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限界をつくるなと教えてくれるスーパーばあさま。

あなたの旅立ち、綴ります

シャーリー・マクレーンの映画を見るのは実は初めてかもしれない。この年代の女優陣は結構活躍していて、それぞれのポジションを獲得していると思う。ジュディ・デンチ、ヴァネッサ・レッドグレーヴにマギー・スミス。このあたりが同世代。ヘレン・ミレンもかなと思ったけど、彼女は少しだけ若いです。まだ70代。

というか上記「おばあさん」俳優で頑張ってるのってなぜかイギリス人ばかりの中、シャーリー・マクレーンは一人、アメリカンとして奮闘していると思う。他にいなくない?あ、いた、ジェーン・フォンダ。でも彼女は「おばあさん」じゃないんだよね。「オンナ」を押し出す高齢女優の筆頭は、カトリーヌ・ドヌーヴやシャーロット・ランプリングかなと思うんですが、ジェーン・フォンダはどちらかと言うとそのタイプ。

あ、全然映画の内容に触れてない…。

ビジネスで成功し、何不自由ない生活を送ってきた老婦人ハリエット・ローラーは、80代になって孤独と死への不安を抱くようになり、自身の訃報記事を生前に用意しておこうと考える。地元の若い新聞記者アン・シャーマンに記事執筆を依頼したハリエットだったが、わがままで自己中心的なハリエットを良く言う人は誰もおらず、出来上がった記事は理想とはほど遠い内容だった。そこでハリエットは「最高の訃報記事」ができるように自分を変えることを決意。愛され、尊敬される人物になるよう奮闘する。そんな何事にも強気なハリエットと正反対な性格のアンは、しばしば衝突するが……。(映画.comより転記)

ワーキングウーマンなんて言葉すらなかった時代に、自分の道を築き上げてきたハリエット。敵しか作らず、自分の娘のことも顧みずに生き抜いてきて、老い先短い今、何を思うのか。

ただ、ひたすら、さびしい。

ではないだろうか。

この全てにおいて自立した完璧主義なバアさんは、誰からも憎まれて、恐れられて、実は皆彼女のようになれたら、とどこかで思っている。なれないから、彼女の存在を疎んじてしまう。

そんな彼女が周りから「良く思われたい」「訃報記事くらい良く書かれたい」と願って、奮闘する様は、憎らしくもあるものの彼女は何にも間違っていない。常に正しいのだ。その正しさは、多くの人が心に秘めていたり、隠しながら生きている。ハリエットは隠さない。

自信のなさが野心をダメにする」というハリエットの言葉は、訃報記事の書き手であるアンじゃなくても身につまされたよ。

この映画は、アンだけじゃなくて、今の若い人たちに向けてのエールのような、叱咤激励するような内容だ。

限界を作るな。

何かを始めることに遅すぎるなんてことはない。

己の力を信じて、続けることは恥ずかしいでもなんでもない。

自分が正しいと思って突き進んでいけば、きっと誰かがそれを見てくれている。その時はわからずとも。

その全てをハリエットは身を持って教えてくれた。

予告のとおりなのかなと思って見に行ったけど、とてもとてもいい映画です。随所に生きるためのポイントとなる言葉やハリエットの生き様が見てとれます。音楽にめちゃくちゃ詳しいハリエットがカッコイイです。

2018年24本目。シネリーブル梅田にて。

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