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なぜスタッフは退職するのか?その2

なぜスタッフが辞めるのか?

一つは働く前の口約束が守られないということを書きました。

次もお金にまつわる話ですが、定期昇給がないというのもあります。

定期昇給があっても、2000円/月くらいしか変わらないじゃんと思うかもしれません。

Drの感覚からしたらそう思いたくなりますが、スタッフの感覚からしたら違います。

1000円、2000円へのシビアな感覚は開業前に身につけておいたほうがいいかもしれません😁

もしかしたらもっと低いかもしれませんし高いかもしれませんが、「給料が全く上がらないこと」への不満は決して小さくありません。

当院では毎年1%ずつ定期昇給をしています。

なので、2000-3000円台の昇給になります。

中小企業の定期昇給は多分、1%前後です。

大手で2%程度。

大企業ならもう少しあるかもしれません。

ただ、何れにせよ、定期昇給がないから、いつまで働いても給料が増えないから、辞めるという事を聞きます。

これは開業医に多いパターンです。

ちなみに、パートさんも同様です。

パートさんでも上がらないことへの不満があります。

長く働いて仕事がよりこなせるようになってきたのに、給料が変わらないことへの不満は小さくありません。

ちなみに当院は毎年10円ずつ時給を上げていました。

それでも1%弱です。

つまり、正社員よりはちょっと少ないけど、でも、定期昇給はありますというスタンスです。

10円なんて、微々たるもんじゃん!とDrは考えがちですが、金額の多い少ないではないというのが現実だと思います。

見える形で評価をしてもらっているという点が重要です。

そのため、僕は雇用契約書にちゃんと定期昇給は毎年10円と書いています。

仮に5年勤めてもらえば、スタッフは5%近く、仕事をしてもらっていると感じます。

1000円だった時給が1050円になれば、評価された感は出るでしょう。

仮に週25時間勤務でも、月6000円違いますし、年間72000円違います。

結構違ってきます。

ちなみにその1でボーナスちゃんと出したんだから、給料は据え置きでは通用しないと考えています😁

定期昇給は定期昇給でしっかりと設定する。

ボーナスは約束通り、もしくはそれ以上を支給する。

この2点は必須項目だと思っています。

毎年しっかりと上がり、約束されたボーナスが出ていれば、やめて次の職場を探す際に、ハードルが上がります。

職場が働きやすくて、給料がちょっとだけ低くても、1-2年経てば同じになるなら、やめるメリットはあまり大きくないかもしれません。

そして、あとは退職金の設定も重要です。

いつ辞めても退職金が出ないなら、簡単に退職できます。

でも、退職金が毎月積み上がっていく場合、これもまた退職しない理由になります。

当院3年働いたら退職金が発生します。

なぜ3年なのか。

まず最初の一年はそのまま退職金の用意もしません。

その人の能力等を見るためです。

そして、この人は頑張って働いてくれるし、トラブルもないし、今後も雇用し続けたい!と考えたら、1年経過した時点で中小企業退職金共済に加入します。

そして、掛け金は3000~5000円に設定します。

その理由は掛け始めてから1年未満に退職した場合、掛け捨てになるからです。

中小企業退職金共済の欠点は1年未満に止めるリスクを考え3000-5000円に設定します。

そして2年間しっかりと働いてくれ、その間にトラブルがなければ、まず問題ないと判断し、その後、1万円に増額します。

つまり2年目に6万円、3年目に12万円の計18万円を中小企業退職金共済に支払い、そこから退職時に支払われます。

しかし、どうしても家庭の事情で辞めなければならないというケースも出てきます。

その際、2年目で退職すれば、掛け捨てになるため、退職金は出ませんが、3年目に辞める場合はちょっとだけ退職金が出ます。

本当は3年働いてからという規定にしていますが、頑張ってくれたという気持ちもあり、3年目に辞めても中小企業退職金共済に手続きをしてもらって退職金を出します。

勿体無いという考え方もありますが、個人的には、これで悪い噂はあまり出ないだろうなという計算もあります😁

仮に当院に不満があって退職する、表向きは家族を理由とする場合もあると思います。

そして、退職したスタッフが友達と話をして、当院の不満を言うと思います。

仮にお金が不満であった場合、友達も色々と聞いてくると思います。

その際、給料はいくら、定期昇給はちょっとあった、ボーナスは最初の説明通り支払われた(もしくはそれ以上)、そして、最後に3年未満だったけど、退職金もでた。

それを聞いた友達はどう思うか?

ちなみに当院の給料は近隣クリニックの求人の相場の上位1/4くらに設定しています。

つまり、決して低い給料ではありません。

なので、仮にお金に不満があってやめたスタッフがいたとしても、周囲の人が聞いたら「それって結構、あんたのわがままだよね」って思ってもらえるような形にするために退職金も設定しています。

そして、6年目からは2万円/月に増額します。

退職金がしっかりと積み上がっていくのを見ると、スタッフはお金を理由にやめようという気持ちはかなり減ります😀

実際、医療事務の場合、基本給の数%が退職金として支払われているのです。

実際、様々な看護師や医療事務と話を聞くと、やはり退職金があることは魅力であり、それがあれば、辞めるのを躊躇すると言っていました。

そのため、退職金の設定も退職者を減らす一助になることは間違い無いと思います。

まとめると1)定期昇給は必須 2)退職金設定は退職を踏みとどまらせる一助になり得る ということになります☺️

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