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ツバメと生きた50年


見出しの写真は20年以上前に私が初めてツバメを撮ったときのものだ。若いときは鳥になんか全く興味が無くバイクに釣りに遊びほうけていていた。

ある日カメラを持って多摩川の河原へ散歩に行ったときのこと、鳥がいるのを見つけ写真を撮って帰った。その時は何の鳥だろう?何してんだろう?まあとりあえず撮っておくか・・・くらいの気持ちだったと思う。プリントが上がりネットで調べると、どうも「ツバメ」という鳥らしいことがわかった。ツバメって家の軒先で巣を作る鳥だって事は知っていたが実際にどんな姿かはじっくりと見ていなかったのでわからなかった。

お恥ずかしい話、これが私とツバメの出会いだ。

これがツバメか・・・どんな鳥だろう・・・渡り鳥だって!・・・何を食べているのだろう・・・どんな暮しをしているのだろう?・・・どんどん調べていくうちに「ツバメって面白い!」と思うようになってしまった。

そんなこんなでツバメと付き合い20年が経った。ツバメを追いかけるようになって、とあるお店と出会った。食料品店なのにお店の中にツバメが飛んでいたのだ!周りをよく見るとお隣の八百屋さんでもお店の中をツバメが飛んでいる、お向かいのクリーニング屋さんの軒先でもツバメが飛んでいる。あっちにも、こっちでもツバメが飛んでいる。なんとそこの通りはツバメの桃源郷だったのだ。

食料品店には毎年毎年ツバメのシーズンになると何回も遊びに行き写真も撮らせてもらった。ちょうど自分の両親と同世代でつい甘えてしまい、遊びに行くたびにツバメ談義をしてお茶やお菓子をごちそうになり、ご主人と奥さんにはとても良くしてもらった。そんなご主人と奥さんですが、90歳を超え体の具合を考え今年いっぱいでお店をたたむという。地元のお客さんもツバメの成長を楽しみにして買い物に来る憩いのお店になっていたのにとても残念だ。

話を聞くと、「もう歳だからお店を畳むのはしょうが無いが50年以上ツバメと一緒に店をしてきたのに店を閉めたらツバメも困るだろう」とツバメの事が心配だという。色々なことがあったけど、いつも毎年ツバメがやって来てくれて雛が巣立ちまた来年ね!って見送り、また帰って来てくれる大切な家族みたいなものだとご主人は言う。鳥と人ってこんな関係にもなれるんだなってついウルウルしてしまうのだ。

50年という歴史のお店の思い出にご家族とお店のパノラマ写真をプレゼントをさせてもらった。さっそくお店に飾るといって喜んでくれた。

でも、感謝するのは私の方でツバメを通して素敵なお店や人とつながれ、素敵な思い出も貰った。ありがとうございました。


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