったのか、どのように決断してきたのか誰かの考えるヒントになったら良いな、と思い書いてみる。

夫婦で最初の引っ越し

社会人になってから、都会の中心にあった狭小マンションの一室(都心ハウス1)に転がり込んできて、あまりに狭い為、郊外へ引っ越し。私のX年にわたる一人暮らし終了。この時の主導権は夫
郊外のその場所も、生まれ育った地方都市に比べたらずっと都会に感じたし、都会好きな私としても許容範囲な街。引越しの理由はほぼソレ。”狭いのをなんとかしたい"以外に何も考えていなかった。
しかも土地勘もほとんどないので、聞いたことある街だったいいや、程度だった。子育てするつもりもなかったし、仕事以外に絶対やりたいことなどはないつもりだった。軽く通勤経路も調べたが、乗り換えないな、くらいの認識しかなかった。それよりも家の広さを重視した
しかし引っ越してみたら、なんとなく街の様子があまり好きになれなかった。郊外ににこそあるが有名なパティシエやレストラン、知る人ぞ知る系の場所が街のあちこちに隠れており散歩するたびに何か見つける。
楽しい。ヨガスタジオ、洒落たものが手に入る高級スーパーと普段使いのスーパーが使い分けできる感じで、、、オフィスビルなどは少ないものの引っ越し前の狭小マンションと条件的にはあまり変わらないように見えた。街にはなんでもあるし、要件は揃っていた
なんだけど、住み始めるとなんというか、その街に住む多くの人と属性が合わない気がしていた。

また駅前は当時都市計画上の用途制限地域であった為、住宅はほぼなく店舗のみとなっていた。平日遅く帰ってくると、電気の消えた店舗が並ぶ美しい街並みをみながら10分以上歩いて帰宅することとなる。
夜の散歩の時には、あーいつかここ行ってみたいな、昼間は賑わっているんだろうなあ、素敵やなあ、とお店の看板を穴が開くほど見つめたものだ。

時間のゆとりがあってこその街

そう。ここは土日に遊びに来る街。そして平日昼間に時間がある人たちの街であった。街の人と思しき親子連れは揃って平日夕方までにお出かけを終える。(目についてただけかもしれないが、親子といえばファッション雑誌から飛び出してきたようなママとお上品なお子様が標準だったように見えた。
パパはイケてる会社に勤めているエリートサラリーマン風)仕事に平日のほぼ全てを捧げているような若い女子はあまり見かけなかった。
仕事を終えて自分の街に帰宅するとほとんどのお店は閉店後。前に住んでた街で習慣となっていた、"夜ヨガ後にカフェで読書する"場所はかなり限られた。店舗はあるのに利用できない。引越し前にヨガスタジオの開店時間まで調べなかった自分を悔いた。
呼吸するようにスタジオに通っていたので、それが私の人生にとって大切な習慣であることに気づいていなかったし、まさか夜のレッスンがないなんて思いもしなかった。平日行けないので、土日に行こうと思ったら観光客で混んでいて入れない。長蛇の列に一緒に並んでくれるような夫ではないし、一人で何時間も待って入ってまで行くモチベーションはない。
ここの街に住んでいる意味とは。
ちなみに有給休暇をとって平日に自分の街でゆっくり過ごしてみたら、土日よりはマシではあるが混んでいた。時間がある人っているんだ・・・完全なる被害妄想だがハブられてる感じがした。この街の恩恵に全くあずかれていないではないか・・・この街にはこの街の楽しみ方があるのだ。
とはいえ、遊びに来るには素敵な街だし、選んだ賃貸の家はリビングが広い作りになっていたし、4駅ほど徒歩圏内で利用できる駅があったため友人に来てもらいやすく土日は家でゆっくりみんなで過ごすのが通例となった。
ひたすらに海外ドラマをぶっ続けで見続けたり、年越しパーティーをして除夜の鐘を聞いて初詣をしたり。地元の友達が遠くから来ても泊まってもらえるくらいの広さがあったので、今思えば最後の青春時代を過ごしたような気もする。

社会人になって最初に住んだ街でのライフスタイルが自分のスタンダードになっていたが、その街でどんな生活をしたいのか具体的に考えることはまず自分の生活スタイルを知ること。あんまり考えなく引っ越したのでよかった驚きもあったが、失ったものもあった。割と大事だったものも。
ただただいろんな街に住んでみたいということでなければ、変えたいこと、変えたくないことを整理してから引っ越し先を検討することをおすすめしたい。もっとも、私がそうすればよかった、っていうだけの話だが。

次の引っ越しに向けて

以上、街の魅力を堪能できないことにより引越しを検討することになった。この街に住んだ3年強楽しかったけど、当時の自分のライフスタイルでは十分に街の魅力を味わい尽くせなかった
個人属性の話でいうと、家族がほとんど。一人暮らし、DINKSはかなり少数派に感じた。少数派であることが悪いことではないのだけど、選べる選択肢が少なかったり、行政のサービス対象から外れている場合が多いと感じる。
また家族連れが多い割には、保育園が少ないなあと思った。専業主婦が多いの?行政の怠慢?
散歩で見かける人々や立ち並ぶ豪邸を見ていると、"家族としての幸せ"、”子供を産んでこそ”, "子供の成長に寄り添ってこそ", "(それなり以上の稼ぎのある夫を持つ)妻としての幸せ"みたいなソーシャルプレッシャーを街から勝手に感じ取っていた私は引っ越しの理由を探すようになった。

つづく🍎

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