「食べる場所の空間論」を聞きに行ってきた
マサちゃん(母)が店で一匹400円の秋刀魚を食べるとき、家ではアチくん(父)が3尾425円から25%値引きされた秋刀魚を食べていたという事実はなかなかアチくんには伝えられない話
去年の秋から縁があって、店の前まで毎週水曜日に銚子から魚の引き売りに来てくれていたおじさんが仕事を辞めるようで、今日が最後の引き売りの日だった。
いつも押しの強いおじさんだなと思いながらも、出不精なマサちゃん(母)とわたしの性分と、肉類をなるたけ食べない妹(看護師)の存在により、おじさんが売ってくれる鮮度の良い魚が確実に食卓に彩りを与えてくれていていつも感謝していた。
最期の日だからといって、丁寧にあいさつしていったおじさんの顔はなんだかあんまり見たことのない柔らかい顔をしていて、こんな顔していったっけ?いつも少々横柄で、尊大な雰囲気があるようなおじさんのイメージだったけどな?と不思議な気持ちになったんだよな~~。
マサちゃん(母)いわく、「寂しかったんじゃない?」って言ってた。そうか、寂しいよなあ、何十年も働いていた仕事を辞める時、感慨もできるし、寂しくもなる。そりゃそうだ。顔だって柔らかくなるわ。
今年は正月に美味い刺身が食えないのは切ないし、夏バテして1ヶ月ほどお休みしていた矢先だったから仕方がないけれど、是非地元で悠々と健やかに過ごしてほしいわねと願う。
届かない祈りを送るのは楽しい。
最期に、と買った秋刀魚を早速食べたが、食べた後に手を洗うのを忘れていたため食べた後もしばらく爪の間から秋刀魚のにおいがうっすらした。嫌いじゃない。
食べる+場所=味ではなくその時の情景や特別な空気感が思い出されるよねえ。旅行先とかさ、ね!(強要する相槌)の話
さて、先日文化系トークラジオlifeのイベント「食べる場所の空間論~食堂車からフードコートまで~」を聞きに行ってきた。
文化系トークラジオlifeというのはTBSラジオの月一でやっている番組で、あんまりlifeは聞かないんだけれど派生ポッドキャスト番組「働き者ラジオ」が好きなので配信を聞いていた時にイベントの存在を知り、タイミングが合ったので行ってみた。
急にTBSラジオ褒めのコーナーになってしまった話
これは余談なんだけれど、タイミング的に衆院選が始まるので私の政治ウォッチの仕方などの紹介をちらっとしてみる。
仕事柄、手元は商品整理やらで忙しいが脳みそは暇。耳も暇。みたいなことがあるので、仕事中はなにかしらのラジオなり音楽なり推しの動画なりドラマなりを流し聞きしていることが多い。
その中でもラジオを聴くなら大方TBSラジオ系列ばかり聞いてしまうんだよなあ。だって面白いんだもん。
夢中になっていることがあるとき以外は結構ラジオと新聞で政治やその周辺のことを把握することが私は多いんだけれど、もし政治やニュースなどを知りたいけれど、何から手をつければいいのかわからないという方がいたら、武田砂鉄のプレ金ナイト(すごいタイトル)とニュースsession、おすすめです。
プレ金ナイトの後半、TBSラジオ記者の澤田大樹さんとの一週間ニュース振り返りを聞いておけば大体この週にどんなことがトピックで起きたのかさらえるし、sessionを聞けば(個人的にはPodcastで気になる特集とかを中心に聞いたりしている)、現在話題だったり、熱い話題ではないけれど知りたいと思える特集をよくやっていて、5分のニュースではわからない状況の背景とかを知ることが出来るので、おすすめです。
さらなる余談だけど、わたしは政治ウォッチも趣味で、個人的に政治を楽しく見れるための方法は、聞く気分の時はラジオなり新聞なりを読み、気分じゃないときには見ない(というか見れない。)ということに後ろめたさも持たないということかもしれないなと思った。
政治というのは蓄積なので、意外とたまに見聞きしているだけでも数年単位でみると知識が積み重なって少しずついろんな方面に知識があるようになっていくみたいな気がする。
今年の春から縁あって通うことになった月1,2回の韓国語教室だって、行った時の90分しか勉強していないのになんとなく韓国語の読み書きが進歩して少しずつ聞き取りが出来るようになる。
1か100かではなく、3とか12ぐらいをたまに続けていくのが嫌にならない方法かもしれないな~。
そもそも最近の政治を真正面に365日受け止め考え続けていたら、たぶん腹が立ったりままならなく感じたり絶望したりして、ストレスが多すぎる。でもずっと見ないのもいけない。投票する時に、「日頃のニュースを見ているときに思う感覚」というのが大事だったりするから。ニュースを見て、「これ良いな!」と思うこと、「これは嫌だな」と思うことを知ること。
それは自分が何を重要だと思っているかを知ることだから。
己の付き合いどころの距離や触り方を築いていくのは楽しいもんだったりするよね。
ほんでもこれはあまり周囲の人に言っても理解されないので、本当にいろんな付き合い方!あるよね!
どれも正解だしどれも正しい。
あ!!!一個気を付けているのは、SNSとかネットニュースだけでは情報を収集しないようにしています!!!これは個人的に結構重要で、SNSとかネットニュースってアルゴリズムに則って、自分の見たいもの、興味があるものをより表示するようにできている。
けれどそうなると自分に見えている世界がすべてになってしまって、視野が狭くなり考え方も凝り固まってくるので、新聞やラジオやら本といった、なるべく人の目が挟まった媒体で情報を仕入れようと気を付けていますよ!
