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日本の情緒について考えた

こんにちは。
先日図書館から借りた稲垣史生を読み終わりました。

行き詰まった武家の渋滞感があって、町人の豊かな生活から生産された華麗の果てに、にじみ出た渋さがあったこと、それらが江戸の情緒になる。
また、江戸情緒の主体は所謂江戸ッ子ではなくて町人だとか、助六と札差の関係など、腑に落ちることが色々でした。
深川芸者の本質は夏のようにみえるけど、実は思いに沈む冬にありとか。ふむふむ。

なにより杉浦日向子の師匠だったのですね。

杉浦日向子が好きです。
『一日江戸人』『合葬』『大江戸美味草子』『江戸へようこそ』などを持っています。
いちばん好きなのは『二つ枕』です。

あちらとこちらの境目で見える、一瞬のゆらぎが美しい。
男と女、好きと嫌い、町人と武士、生と死。
踊りの「あや」に通じるかもしれません。

そして、はぐらかし。
濃くなるとみせて、深くなるとみせて、はぐらかす。

また、「日本の」情緒となると、平安より続く「もののあはれ」も見逃せませんね。
わたしは源氏物語も好きです。

ろうたけた、なよやかな、うつくしさです。
香を深く焚き染めた扇が隠す白い顔、鳥の声、霜に色を変えた菊の葉。
心も時も留めることができないけど、と惜しむ気持ちが「あはれ」なのかなと思います。

きょうは雨模様です。
静かな気持ちできょうの天気を味わってみましょう。
心の何処かに響くものがありそうです。

読んでくださりありがとうございます。
また明日。

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