家族①

いつか私小説を書きたいと思っている。

少しずつ整理しながら今年を過ごしてみようかなと思った。

1つしか無い価値観の家族は嫌だな。

決まりごとが沢山あって、その場その場で上手く立ち回らないといけない家族も嫌だな。

悩み事を相談出来ない家族も嫌だな。

子供の成長を喜んでくれない家族も嫌だな。

小学5年生の春に初潮を迎えた私に母は
「え~~もうきたん!?めんどくさいなぁ!!」
と本当に面倒くさそうに怒ったように言った。

その頃の私は幼かった。男子と一緒に外で駆け回ったり、1人で自転車でどこまでも冒険に出掛けてみたり、本当はあまり遠くには行けていなかっただろうけれど、そんな活発で世間知らずな少女だった。びっくりするが、生理の存在を知らなかったのだ。

怒っている母、何か悪いことをしたのだろうかと不安と罪悪感でいっぱいになったのを覚えている。
母が不機嫌になるからこの話をしては駄目なんだということだけは分かった。

その後、軽くナプキンの使い方のレクチャーを受けたが、もう頭に入ってはこなかった。

後々に初潮を迎えたら、お祝いする家庭もあることを知って悲しい気持ちになった。

大人になってから産婦人科で聞いて、病院に行かなければならない症状だったのだと知ったのだが、私は月に2度生理がきていた。
無排卵の症状で、治療が必要だった。

生理が2回もあるのに、母は面倒くさそうにしているだけだった。

私は貧血と、体のダルさで男子とは遊ばなくなっていった。

それから困ったことが起こっても、相談出来ないという悪循環が始まった。
黙っていれば何も言われないし、母が面倒くさいこともないのだから。

ここが、他人を信じられない、私の人間不信の始まりだったと思う。

大人になってから無排卵の話をしたら、
「そうやったん!?全然分からなかったから、ごめんね~」
と軽く謝罪されただけだった。これもまたキツかった。やはりそんなもんか、という気持ち。
私はまだ、子供の頃のことを根に持って生きているのかという気持ち。

呪縛のようだな。



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