人によって社会の見え方、世界の見え方が全く違うということを度々踏まえておくのはつくづく大事だなと感じる日々だね。
ということでとりあえずこれは聞いとくべきだなと思った、各党首の初日演説(各10秒ぐらいの切り取りだけどまじで肉声で聴くのと文章で読むのは全然印象が違うので聞いといて損はない)(全部聞いても15分)と、
そもそも総選挙ってなに?というおさらい&入門編(30分)と
是非一見してから投票場に行ってほしい、裁判官国民審査のプロフィールや過去の裁判の判断などがひとめでわかるNHKの特集ページを置いときます。(あたくしの推しは宇賀裁判官です。(今回審査対象じゃないけど)
衆院選も、全員が全員、すべてが悔いのない投票はありえないけれど、せめて自分が納得がすこしでもできる投票ができることを祈って!
(この長ったらしい上記のすべては、最近アイドルばっかり追っかけてまったくニュースを追ってなくて、衆院選が始まったことで動転して、衆院選調べなきゃ……とお顔真っ青になっている自分に言い聞かせておりますよ。ええ)
余談が長い(いつも)の話
はい、本題に戻る。
「食べる場所の空間論~食堂車からフードコートまで~」というイベントで何が話されたかというと本当に題名の通りの内容で、登壇者三人の軽快な語りと自身の食べるものにまつわる歴史がめくるめく移り変わっていく。
登壇者の一人で、鉄道オタク?でいらっしゃる政治学者の原武史さんの人生の中にまつわるあらゆる場面での「鉄道」と「食べもの」の話がすこぶる面白かった。なんで中学生の頃に学校行事で乗った鉄道での食堂車のメニューなんて覚えていられるの?
やっぱりアイドルオタクの自分が過去をさかのぼっていくときに、「あ、あの年は○○が◇◇してたから自分は△△していたときだな?!」と出来事を記憶しているようにオタクは「推し」と人生が並走しているんだなと実感して、極めている人って大好きだなと改めて思った瞬間だった。
フードコートは広場なんです。(商業施設ではあるが、という意味合いを踏まえて)の話
特筆して興味深かったのは、速水建朗さんがおっしゃってた「フードコートは広場であり/半公共性のある空間である」ということだった。
我が家はマサちゃん(母)が外食に対してめんどくさがる気質なので(たまに且つちゃんと美味しいものだとまた話は違うが)、幼少期にほとんどフードコートを利用せずに育ち、その習性からか学生になっても社会人になってもフードコートという広々した空間にあまり縁がなくやってきたもんだからそういう感覚を全く持ち合わせていなかったんだけれど、たしかに、そうかも?!
何処に座ってもよく、長居しても店員の目が痛くない。気軽に赤子から老いたるまで老若男女問わず集まれる場所って、〈フードコート〉だったんだ~~~!!
べつにこれにオチはなく、何かしらに繋がるわけでないけれど、これほどオンラインが普及した現在においても皆リアルな、でも負担が少なく集まれる場所を求めているから、こんだけフードコートって愛されてんだなって思うとフードコートのとらえ方が私の中で変わってくるわけだ。
フードコートから読み解く(?)人間関係の話
結局人が求めているのは適度な距離感の”人間関係”で、フードコートの良さって自分とその場で直接交流してなくても同じ場に座っているということだけで安心感がきっとあるんだろうな。
”適度な距離感”は時代において変化するかもしれないけれど、必要性が失われることはたぶんない。
前回の田内学さん著の「きみのお金は誰のため」を読んだ時にも、結局救ってくれるのはお金ではなく人間関係かもしれないということを書いたけれど、それがフードコートでも少し同じ理論が根底にあるのかもしれないな、なんて考えちゃったりしてね☆彡
前に”依存症”について書いた本を読んだ時も、「深刻な依存症を軽減させるためには、”依存先を無くす”のではなく、依存先をたくさん増やして一つ当たりの重さを減らすことが重要」って書いてあったことを思い出した。いろんなものに通づる、そんなヒントがフードコートにはあるんだな!すごい知見だ!
やっぱ店をいつの日か建て直すときに大事なのは、公共性だな~~
規模は小さいかもしれないが、店を広場にすることが存続のコツなんだな…!と一人合点をして新宿を後にする。
新宿は人間が多くて、人間の上半身を見ると情報量が多くて酔うのでなるたけ下を見て歩くようにしているが、年々反射神経と身体の連携の程度が下がっているのか人にぶつかりまくって、人が多いよう~~~と泣きながら帰った。何度行っても東京は、遠い。
イベントでは食と空間にまつわるおすすめブックリストをもらえたので、いくつか買って帰ってきた。
そのうち読んでブログのネタにでもしてみようと思います。
次回予告の話
次回は進藤義晴さんの「万病を治す 冷えとり健康法」を読んだ感想です!
冷えってね~、冷えって、まじで万病のもとなのね。
大変面白いです。(まだ読み終わってないけど)
ではまた!
何かしらあればこちらでも
いついかなる時も何を書こうか悩んでおりますので、なにがしらの質問や読んでほしい本などあればなんでもどうぞ!という気持ちで、お題箱おいておきます。よろしくね
なんでもどうぞ (@masumiya_kabu) | お題箱 (odaibako.net)
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