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(200字文)信仰の絶滅VS日本人の恥じらい

仏像は博物館で湿度の調整を受けガラスの向こうに整列し
人々はその巧みな彫刻をまじまじと観てはゾロゾロと通り過ぎて行く。
私は学生らしき黄色いリュックを背負った学芸員に解説を求めた。快諾して丁寧に説明する彼なら分かってくれると期待した。
「本来は沢山の人に慕われて、こんな距離じゃなかったと思う。私はそれが寂しい。手を合わせても?」
「そう!そうなんです!」
静かに合掌している二人は明らかに浮いていた。

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